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後場に注目すべき3つのポイント~需給イベント消化で手掛かり材料難

2023/3/30 12:21 FISCO
*12:21JST 後場に注目すべき3つのポイント~需給イベント消化で手掛かり材料難 30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日ぶり反落、需給イベント消化で手掛かり材料難 ・ドル・円は伸び悩み、仲値後は買い一巡 ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はKDDI<9433> ■日経平均は3日続伸、リターン・リバーサル終了でハイテク・グロース機運復活か 日経平均は4日ぶり反落。202.46円安の27681.32円(出来高概算5億6138万株)で前場の取引を終えている。 29日の米株式市場でダウ平均は323.35ドル高(+0.99%)と反発。金融不安が一段と緩和したほか、企業の好決算で投資家心理が改善し、終日堅調に推移。長期金利の上昇が一服したことで特にハイテクの買い戻しが目立ち、相場の上昇をけん引、ナスダック総合指数は+1.79%と3日ぶり大幅反発。一方、配当落ちの影響で257円程度の下押し影響がある日経平均は55.89円安からスタート。株価指数連動型ファンドの配当再投資の影響剥落なども意識される中、朝方からじわじわと値を切り下げ、前場終盤に27651.25円(232.53円安)とこの日の安値を付けた。上昇して始まった香港ハンセン指数が下落に転じたことも重しになったもようで、日経平均は本日の安値圏で前場を終えている。 個別では、配当落ちで川崎汽船<9107>の海運、三井住友<8316>、第一生命HD<8750>の銀行・保険、KDDI<9433>の通信、住友商事<8053>の商社、日本製鉄<5401>の鉄鋼、ENEOS<5020>の石油・石炭などが総じて下落。東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>の半導体関連も軟調。マネーフォワード<3994>、JMDC<4483>、SHIFT<3697>などグロース(成長)株も冴えない。一方、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)や米ナスダック指数の大幅高を背景にレーザーテック<6920>、ソニーG<6758>が上昇しているほか、米インテルの新製品投入時期に関する発表を材料に同社を顧客にもつ新光電工<6967>、イビデン<4062>が大幅高。為替の円安を追い風に無配当の三菱自<7211>など輸送用機器の一角も買われている。残存する新株予約権の取得と消却を発表した藤倉コンポジット<5121>も急伸した。 セクターでは海運、石油・石炭、証券・商品先物が下落率上位に並んだ一方、精密機器、ゴム製品、空運が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の74%、対して値上がり銘柄は23%となっている。 本日の東京市場は配当落ちに伴う影響もあり、全般売り優勢の展開。QUICKの試算によると日経平均では257円程度の下押し影響があるもよう。本日の日経平均の下落分はこれよりは小さいため、実質的には上昇していることになるが、前日の米主要株価指数が大きく上昇したのに比べると物足りなさは否めない。前日の東京時間のナスダック100先物の上昇である程度織り込まれていたとしても、米半導体メモリ製造装置大手のマイクロン・テクノロジーが決算を受けて7%高となった(前日時間外取引では約1%高)ことを踏まえるとやはり物足りない。配当落ち分を即座に埋め切れないあたり、現在の投資環境がそこまで強くない証左と捉えられてしまいそうだ。分かりやすい需給イベントを狙ってポジションを構築していた向きも多いとみられ、今後は手掛かり材料難が意識される。 本日の配当落ちを境にバリュー(割安)・高配当利回り銘柄から再びハイテク・グロース(成長)株へ物色動向が変化すると想定していたが、今日の東京市場を見る限り、先週まで強かった半導体関連株を中心に関連株の強さはまだ再燃していない。前日の米国市場では、マイクロンの決算に加えて、半導体大手インテルが投資家向けオンラインイベントで新商品を来年上半期と市場が想定していた時期よりも早く出荷する計画を発表して急伸した。こうした背景から米SOX指数が3.27%高と上昇したにもかかわらず、一部配当落ちの影響もあるとはいえ、東エレクなどの半導体関連株は冴えない動きが続いている。 明晩、米連邦準備制度理事会(FRB)が重要視する米2月個人消費支出(PCE)コアデフレーターの発表が控えていることがハイテク・グロース株の物色再燃を抑えている可能性がある。今週に入って欧米の銀行経営不安が後退したことで一連の問題は目先のピークを超えたと考えられている。