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アドバネクス Research Memo(5):2020年3月期第2四半期より利益は拡大基調に転じる

2020/1/6 15:35 FISCO
*15:35JST アドバネクス Research Memo(5):2020年3月期第2四半期より利益は拡大基調に転じる ■業績動向 1. 2020年3月期第2四半期の業績概要 アドバネクス<5998>の2020年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比0.1%減の10,473百万円、営業利益が前年同期の2百万円から150百万円へ増加し、経常利益が同49.1%減の47百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が117百万円(前年同期は43百万円の損失)であった。四半期毎の営業利益は長らく低迷していたが、2020年3月期第2四半期単独(7月-9月)では122百万円と100百万円を超えた。営業外収益において、前年同期の為替差益47百万円が2020年3月期第2四半期累計では76百万円の損失に転じたため、経常利益に対し123百万円の減少要因となった。イギリス工場の統合による特別退職金や訴訟関連損失などの特別損失が発生した。 (1) 所在地別動向 所在地別売上高については、日本は自動車向けが好調を維持したが、OA向けが減少し、前年同期比4.8%の増加にとどまった。セグメント損失が前年同期の107百万円から36百万円に縮小した。米州は、医療向けが増加したものの、自動車向けが落ち込み、同2.2%の減収となった。損失は、前年同期の205百万円から132百万円へ縮小した。メキシコ工場は、自動車向け生産ラインが一部稼働したことにより赤字が圧縮された。欧州は、売上高が同0.7%減、利益は同77百万円から47百万円へ減少。航空機向け売上は増えたが、英ポンド安の影響を受けた。新設したチェコ工場の立ち上がりコストが減益をもたらした。アジアは、米中貿易摩擦の影響により中国事業が低調だったため、同4.2%の減収。利益は、インドネシアの好転がインド新工場の立ち上がりコストをカバーしため、283百万円と同14.9%増加した。中国の4拠点(大連、常州、上海、東莞)にある工場は、米国との取引がほとんどないが、貿易摩擦を起因とする中国国内の景気低迷の影響を受けた。関税回避のため多くの顧客が中国から東南アジアへ生産を移管したが、同社はそれをタイ工場とベトナム工場でカバーし、連結での影響を軽減した。 (2) 市場別動向 市場別で前年同期比増収となったのは、自動車(+394百万円)と航空機器(+85百万円)であった。一方、主な減収は、OA機器(-232百万円)、精密機器(-117百万円)、インフラ・住設(-65百万円)であった。タングレス・インサートは、航空機向けが伸びたものの、産業用ロボット向けが減少した。かつて主力市場であったOA機器は、タブレット端末の普及でペーパーレスが進んでいる上、複写機や複合機に金属部品が多く使われなくなったため減少傾向が続いた。 2. 財務状況 2020年3月期第2四半期末の総資産は、23,328百万円と前期末比623百万円増加した。流動資産は459百万円減少したが、固定資産が1,082百万円増えた。流動資産はたな卸資産(+205百万円)とその他流動資産(+204百万円)が増加したが、現金及び預金(-525百万円)と受取手形及び売掛金(-343百万円)が減少した。負債の部においては、負債合計が17,844百万円、うち有利子負債が11,417百万円となった。 有利子負債は、2015年3月期末の3,977百万円から大幅に増加した。2020年3月期第2四半期の設備投資額は、減価償却費の610百万円を大幅に上回る1,500百万円であった。財務の安全性比率である流動比率は105.4%、自己資本比率が23.2%へと低下した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《SF》
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