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後場に注目すべき3つのポイント~もはや不透明感だけでは説明できない日本株安

2021/10/4 12:16 FISCO
*12:16JST 後場に注目すべき3つのポイント~もはや不透明感だけでは説明できない日本株安 2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は6日続落、もはや不透明感だけでは説明できない日本株安 ・ドル・円は底堅い、米金利の持ち直しで ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がソフトバンクG<9984> ■日経平均は6日続落、もはや不透明感だけでは説明できない日本株安 日経平均は6日続落。273.50円安の28497.57円(出来高概算7億0659万株)で前場の取引を終えている。 1日の米株式市場でのNYダウは482.54ドル高(+1.43%)と大幅反発。9月ISM製造業景況指数が予想外に改善を示したことに加え、新型コロナウイルス感染の沈静化や製薬大手メルクが開発中の新たな治療薬などへの期待から景気循環株に押し目買いが向かった。長期金利の低下を受けてハイテク株も下げ止まり、ナスダック総合指数は0.82%高と反発。米株の反発を受けて週明けの日経平均も273.40円高の29044.47円でスタートしたが、寄り付きを高値に失速し始めると、間もなくマイナスに転じ、その後もずるずると下げ幅を拡大。前場後半には一時395.81円安の28375.26円まで下げた。前引けにかけてはやや下げ渋ったが、28500円を割った水準で終えている。 個別では、前週下落がきつかった日本郵船<9101>や商船三井<9104>などの大手海運株が本日も急落し、値下がり率上位に入っている。そのほか、第3四半期は順調ながらもサプライズなく出尽くし感につながった大有機化<4187>、6-8月期の収益鈍化が嫌気された象印マホービン<7965>、東京エレクトロンデバイス<2760>、KeePer技研<6036>などが値下がり率上位に並んでいる。主力株では、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>などの半導体関連株が大幅に下落。ソフトバンクG<9984>、村田製<6981>、キーエンス<6861>、ファナック<6954>、日本電産<6594>なども大きく売られており、これまで値持ちの良かった富士フイルム<4901>やAGC<5201>も大きく下落している。 一方、株主優待制度の新設を発表した一家HD<7127>が急伸し値上がり率トップとなっている。また、直近IPOのシンプレクスHD<4373>のほか、フルキャスト<4848>、経営統合直後で前週末に22年3月期の業績見通しを新たに公表したマツキヨココカラ<3088>などが値上がり率上位に並んでいる。そのほか、10月に入って緊急事態宣言が解除され、旅行予約数などが急増していることを受けて、JAL<9201>やANA<9202>、OLC<4661>、JR東<9020>、JR西<9021>、資生堂<4911>、アサヒ<2502>などのリオープン(経済活動再開)銘柄が軒並み高となっている。 セクターでは海運業、電気機器、ガラス・土石製品などが下落率上位となっている一方、空運業、鉱業、不動産業などが上昇率上位となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の53%、対して値上がり銘柄は42%となっている。 週明けの日経平均は前週末のNYダウの大幅反発もむなしく、朝高後に急失速の展開となっている。中国での不動産業資金繰り問題や深刻な電力不足、世界的なインフレ懸念、米債務上限問題など、外部環境の不透明感が根強い。今月下旬からは主力企業の7-9月期決算が控えており、今週末にはその前哨戦に当たる安川電機<6506>の決算も控えているだけに、積極的に買える状況にはないことが、売り優勢の状況を生み出しているようだ。 ただ、前週からの日本株の急落の背景は、どうも外部環境の不透明感だけでは説明できない気がする。日経平均が、菅元首相の退陣表明を受けてからの上昇幅のほとんどを吐き出してしまってきていることを踏まえれば、8月末以降の日本株独歩高を生んできた「日本政治への期待」がはく落してしまったことが一つの要因と考えられる。 不人気だった菅元首相が退陣することで、落ち込んでいた自民党支持率が回復し、衆院選での与党大敗という最悪のシナリオが後退すること、加えて、日本政治への“変化”の期待が、海外投資家の日本株の見方を変え、これまでの上昇相場を創出してきた。 しかし、前週の自民党総裁選で、改革色が強く海外投資家から人気の高かった河野氏の劣勢が伝わった段階から、先物主導での売りが膨らんでいた。また、今年前半(2月半ば~8月下旬)の日本株の長い調整局面において、TOPIX先物を長らく売り越していたBofA証券(バンク・オブ・アメリカ)は、9月半ばまでの上昇相場においては大量にTOPIX先物を買い戻していたが、前週の日経平均急落局面では、一転して週を通して大量に売り越していた。 もちろん、同証券の背後には当然複数の顧客がおり、一連の手口が全て同じ筋によるものとはいえない。また、同証券の手口が日本株のすべてを左右するともいえない。しかし、少なくとも、日経平均やTOPIXなど、日本の代表的な株価指数の今年の動きと、同証券の手口の連動性はかなり高い。そのため、河野氏の敗北とBofA証券の手口から察するに、これまでの日本株上昇を生み出してきた大きな要因である、「日本政治への変化の期待」が大きく削がれてしまったと言わざるを得ないのではないだろうか。 各種メディアが、岸田新政権の布陣構成をみて派閥に配慮した論功行賞の人事だと批判を強めているが、こうしたニュースのヘッドラインを見ている海外投資家からすれば、変化への期待がはく落してしまったとしても不思議ではないだろう。