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後場に注目すべき3つのポイント~新型コロナ変異株でリスクオフの矢面に

2021/11/26 12:27 FISCO
*12:27JST 後場に注目すべき3つのポイント~新型コロナ変異株でリスクオフの矢面に 26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅反落、新型コロナ変異株でリスクオフの矢面に ・ドル・円は軟調、日本株の急落で円買い ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がソフトバンクG<9984> ■日経平均は大幅反落、新型コロナ変異株でリスクオフの矢面に 日経平均は大幅反落。719.65円安の28779.63円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。 25日の米株式市場は感謝祭の祝日で休場だった。欧州の主要株価指数はおおむねしっかり。しかし、南アフリカの国立伝染病研究所などが25日、新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたと発表。免疫を回避する性質や感染力が高いとして南ア・英国の保健当局などが懸念を示しており、本日の日経平均はリスク回避的な売りが先行して174円安からスタートした。その後も下げ幅を大きく広げる展開となり、前引けにかけて一時28756.05円(743.23円安)まで下落。取引時間中としては10月29日以来およそ1カ月ぶりに29000円を割り込んだ。 個別では、売買代金トップのレーザーテック<6920>が5%超下落しているほか、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>、空運のANA<9202>やJAL<9201>の下げが目立つ。その他売買代金上位も東エレク<8035>、ソニーG<6758>、トヨタ自<7203>など軒並み軟調。決算が嫌気されたタカショー<7590>は東証1部下落率トップとなり、H.I.S.<9603>などコロナ禍の影響が強い企業も下落率上位に多く顔を出した。一方、売買代金上位ではコスモス薬品<3349>が逆行高。本日は中間配当・株主優待の権利付き最終売買日となっており、権利取りの買いが入っているようだ。大規模な自社株買い実施を発表したシチズン<7762>も買い優勢で、住阪セメ<5232>は自社株買い発表と一部証券会社の投資判断引き上げを受けて東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、全33業種がマイナスとなり、空運業、非鉄金属、鉄鋼、海運業、鉱業などが下落率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の91%、対して値上がり銘柄は7%となっている。 前日の米市場が休場だっただけに、朝方は特段の材料なしとの見方が多かったが、そんなムードを吹き飛ばすリスク回避の売りが東京市場を襲った。ソフトバンクGやファーストリテの軟調ぶりと見ると日経平均先物に売りが出ている印象を受けるが、レーザーテックの大幅下落からは個別株にも売りが広がっているとみた方がいいだろう。前日にANAの新株予約権付社債(転換社債)発行で売られた空運株などは弱り目にたたり目と言わざるを得ない。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまり。前日は1日を通じて2兆1145億円と、8月27日以来の低水準だった。米感謝祭明けの本日も取引参加者は少ないだろうが、それにしても値幅の割に売買は膨らんでいない。積極的な押し目買いが入っていない可能性もあるとみておきたい。 新興市場ではマザーズ指数が-1.20%と3日続落。下落率は日経平均(-2.44%)ほど大きくはないが、こちらも前引けにかけて一段と軟化してきた。前日は日経平均が堅調に推移するなか、朝高後に失速する展開となった。前日の売買代金は東証1部とは対照的に、2663億円と2月16日以来の高水準。積極的に押し目買いを入れた個人投資家が押し返されたようにも見受けられる。 なお、市場全体の信用買い残(東名2市場、制度・一般合計)は19日申し込み時点で3兆5793億円と、前の週に比べ1068億円増えた。一方でQUICK社の算出する信用評価損益率は-8.20%(前の週は-7.89%)と4週連続で悪化。前日からのマザーズの動向を見ていると、一段の損益悪化と個人投資家の資金余力低下も懸念される。 さて、日本時間の早朝に南アの新型コロナ変異株に関するニュースが伝わり、東京市場はリスクオフの矢面に立ってしまった感はある。とはいえ、過剰反応などと楽観視すべきでもないだろう。国内の感染状況が落ち着いているだけにイメージしづらいだろうが、欧州で感染者が過去最多ペースにあるなど、世界的にはむしろ懸念が強まっている状況にある。ひとまず南ア変異株に関する詳細な情報を待ちたいところだ。 また、仮に今回の変異株への懸念が一時的なものにとどまったとしても、前日の当欄で指摘したとおり、改めて米金融政策の正常化加速を巡る思惑が相場に重くのしかかるだろう。米金融大手ゴールドマン・サックスは米パウエル連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)を加速し、さらに来年は3回の利上げに踏み切るとの予想を示しているようだ。ほかにも利上げ前倒しを見込む声が有力投資家などから挙がっており、やはり次回12月14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで積極的な買いは手掛けられにくくなるかもしれない。 ■ドル・円は軟調、日本株の急落で円買い 26日午前の東京市場でドル・円は軟調地合いとなり、115円前半から114円半ばに値を下げた。日経平均株価が前日比700円超安と急落し、リスク回避的な円買いが主要通貨を押し下げた。アジアや米株式先物も大幅安となり、円買いを支援している。