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エレマテック Research Memo(4):減収減益での着地ながら減収幅は小幅。次期成長市場の取り込みが進捗

2019/12/16 15:34 FISCO
*15:34JST エレマテック Research Memo(4):減収減益での着地ながら減収幅は小幅。次期成長市場の取り込みが進捗 ■業績の動向 1. 2020年3月期第2四半期決算の概要 エレマテック<2715>の2020年3月期第2四半期決算は、売上高88,057百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益2,326百万円(同23.7%減)、経常利益2,262百万円(同22.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,671百万円(同21.4%減)と、減収減益となった。 同社は通期ベースで予算を管理しているため上期(第2四半期累計期間)の業績予想は出していない。したがって期初予想との比較はできない。しかしながら、同社は2019年10月28日付で2020年3月期通期予想の業績見通しを下方修正している。これに照らせば、2020年3月期第2四半期決算もまた、同社の社内計画に対してはショート(未達)したものと弊社では推測している。 2020年3月期第2四半期の事業環境としては、米中貿易摩擦の激化に伴う影響が何よりも懸念されていた。そうしたなか同社は、一部では米中貿易摩擦の影響もみられたものの、スマートフォン関連部材の落ち込みの影響など、同社固有の事情による減収影響がより大きく出た。反対に売上高を大きく伸ばした事業・製品も少なからずあった。詳細は後述するが、次期成長市場に関連したビジネスが順調に拡大していることが貢献したと弊社では見ている。これらの結果、売上高は前年同期比減収とはなったものの、その減収幅は1.7%(1,562百万円)と、軽微にとどまった。 利益面では、減収影響に加えて、売上総利益率が前年同期の10.2%から2020年3月期第2四半期は9.7%に低下したこともあり、売上総利益は同6.4%(585百万円)の減益となった。売上総利益率の低下は交易条件の悪化よりも製品構成差による影響が大きかったと弊社では推測している。販管費は同2.2%(136百万円)増加した。厳しい事業環境ではあったが、強化分野での人員拡大や、社員の士気高揚・流出防止に向けて昇給を実施したことで人件費が128百万円増加したことが販管費を押し上げた。その結果営業利益は同23.7%(722百万円)の減益となった。 同社は期中の2019年6月1日を効力発生日として1株につき2株の割合で株式分割を実施した。その結果1株当たり利益は40.82円となり、株式分割調整後の前年同期の1株当たり利益51.91円を11.09円下回った。一方中間配当は17円を実施した。株式分割調整後の前期の中間配は15円であるため、実質的に2円の増配となった。 AutomotiveとBroad Marketは逆風の事業環境下でも着実に増収を確保 2. マーケット別売上高の動向 Digital Electronicsの2020年3月期第2四半期は売上高が40,655百万円(前年同期比9.3%減)となった。製品・市場別内容を見ると、過去数年にわたり大きな変動用要因となっていた液晶・TP・BL※は前期までに十分下がりきった形となり2020年3月期第2四半期決算ではその影響がほぼ見えなくなった。最も変動が大きかったのはモバイル(端末)で、前年同期比1,972百万円の減収となった。これは米中貿易摩擦の影響ではなく、取引先の事情による。次に大きかったのは電気・電子部品で1,633百万円の減収となった。これは様々な製品が多数の取引先に向けて販売されており、米中貿易摩擦の影響で中国での生産活動が低下した影響とみられる。 ※液晶・TP・BL:TPはタッチパネル、BLはバックライトで、液晶パネル及びその主要部材であるタッチパネルやバックライトを統合した販売先市場を表している。 Automotiveの2020年3月期第2四半期は前年同期比1.9%増収の13,609百万円となった。自動車関連の市場や商材は同社が今後の成長分野として期待し、注力している分野であるため、1.9%(250百万円)の増収率は若干低いという印象も受ける。しかしながら自動車向けビジネスは、自動車市場全体の生産・販売動向に加えて、納入先のモデルサイクルの影響も受けるため、各年の収益変動は決して小さくない。2020年3月期第2四半期の増収は、日本及び中国で自動車生産が低水準にあることに照らすと健闘したと評価できるだろう。 Broad Marketの2020年3月期第2四半期は、前年同期比7.5%(2,350百万円)増収の33,792百万円となった。このセグメントはDigital ElectronicsとAutomotive以外のすべてを含んでいるが、その中で2020年3月期第2四半期はアフターマーケット(前年同期比1,999百万円増)と医療機器(同587百万円増)が売上を伸ばした。アフターマーケットというのは販売経路に基づいた命名で、中身としてはドライブレコーダー関連製品が中心となっている。一方医療機器は現状では超音波診断装置の部材が中心となっている。この2つがBroad Marketの伸びをけん引する状況は前期から続いている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《ST》
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豊田通商傘下のエレクトロニクス商社。基板やシリコン等の電子材料、コネクタやセンサ等の電子部品、機構部品などを取り扱う。得意先は約6000社。自動車領域に注力。高付加価値型ビジネスの強化等に取り組む。 記:2024/09/02