今日の日本株の朝高後の急失速も、米国の債務上限問題など海外要因よりは、こうした日本政治に対する海外勢の見方の変化によるものと捉えた方が適切な気がしてならない。 今後、もし組閣後の自民党支持率が、菅元首相の退陣前と大きく変わっていないことなどが判明すると、株高期待の背景となっていた衆院選も、今後は再び上値抑制リスクとならざるを得ない。ここからの日本株の戻りは当面鈍いと想定しておいた方がよさそうだ。 さて、本日の香港ハンセン指数は寄り付き直後から大幅に下げている。時間外の米株価指数先物も軒並み軟調なため、後場の日経平均も戻りは鈍く、軟調な動きが続きそうだ。 ■ドル・円は底堅い、米金利の持ち直しで 4日午前の東京市場でドル・円は底堅く推移し、111円10銭付近に値を戻している。米株式先物の弱含みで日経平均株価は一時下げ幅を拡大したが、その後株安は一服し円買いを抑制した。一方、米10年債利回りはやや持ち直しており、足元はドル買いに振れやすい。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円87銭から111円08銭、ユーロ・円は128円62銭から128円89銭、ユーロ・ドルは1.1594ドルから1.1614ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・一家ホールディングス<7127>の、1銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・8月コアPCE価格指数:前年比+3.6%(予想:+3.5%、7月:+3.6%) ・米・8月個人所得:前月比+0.2%(予想:+0.2%、7月:+1.1%) ・米・8月個人消費支出(PCE):前月比+0.8%(予想:+0.7%、7月:-0.1%←+0.3%) ・米・9月製造業PMI改定値:60.7(予想:60.5、速報値:60.5) ・加・7月GDP:前月比-0.1%(予想-0.2%、6月+0.6%←+0.7%) ・米・8月建設支出:前月比0%(予想:+0.3%、7月:+0.3%) ・米・9月ISM製造業景況指数:61.1(予想:59.5、8月:59.9) ・米・9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:72.8(予想:71.0、速報値:71.0) ・米・9月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値:4.6%(速報値:4.7%) ・米・9月ミシガン大学5-10年期待インフレ率確報値:3.0%(速報値:2.9%) ・米・9月製造業PMI改定値:60.7(予想:60.5、速報値:60.5) 【要人発言】 ・メスター米クリーブランド連銀総裁 「最近の需給状況はパンデミックに絡んだもの」 「ボトルネックが緩和したら、インフレは低下」 「2022年、2023年のインフレは2%を上回ると予想」 「インフレリスクは上方」 「インフレ期待は広範に抑制」 <国内> 特になし <海外> ・15:30 スイス・9月消費者物価指数(前年比予想:+1.1%、8月:+0.9%) 《CS》
関連銘柄 27件
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時価総額 2,415,364百万円
国内ビール大手のアサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などを傘下に収める持株会社。欧州、オセアニア、東南アジアでも事業展開。日本は主力ブランドに経営資源投下。オセアニアは商品ポートフォリオを強化。 記:2024/09/01
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半導体、IT機器の専門商社。半導体ソリューション、ITソリューションを手掛ける。自社ブランド「inrevium」の開発・設計などメーカー機能も持つ。顧客商権の拡大などで車載向け半導体製品は販売順調。 記:2024/09/01
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4187 東証プライム
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金融サービス開発等を行うシンプレクスが中核の持株会社。大手証券会社、メガバンクなどが主要取引先。運用サービス、戦略/DXコンサル等も手掛ける。金融ソリューションでは運用サービスの収益性向上などを図る。 記:2024/08/13
4661 東証プライム
3,294
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時価総額 53,755百万円
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3,272
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富士フイルムを中核とする持株会社。メディカルシステムや電子材料、オフィスソリューション等を手掛ける。医用画像情報システムで世界トップシェア。ヘルスケア部門は売上順調。27.3期当期純利益2700億円目標。 記:2024/12/21
4911 東証プライム
2,518.5
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時価総額 1,007,400百万円
大手化粧品メーカー。1872年創業。SHISEIDO、エリクシール、マキアージュ等のブランドを展開。レストラン事業、美容室事業も。26.12期コア営業利益率7%目標。グローバルでコスト構造改革図る。 記:2024/12/15
5201 東証プライム
4,418
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-70(%)
時価総額 960,628百万円
