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日経平均は3日続伸、今週の懸念材料はこれから

2023/8/8 12:12 FISCO
*12:12JST 日経平均は3日続伸、今週の懸念材料はこれから  日経平均は3日続伸。103.54円高の32358.10円(出来高概算7億4320万株)で前場の取引を終えている。  7日の米株式市場でダウ平均は407.51ドル高(+1.16%)と4日ぶり反発、ナスダック総合指数は+0.61%と5日ぶり反発。ニューヨーク連銀総裁がインフレ動向次第では来年の利下げが正当化される可能性に言及し、投資家心理が改善した。米国株の反発や為替の円安を追い風に日経平均は176.05円高からスタート。序盤は買いが先行し、午前10時過ぎには一時32539.88円(285.32円高)まで上昇した。しかし、心理的な節目の回復が目先の達成感につながり、その後は失速。時間外取引の米株価指数先物の軟化や香港ハンセン指数の下落が重しとなり、一時下落に転じる場面もあったが、前引けかけては下げ渋った。  個別では、川崎汽船<9107>、郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、コマツ<6301>、クボタ<6326>の建機など景気敏感株の上昇が目立つ。三菱重<7011>は国内証券のレーティング格上げが好感されて大幅に上昇、本日決算を控える川崎重<7012>も大幅高。レーザーテック<6920>は4-6月期受注の上振れが好感されて買い優勢。決算関連では、業績予想を上方修正したティラド<7236>、イトーキ<7972>、フジテック<6406>、第1四半期が好スタートとなったSANKYO<6417>、コムシスHD<1721>、丸一鋼管<5463>、昭和産業<2004>が急伸。  一方、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>の半導体株が軒並み下落。イビデン<4062>、新光電工<6967>、芝浦<6590>など半導体関連の一角も大幅安。上半期が下振れ着地となったスペース<9622>のほか、業績上方修正がなかったことが失望されたLIFULL<2120>、好決算ながらも出尽くし感が先行したUアローズ<7606>、第1四半期の低進捗が嫌気された日本製紙<3863>、カチタス<8919>、ARM<8769>などが急落した。  セクターでは電気・ガス、海運、食料品が上昇率上位に並んだ一方、保険、精密機器、石油・石炭が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の56%、対して値下がり銘柄は41%となっている。  本日の日経平均は寄り付きから買いが先行し、午前10時過ぎには一時32500円を超えた。週明け7日の米ダウ平均が1%超の上昇率で4日ぶりに反発し、下落が続いていた米ナスダック総合指数も5日ぶりに反発したことで、久々の米株高が投資家心理を改善させたようだ。しかし、心理的な節目を回復したところで戻り一服感が台頭し、その後は高値から300円ほども上げ幅を縮め、下落に転じる場面もあった。  前日の東京市場が朝安後に急速に切り返したのは、先週、株式市場の下落につながった日米長期金利の上昇が一服したことが大きい。先週末4日に発表された米7月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を小幅に下回ったとはいえ、平均時給の伸びは前年同月比および前月比でともに市場予想を上回った。しかし、それまでの金利上昇ペースが速かったことに伴う目先の材料出尽くし感に加え、雇用者数や週平均労働時間の減少に着目した景気減速の兆候から、米10年債利回りは3日の4.18%から4日には4.04%へと大きく低下した。週明けの日本の10年物国債利回りもこうした流れを引き継ぎ、先週末は0.65%を超えていたが、週明け7日は0.62%まで低下した。  しかし、7日の米10年債利回りは4.09%と先週末4日の4.04%から再び上昇している。日本の10年物国債利回りも本日8日は0.635%と早くも反発している。先週、米長期金利を上昇させた主な要因は米財務省による中長期債の発行規模引き上げと考えられる。今週は米国債の四半期入札が行われる。8日に3年債、9日に10年債、10日には30年債が予定されている。  また、今週は10日に米7月消費者物価指数(CPI)、11日には米7月卸売物価指数(PPI)、米8月ミシガン大学消費者信頼感調査の期待インフレ率が発表される。米CPIは前年同月比+3.3%と6月(+3.0%)から加速する見込みで、13カ月ぶりに伸びが前の月から拡大する予想だ。サウジアラビアの減産期間の延長や米経済のソフトランディング(軟着陸)期待を背景に、原油市況が需給の両面から上昇基調にあるなか、米7月PPIは総合および食品・エネルギーを除いたコア指数ともに前月比+0.2%と前回6月分(+0.1%)から加速する見込み。米ガソリン価格も上昇基調にあるため、期待インフレ率の上昇も予想される。  前日、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、インフレが減速すれば来年には利下げが正当化される可能性があるなどと指摘したことが足元の株式市場の支援材料になっているようだ。しかし、上述したように、米金利の先高観が残るなか、米四半期入札の結果や米CPI・PPIの結果は注視する必要がある。  一方、日本では本日午前に発表された毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年同月比-1.6%と、前月(-0.9%)から減少率が拡大し、市場予想(-0.9%)よりも大幅な減少率となった。また、現金給与総額は同+2.3%と18カ月連続で増加したものの、伸び率は市場予想(+3.0%)を下回った。これが日銀の金融緩和を長期化させる思惑を強めることになれば、国内長期金利の上昇圧力が和らぎ、日本独自の株安要因も弱まりそうだ。  ただ、ドル円は現在(本稿執筆時点、8日11時前後)1ドル=143円30銭台と先週末4日から2円近く円安・ドル高が進んでいる。植田日銀総裁は7月の金融政策決定会合におけるイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の柔軟化にあたって、為替市場の変動率などにも配慮していることを示していた。足元のドル円の変動率は大きい上に、また、輸入インフレ再燃につながり得る円安は、物価目標の上振れを警戒する日銀としては許容しがたい。日銀の追加政策修正への思惑はくすぶり、国内長期金利の上昇圧力も簡単には和らがないだろう。  日米長期金利の上昇圧力がくすぶるなか、ハイテク・グロース(成長)株の上値は重い展開が予想される。一方、市況関連などのバリュー(割安)株が相対的に優位な展開が当面続きそうだ。(仲村幸浩) 《AK》
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2120 東証プライム
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3863 東証プライム
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4062 東証プライム
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5463 東証プライム
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時価総額 4,570,977百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6301 東証プライム