中長期では今後の実体経済への影響が懸念されるが、影響発現までのタイムラグを考慮すると、市場の目線は短期的には再びインフレや景気の動向に移っていきそうだ。こうした中、米PCEコアデフレーターの結果が改めて注目度を増していると考えられる。仮に結果が強く上振れると、金融システム不安がくすぶる中で利上げ継続を迫られるFRBのジレンマ的状況の想起につながる恐れがある。PCEコアデフレーターの無難消化を確認するまではハイテク・グロース株の物色機運はお預けといったところか。 ■ドル・円は伸び悩み、仲値後は買い一巡 30日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。朝方に132円40銭台に下げた後、仲値にかけて国内勢によるドル買いが強まり、一時132円86銭まで値を切り上げた。ただ、その後は米長期金利の上げ渋りでドル買いは一巡し、132円半ばに失速した。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は132円46銭から132円86銭、ユーロ・円は143円58銭から144円07銭、ユーロ・ドルは1.0828ドルから1.0849ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・阿波製紙<3896>、Arent<5254>など、7銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はKDDI<9433> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・2月中古住宅販売成約指数:前月比+0.8%(予想:-3.0%、1月:+8.1%) 【要人発言】 ・バーFRB副議長 「我々の監督システムは機能しなかった」 「我々は会合ごとに金利を判断」 ・レーン欧州中央銀行(ECB)理事 「ユーロ圏のインフレは年末に急低下する見通し」 「初期の生産段階でインフレの転換点がみられた」 「基本シナリオの下では追加利上げが必要」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 21件
3697 東証プライム
18,215
12/30 15:30
-10(%)
時価総額 324,828百万円
ソフトウェアテスト関連サービス、ソフトウェア開発関連サービスが柱。Web企画制作、マーケティング等も。連結エンジニア数は1.1万人超。エンジニア採用、事業開発投資進める。27.8期売上2000億円目指す。 記:2024/10/25
3896 東証スタンダード
466
12/30 15:30
+10(%)
時価総額 4,741百万円
機能材メーカー。機械漉和紙メーカーとして1916年に創業。エンジン用濾材等の自動車関連資材、分離膜支持体用不織布等の水処理関連資材が柱。分離膜支持体の拡販強化など事業ポートフォリオの最適化に取り組む。 記:2024/11/27
3994 東証プライム
4,831
12/30 15:30
-53(%)
時価総額 264,135百万円
経理・確定申告、人事労務等の「マネーフォワード クラウド」が主力。家計簿アプリや事業用プリペイドカード、企業間請求・決済代行サービスなども。課金顧客数は35万超。企業間請求・決済代行サービスは好調。 記:2024/10/28
4062 東証プライム
4,775
12/30 15:30
+175(%)
時価総額 672,611百万円
ICパッケージ基板で世界トップシェア。1912年に揖斐川電力として創業。岐阜県大垣市に本社。自動車排気系部品等のセラミック事業も。特殊炭素製品は受注順調。事業競争力の強化、新規製品の事業化などに注力。 記:2024/11/26
4483 東証プライム
3,926
12/30 15:30
+43(%)
時価総額 256,564百万円
匿名加工化された疫学データを製薬会社や保険会社などに提供。国内最大規模の遠隔読影プラットフォーム、調剤薬局支援事業等も。オムロン傘下。PHRサービスの拡充図る。ヘルスビッグデータは事業拡大が続く。 記:2024/11/08
5020 東証プライム
826.3
12/30 15:30
-7.4(%)
時価総額 2,506,045百万円
ENEOS、JX石油開発、JX金属などを傘下に収める持株会社。石油元売り国内トップ。機能材事業、電気事業、再生可能エネルギー事業等も手掛ける。機能材事業の収益改善図る。JX金属が東証に新規上場申請。 記:2024/10/14
5121 東証プライム
1,599
12/30 15:30
+33(%)
時価総額 37,490百万円
工業用ゴム部品などの産業用資材が主力。1901年創業。ゴルフ用カーボンシャフトなどのスポーツ用品、ゴム引布などの引布加工品を手掛ける。DOE4%以上目途。事業ポートフォリオの最適化などに取り組む。 記:2024/10/14
5254 東証グロース
5,680
12/30 15:30
+130(%)
