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後場に注目すべき3つのポイント~経済対策も一段の上昇につながらず?

2021/11/19 12:25 FISCO
*12:25JST 後場に注目すべき3つのポイント~経済対策も一段の上昇につながらず? 19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり反発、経済対策も一段の上昇につながらず? ・ドル・円はじり高、米金利の上昇基調で ・値上がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は3日ぶり反発、経済対策も一段の上昇につながらず? 日経平均は3日ぶり反発。119.96円高の29718.62円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。 18日の米株式市場でNYダウは続落し、60ドル安となった。決算が嫌気されたシスコシステムズの下落がNYダウを押し下げたほか、世界的な新型コロナウイルスの再流行や連邦準備理事(FRB)の議長人事を巡る不透明も重しとなった。ただ、小売企業の堅調な決算を好感した買いも散見され、引けにかけて下げ幅を縮小。また、好決算のエヌビディアがけん引役となって半導体関連株が上昇し、ナスダック総合指数は+0.45%で過去最高値を更新した。本日の東京市場でもこうした流れを引き継いで値がさの半導体関連株に買いが先行し、日経平均は42円高からスタート。朝方の買いが一巡すると小高い水準でもみ合う場面が続いたが、前場中ごろを過ぎて強含み、一時29755.92円(157.26円高)まで上昇した。 個別では、売買代金トップのレーザーテック<6920>が堅調なほか、東エレク<8035>やルネサス<6723>が4~5%前後上昇するなど、半導体関連株が買われている。レーザーテックと東エレクは取引時間中の上場来高値を更新。その他では郵船<9101>などの海運株が反発し、任天堂<7974>は続伸。ソニーG<6758>は小高い。インドのトラクターメーカー買収を発表したクボタ<6326>は大幅続伸。また、マーケットE<3135>がストップ高を付け、東証1部上昇率トップとなっている。一方、中国アリババ集団の株価急落が売り材料視されたソフトバンクG<9984>は軟調で、トヨタ自<7203>もさえない。エーザイ<4523>やOLC<4661>はやや下げが目立つ。また、エイチーム<3662>が大幅に3日続落し、連日で東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、鉱業、卸売業、精密機器などが上昇率上位。一方、パルプ・紙、空運業、証券などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は62%となっている。 本日の日経平均は3日ぶりに反発し、3ケタの上昇で前場を折り返した。日足チャートでは、29700円台に位置する5日移動平均線を一時上回るも、この水準での攻防といった様相。日経平均の寄与度上位銘柄を見ると、東エレクが1銘柄で約104円押し上げている格好だ。また、NY原油先物相場の反発などから、前日下げの目立った市況関連セクターも堅調。ただ、東証1部銘柄の6割超が下落しており、全体としては利益確定売りが優勢という印象を受ける。ここまでの東証1部売買代金は1兆4000円弱と前日並み。 新興市場ではマザーズ指数が-1.49%と3日続落。週前半に大きく上昇しただけに、週末を前に利益確定売りが出やすいところか。前日売りのかさんだアスタリスク<6522>などが急反発する一方、主力IT株が総じてさえない。なお、本日マザーズ市場に新規上場したAB&C<9251>は公開価格を6%下回る初値となったが、足元の株価は公開価格をやや上回って推移している。同社は美容室チェーンを全国展開。投資ファンドによる売出規模が大きく、需給懸念が先行したとみられるが、積極出店で業績を伸ばしており、公開価格も上値余地の感じられる水準だった。今後の値動きに期待したい。 さて、前日の日経平均は「経済対策が財政支出ベースで55.7兆円規模に膨らむ見通し」との報道を受けて後場急速に下げ渋り、プラス転換する場面もあった。しかし、買いが続かず終値では続落。本日も前日高値(29715.95円)を大きく上抜くには至っていないのを見ると、今回の経済対策が株価を一段と押し上げるとみる市場参加者はさほど多くないのだろうと考えざるを得ない。実際、中身を精査すると「規模が想定から拡大したわけではなさそう」といった見方が出てきている。 日本取引所グループが18日発表した11月第2週(8~12日)の投資主体別売買動向も確認しておきたい。外国人投資家は現物株を268億円売り越し(前の週は1236億円の買い越し)、東証株価指数(TOPIX)先物を2611億円買い越し(同1492億円の売り越し)、日経平均先物を1104億円買い越し(同264億円の売り越し)していた。海外勢が株価指数先物の買い越しに傾いてきたのは明るい材料と受け止められるだろう。ただ、ここ数日の先物手口を見ると、17日はモルガン・スタンレーMUFG証券がTOPIX先物・日経平均先物とも売り越し。18日はBofA証券がやはりTOPIX先物・日経平均先物とも売り越しとなった。日経平均が節目の3万円に迫る場面では、海外勢の先物買いも鈍くなると考えざるを得ない。 また、東京証券取引所が16日発表した12日申し込み時点の信用買い残高(東名2市場、制度・一般信用合計)は3兆4724億円で、前の週と比べ338億円減った。高値圏で利益確定売りが出たようで、2週連続の減少となっている。かねて指摘しているとおり、高水準の信用買い残が上値の重しとなっていることがわかる。 