1907年創立の素材メーカー。建築ガラスや自動車用ガラス、塩化ビニル等の化学品、医薬品・農薬等を手掛ける。フロート板ガラス、自動車用ガラスなどで世界トップシェア。26.12期営業利益2300億円目標。 記:2024/10/07
6036 東証プライム
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-40(%)
時価総額 124,012百万円
カーコーティング&洗車の専門店「KeePerLABO」の運営、洗車用ケミカルの製造・販売等を行う。愛知県大府市に本社。KeePerLABO店舗数は130店舗超。25.6期は30店舗の新規出店を計画。 記:2024/08/29
6506 東証プライム
4,087
1/14 15:30
-184(%)
時価総額 1,089,962百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6594 東証プライム
2,858
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-57(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6861 東証プライム
62,120
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-1,330(%)
時価総額 15,108,081百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
14,925
1/14 15:30
-730(%)
時価総額 1,407,219百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置、レーザー顕微鏡なども。1960年創業。24年9月に新製品「SiCウェハ欠陥検査/レビュー装置SICA108」を発表。 記:2024/11/11
6954 東証プライム
4,143
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+27(%)
時価総額 4,124,021百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6981 東証プライム
2,497.5
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時価総額 4,971,556百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。京都府長岡京市に本社。積層セラミックコンデンサはスマホ向けなどが順調。 記:2024/11/09
7127 東証スタンダード
660
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-1(%)
時価総額 4,709百万円
「屋台屋博多劇場」や「こだわりもん一家」、「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」などを運営。東京・千葉中心。ブライダル事業も展開。直営店は80店舗超。飲食事業では店舗オペレーションの改善等に取り組む。 記:2024/08/20
7965 東証プライム
1,612
1/14 15:30
-24(%)
時価総額 117,031百万円
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8035 東証プライム
26,020
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時価総額 12,271,891百万円
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9020 東証プライム
2,674.5
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-17.5(%)
時価総額 3,033,985百万円
国内最大、世界でも最大級の鉄道会社。関東、甲信越、東北までの1都16県が営業エリア。流通・サービス事業、不動産・ホテル事業等も展開。中央線快速グリーン車を順次導入。28.3期営業収益3.2兆円目指す。 記:2024/11/09
9021 東証プライム
2,676.5
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-39.5(%)
時価総額 1,306,140百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9101 東証プライム
4,915
1/14 15:30
-58(%)
時価総額 2,265,815百万円
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9104 東証プライム
5,263
1/14 15:30
-46(%)
時価総額 1,908,122百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。自動車船などは好調。運行費用増が重し。 記:2024/12/23
9201 東証プライム
2,430
1/14 15:30
-10(%)
時価総額 1,062,260百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,787
1/14 15:30
-10(%)
時価総額 1,349,727百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9984 東証プライム
9,007
1/14 15:30
-244(%)
時価総額 13,240,245百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。スマホ契約数は増加。コンシューマ事業はモバイルサービス、ブロードバンドサービス売上等が順調。 記:2024/11/27