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は114円68銭から115円37銭、ユーロ・円は128円62銭から129円34銭、ユーロ・ドルは1.1206ドルから1.1225ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・FRONTEO<2158>、マーケットエンタープライズ<3135>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位がソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・11月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+0.3%(予想:+0.3%、10月:+0.1%) ・豪・10月小売売上高:前月比+4.9%(予想:+2.2%、9月:+1.3%) 【要人発言】 ・米ゴールドマン・サックスグループのエコノミスト 「米国は2022年に3回の利上げを予想」 ・欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA) 「米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて使用対象を5歳−11歳の子供まで広げることを支持」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 15件
2158 東証グロース
594
1/17 15:30
+1(%)
時価総額 23,378百万円
eディスカバリサービスなどのリーガルテックAI事業が主力。不正検知システム「KIBIT Eye」などを手掛けるAIソリューション事業も展開。塩野義製薬と業務提携。リーガルテックAI事業は受注数が着実増。 記:2024/10/13
1,389
1/17 15:30
-27(%)
時価総額 7,413百万円
ネット型リユース事業が主力。総合買取サイト「高く売れるドットコム」等を通じて買い取った中古品をネットで販売。モバイル通信事業、メディア事業も手掛ける。農機具分野では新規顧客獲得など拡販施策を進める。 記:2024/10/03
3349 東証プライム
7,610
1/17 15:30
+99(%)
時価総額 608,815百万円
九州地盤のドラッグストア大手。福岡県福岡市に本社。小商圏型メガドラッグストアを展開。ローコスト経営で実現の価格競争力に強み。24年8月末時点で1518店舗展開。関東、中部など新商勢圏への店舗網拡大図る。 記:2024/11/08
5232 東証プライム
3,311
1/17 15:30
+77(%)
時価総額 113,667百万円
大手セメントメーカー。国内販売シェア3位。セメントや生コンクリート、固化材等のセメント製品、コンクリート二次製品の製造、販売を行う。リソースの集中投入により、半導体製造装置向け電子材料事業の規模拡大図る。 記:2024/10/20
6758 東証プライム
3,214
1/17 15:30
+16(%)
時価総額 20,065,317百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。ゲーム&ネットワークサービス分野は売上堅調。自社制作以外のゲームソフトウェア販売の増加などが寄与。 記:2024/12/08
6920 東証プライム
14,615
1/17 15:30
+80(%)
時価総額 1,377,990百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置、レーザー顕微鏡なども。1960年創業。24年9月に新製品「SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置SICA108」を発表。 記:2024/11/11
7203 東証プライム
2,788
1/17 15:30
-49(%)
時価総額 44,036,424百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7590 東証スタンダード
422
1/17 15:30
-32(%)
時価総額 7,423百万円
環境エクステリア関連製品の企画・開発、ガーデン用品の輸出入販売などを行う。和歌山県海南市に本社。直販ECサイト「青山ガーデン」の運営等も手掛ける。海外事業では新商品の投入による販売強化などに取り組む。 記:2024/08/10
7762 東証プライム
898
1/17 15:30
+7(%)
時価総額 220,908百万円
大手時計メーカー。1930年創立。CNC自動旋盤等の工作機械事業、自動車部品等のデバイス事業、電子機器他事業も。「The CITIZEN」などのプレミアムブランドは順調。機械式ムーブメントの外販拡大図る。 記:2024/11/28
8035 東証プライム
26,655
1/17 15:30
+5(%)
時価総額 12,571,378百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向は50%目処。海外売上高比率が高い。積極的な設備投資を継続。 記:2024/12/20
9201 東証プライム
2,373
1/17 15:30
-4(%)
時価総額 1,037,343百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,747.5
1/17 15:30
±0(%)
時価総額 1,330,598百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9603 東証プライム
1,337
1/17 15:30
-8(%)
時価総額 106,774百万円
旅行会社大手。海外旅行に強み。変なホテル等の運営を行うホテル事業も。九州産業交通HD等を傘下に収める。ハウステンボスは22年に譲渡。旅行事業の国内営業拠点数は140拠点超。変なホテルなど国内ホテルは順調。 記:2024/11/11
9983 東証プライム
48,060
1/17 15:30
-180(%)
時価総額 15,293,701百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
9,080
1/17 15:30
-122(%)
時価総額 13,347,555百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。スマホ契約数は増加。コンシューマ事業はモバイルサービス、ブロードバンドサービス売上等が順調。 記:2024/11/27