足元で円相場が1ドル=114.40円近辺まで下落してきており、後場の日経平均はこれを支えに堅調に推移しそうだ。もっとも、香港ハンセン指数が大幅に3日続落しており、外部環境は強弱まちまちか。また、前日の当欄で取り上げたとおり、週内に決定するというFRB議長人事にも注目したところで、やはり積極的に上値を追いづらいだろう。 ■ドル・円はじり高、米金利の上昇基調で 19日午前の東京市場でドル・円はじり高となり、114円前半で小幅に値を上げた。米10年債利回りは上昇基調を維持し、ややドル買いに振れやすい。一方、日経平均株価や上海総合指数、さらに米株式先物の堅調地合いを受け、株高を好感した円売りが観測される。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は114円23銭から114円36銭、ユーロ・円は129円80銭から129円99銭、ユーロ・ドルは1.1354ドルから1.1373ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・地域新聞社<2164>、マーケットエンタープライズ<3135>など、10銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・10月全国消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+0.1%(予想:+0.1%、9月:+0.1%) 【要人発言】 ・バイデン米大統領 「1月のダボス世界経済フォーラム欠席する計画」 「北京冬季五輪の外交的ボイコットも検討」 <国内> ・政府経済対策決定 <海外> ・16:00 英・10月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.5%、9月:-0.2%) ・16:00 英・10月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+140億ポンド、9月:+218億ポンド) 《CS》
関連銘柄 17件
2164 東証グロース
353
11/22 15:20
+7(%)
時価総額 943百万円
千葉県や茨城県で発行する地域フリー情報誌「ちいき新聞」の広告枠販売が柱。富裕層向け情報誌、子育て支援情報誌を発行。ちいき新聞の週間発行部数は約173万部。キャリア教育副教材は配布対象の小中学校を拡大。 記:2024/10/27
904
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 4,825百万円
ネット型リユース事業が主力。総合買取サイト「高く売れるドットコム」等を通じて買い取った中古品をネットで販売。モバイル通信事業、メディア事業も手掛ける。農機具分野では新規顧客獲得など拡販施策を進める。 記:2024/10/03
3662 東証プライム
648
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 12,823百万円
引越し比較・予約サイト「引越し侍」、車査定・車買取サイト「ナビクル」等の運営を行うライフスタイルサポート事業が主力。ゲームアプリの運営、EC事業等も。M&Aでデジタルマーケティング領域を強化図る。 記:2024/08/23
4523 東証プライム
4,650
11/22 15:30
+31(%)
時価総額 1,379,037百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」、不眠症治療剤「デエビゴ」などが主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に積極的な成長投資実施。 記:2024/10/20
4661 東証プライム
3,382
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 6,150,001百万円
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの運営等を行うテーマパーク事業が主力。ホテル事業や商業施設「イクスピアリ」の運営等も。テーマパーク事業は海外ゲストの回復などで順調。25.3期は2桁増収計画。 記:2024/07/02
6326 東証プライム
1,909.5
11/22 15:30
+10.5(%)
時価総額 2,246,846百万円
世界シェアトップクラスの農業機械メーカー。1890年創業。建設機械「ミニバックホー」などで世界トップシェア。ダクタイル鉄管、水処理システム等も手掛ける。海外売上高比率は7割超。強固な販売網などが強み。 記:2024/08/27
6522 東証グロース
472
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 3,357百万円
飲料向けバーコードリーダーと自販機向け赤外線通信が主力。POS等のシステムインテグレーションも。「AsReader」ブランド。米国や中国など海外展開も。AsReader事業は堅調。スマホ搭載型発売へ。 記:2024/10/31
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9251 東証グロース
852
11/22 15:30
+4(%)
時価総額 12,625百万円
美容室「Agu.」を直営、FCで全国展開。メンズサロン「FADE&LINE」、レトロ理髪店、ヘアカラー専門店、インテリアデザイン事業等も。国内店舗数は990店舗超。直営、FC店舗の積極的な新規出店実施。 記:2024/08/12
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17