時価総額 35,244百万円
建設業界中心のDXコンサルティングが主力。「Lightning BIMシリーズ」の自社プロダクトなども。3Dを核としたシステム開発力が強み。営業強化で建設業界のBIM化推進ソフトウエアなどの販売拡大図る。 記:2024/12/21
5401 東証プライム
3,182
12/30 15:30
+37(%)
時価総額 3,023,921百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。米鉄鋼大手USスチール買収は不透明。 記:2024/11/15
6758 東証プライム
3,369
12/30 15:30
-48(%)
時価総額 21,032,997百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。ゲーム&ネットワークサービス分野は売上堅調。自社制作以外のゲームソフトウェア販売の増加などが寄与。 記:2024/12/08
6857 東証プライム
9,198
12/30 15:30
-249(%)
時価総額 7,046,965百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
15,185
12/30 15:30
-65(%)
時価総額 1,431,733百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置、レーザー顕微鏡なども。1960年創業。24年9月に新製品「SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置SICA108」を発表。 記:2024/11/11
6967 東証プライム
5,705
12/30 15:30
+15(%)
時価総額 771,156百万円
半導体パッケージメーカー。フリップチップタイプパッケージが主力。長野県長野市に本社。海外売上比率が高い。セラミック静電チャック等も。プラスチックBGA基板は生産能力増強図る。光電融合デバイスの開発に注力。 記:2024/09/02
7211 東証プライム
532.6
12/30 15:30
-17.5(%)
時価総額 793,724百万円
SUV・4WD技術に強みを持つ自動車メーカー。仏ルノー及び日産自動車と提携。海外売上高比率は7割超。アセアンの販売台数比率が高い。26.3期営業利益率7%目標。オセアニアは販売シェアの維持・拡大に注力。 記:2024/11/26
8035 東証プライム
24,185
12/30 15:30
-195(%)
時価総額 11,406,444百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向は50%目処。海外売上高比率が高い。積極的な設備投資を継続。 記:2024/12/20
8053 東証プライム
3,428
12/30 15:30
-13(%)
時価総額 4,151,647百万円
総合商社大手。1919年設立。メディアなどの非資源に強み。SCSK、食品スーパーのサミットなどを傘下に持つ。総還元性向40%以上目安。27.3期当期利益6500億円目標。事業ポートフォリオの変革進める。 記:2024/11/10
3,764
12/30 15:30
-3(%)
時価総額 14,771,938百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
4,235
12/30 15:30
-53(%)
時価総額 4,367,763百万円
第一生命保険を中核とする持株会社。第一フロンティア生命保険、アイペット損害、ベネフィット・ワンなども傘下に持つ。既存進出国の資本効率改善などに取り組む。中期経営計画では27.3期ROE10%程度目標。 記:2024/08/30
9107 東証プライム
2,254.5
12/30 15:30
+50.5(%)
時価総額 1,522,175百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。ドライバルクセグメントでは運航コスト削減、配船効率の向上図る。 記:2024/11/27
9433 東証プライム
5,042
12/30 15:30
-17(%)
時価総額 11,051,288百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。5G基地局数は業界最多。au PAYカード会員数は980万人超。スマートフォン稼働数は増加傾向。 記:2024/11/09
9984 東証プライム
9,185
12/30 15:30
-69(%)
時価総額 13,501,904百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。スマホ契約数は増加。コンシューマ事業はモバイルサービス、ブロードバンドサービス売上等が順調。 記:2024/11/27