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サンコーテクノ Research Memo(3):ファスニング事業と機能材事業の2事業を展開

2019/7/4 15:13 FISCO
*15:13JST サンコーテクノ Research Memo(3):ファスニング事業と機能材事業の2事業を展開 ■会社概要 2. 事業の概要 同社グループはサンコーテクノ<3435>本体のほかに子会社9社、関連会社2社で構成されており、ファスニング事業と機能材事業の2つの事業を展開している。前述のように、2019年2月と4月のM&Aにより連結子会社が3社増加した。 同社は中期経営ビジョン『S.T.G VISION 2020』に取り組んでいるが、その一環で2016年3月期に組織変更を行った。変更のポイントは、工事部門をファスニング事業の中に取り込み、営業体制の強化や効率化を図った。また、ファスニング材料以外を機能材事業としてまとめ、製品ごとに開発・製造・販売を一気通貫で行う体制とし、経営のスピードアップを図った。中期成長戦略の項で詳述するが、今後は、機能材事業において製品間のシナジーを追求する施策が展開される方向にある。 セグメント別の構成は、ファスニング事業が売上高の82%、営業利益の87%を占め、同社の主力事業となっている(数字は2019年3月期実績ベース)。機能材事業から一部事業がファスニング事業に移管されたほか、FRPシート関連の一部製品からの撤退があったため、2019年3月期実績においては機能材料事業の売上高・営業利益の構成比が前期から低下した。しかしながら、2019年に入って3社を連結子会社化したことで、2020年3月期は機能材事業の売上構成比は大きく上昇する見込みだ。利益面でも2021年3月期以降は徐々に上がっていくと期待される。 (1) ファスニング事業 木造の構造物に何かを取り付ける際はネジや釘が使用されるが、コンクリート構造物にはそれらは使えない。代わって使用されるのが同社の主力製品であるあと施工アンカーだ。あと施工アンカーやネジ類などを総称して工業用ファスナーと言い、ファスニング事業の名称はここに由来する。 ファスニング事業は、1)金属系あと施工アンカー、2)接着系あと施工アンカー、3)各種工事関連、4)その他のファスニング材、5)海外売上高の5つのサブセグメントから成る(過去には、4と5の内容が金属系の製品であるため1に含め、3つのサブセグメントで開示するケースもあった)。 金属系アンカーは同社の主力製品で、セグメント売上高の35%(2019年3月期実績ベース、以下同じ)を占めている。同社は1965年に「オールアンカー」の実用新案登録を取ったことに象徴されるように、金属系アンカーで成長を遂げてきた。一方、接着系アンカーはアンカーの固定に接着剤を用いるタイプだ。接着剤は外部調達となるため金属系アンカーとはビジネスモデルが若干異なる。 国内市場におけるポジショニングは、同社は金属系アンカーでは市場シェア約50%を握るトップ企業であり、また接着系アンカーをも交えたあと施工アンカー市場全体でも約40%の市場シェアを有するトップ企業となっている。 各種工事関連は、あと施工アンカーを始めとする締結技術を応用した、各種構造物の耐震補強工事の施工管理と部材供給を行う耐震補強事業と、ソーラーパネル設置に際して施工管理と部材供給を行う太陽光関連事業の2つで業容拡大を実現してきた。近年では太陽光関連の工事が急減し、代わって、土木・インフラ関連が増加している状況にある。同社は、工事自体は行わず、同社のアンカー製品が正しく施工されているかを管理・監督する工事監理を行っている。 アンカー製品の生産は、主に国内の野田工場と、タイの生産子会社の2ヶ所で行っている。タイの生産分は大部分を国内に輸入して日本で販売しているが、一部は東南アジア市場で販売している。原料の鋼材については、国内工場は日本で、タイ工場はタイで、それぞれ調達している。同業他社が海外工場で安価な現地調達の鋼材を使用して製造し、国内に輸入しているのに対し、同社は国内生産に強いこだわりを持っている。製造コストの面では不利になるが、トップ企業としてのブランド力と品質への信頼性を武器に、ディスカウントすることなく他社よりも割高な価格でありながらもトップシェアを維持できている。この点に同社の強みが現れていると弊社では考えている。 (2) 機能材事業 機能材事業では、1)電動油圧工具、2)アルコール検知器関連、3)電子基板関連、4)FRPシート関連、の4つのサブセグメントから成っている。過去は製品ラインアップがもっと多かったが、市場性や成長性、シェア等の観点から絞り込みを進めて現在の姿に至っている。 電動油圧工具は子会社のIKKが製造するもので、鉄筋カッターやベンダーなど様々な種類がある。電動油圧工具は北米や東南アジアなど世界中に輸出されている。工具本体の耐用年数は長いが、鉄筋カッターの刃などは消耗品であり、ストック型ビジネスの一面もある。 アルコール検知器関連の主たる用途はタクシー会社や運送会社等におけるドライバーのアルコール測定用だ。検知精度向上を目指して接触燃焼式から燃料電池式に転換するなど、製品開発を続けている。また2015年3月にはクラウド型点呼サービスを開始している。電子基板関連はスイコーが手掛けている。プリント配線板の受注生産とプリント配線板上への電子部品の実装を行っている。2019年2月に子会社化した浦和電研とのシナジーが期待されている。 FRPシートはUV硬化樹脂を用いたガラスファイバー強化シートだ。現場で貼り付け、紫外線ランプや太陽光で簡単に硬化して作業を終了できる点が評価されて販売が伸びている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《MH》
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建築材料メーカー。機器をコンクリートに固定する特殊ネジやあと施工アンカーでトップシェア。電動油圧工具やアルコール検知器も手掛け、多品種少量供給体制に強み。ファスニング事業の好調で、3Q累計は増収・増益。 記:2024/03/27