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時価総額 4,151,356百万円
世界2位の総合建設機械メーカー。1921年設立。自動車産業向け大型プレスなど産業機械も。エンジンなどは国内で自社開発。海外売上比率は8割超。配当性向40%以上目安。坑内掘りハードロック事業の拡大図る。 記:2024/10/07
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世界シェアトップクラスの農業機械メーカー。1890年創業。建設機械「ミニバックホー」などで世界トップシェア。ダクタイル鉄管、水処理システム等も手掛ける。海外売上高比率は7割超。強固な販売網などが強み。 記:2024/08/27
6406 東証プライム
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-67(%)
時価総額 480,896百万円
エレベーター・エスカレーターなど空間移動システムの専業メーカー。1948年設立。業界に先駆けて海外進出。海外売上比率は6割超。一貫体制が強み。グローバル生産・調達体制推進。新設事業の拡大などに注力。 記:2024/10/10
6417 東証プライム
2,063
12/25 15:30
-9.5(%)
時価総額 536,380百万円
パチンコ・パチスロ機メーカー大手。カードシステムや補給機器、喫煙ブース、内装施工等も。配当性向40%目安。「Lパチスロ ありふれた職業で世界最強」を25年2月に導入予定。27.3期営業利益880億円目標。 記:2024/11/27
6526 東証プライム
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時価総額 465,361百万円
半導体ファブレスメーカー。富士通、パナソニックのシステムLSI事業の統合により誕生。SoCの設計・開発、販売を行う。オートモーティブ、データセンターなどが注力分野。注力分野中心に多くの大型商談を獲得。 記:2024/07/28
6590 東証プライム
8,090
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-80(%)
時価総額 113,033百万円
半導体製造装置やFPD製造装置、真空応用装置等を手掛ける製造装置メーカー。研磨後洗浄装置、高温リン酸エッチング装置などで高シェア。配当性向35%目途。次世代・先端半導体対応装置の開発・販売などに注力。 記:2024/07/28
2,022.5
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時価総額 3,783,319百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6857 東証プライム
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時価総額 6,883,777百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
14,995
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時価総額 1,413,819百万円
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6967 東証プライム
5,690
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時価総額 769,129百万円
半導体パッケージメーカー。フリップチップタイプパッケージが主力。長野県長野市に本社。海外売上比率が高い。セラミック静電チャック等も。プラスチックBGA基板は生産能力増強図る。光電融合デバイスの開発に注力。 記:2024/09/02
7011 東証プライム
2,226
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+10(%)
時価総額 7,509,740百万円
総合重機国内最大手。1884年創立。各種発電システムや航空機用エンジン、物流機器、製鉄機械、特殊車両等を手掛ける。ガスタービンで世界トップシェア。中期経営計画では27.3期売上高5.7兆円以上目標。 記:2024/09/03
7012 東証プライム
7,089
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+291(%)
時価総額 1,190,399百万円
総合重機大手。二輪車や航空機、鉄道車両、造船、各種発電設備プラント、油圧機器・油圧装置等を手掛ける。ウェハ搬送ロボットで世界トップシェア。1878年創業。エネルギー・環境ソリューション分野などに注力。 記:2024/10/20
7236 東証プライム
3,610
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7606 東証プライム
2,676
12/25 15:30
-7(%)
時価総額 80,853百万円
大手セレクトショップ。国内外のデザイナーズブランド、自社オリジナル企画の紳士服・婦人服、雑貨などを販売。グループ店舗数は300店舗超。ウィメンズの新ブランド「conte」は24年秋に販売開始予定。 記:2024/07/28
7972 東証プライム
1,661
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-25(%)
時価総額 88,669百万円
デスク・ワークステーションなどを手掛けるオフィス家具メーカー。特殊扉や情報セキュリティシステムなどの設備機器・パブリック事業も展開。サプライチェーン改革でビジネス拡張図る。配当性向は40%目指す。 記:2024/08/12
611
12/25 15:30
+8(%)
時価総額 10,558百万円
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8919 東証プライム
2,194
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-16(%)
時価総額 172,560百万円
中古住宅再生事業を手掛ける。中古住宅買取再販の販売件数で国内トップ。地方都市が主なターゲット。中低所得者層が主な顧客層。木造戸建住宅の再生ビジネスに強み。配当性向40%以上目安。25.3期は増収増益計画。 記:2024/07/04
9101 東証プライム
5,176
12/25 15:30
+56(%)
時価総額 2,386,136百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,343
12/25 15:30
+28(%)
時価総額 1,937,126百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,151.5
12/25 15:30
+4.5(%)
時価総額 1,452,633百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。ドライバルクセグメントでは運航コスト削減、配船効率の向上図る。 記:2024/11/27
9622 東証プライム
1,140
12/25 15:30
+3(%)
時価総額 30,324百万円
商空間プロデュース企業。商業施設や飲食店、物販店等のディスプレーの企画、設計、施工を行う。成田国際空港第3ターミナルなどで実績。複合商業施設などで大型案件受注。営業奏功で既存、新規ともに受注範囲が拡大。 記:2024/07/05