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後場に注目すべき3つのポイント~海外休場中の反動と「株は買い」の強気ムード

2021/4/6 12:32 FISCO
*12:32JST 後場に注目すべき3つのポイント~海外休場中の反動と「株は買い」の強気ムード 6日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日ぶり反落、海外休場中の反動と「株は買い」の強気ムード ・ドル・円は小じっかり、海外市場の調整 ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■日経平均は4日ぶり反落、海外休場中の反動と「株は買い」の強気ムード 日経平均は4日ぶり反落。226.15円安の29863.10円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。 連休明けとなった5日の米株式市場でNYダウは続伸し、373ドル高となった。S&P500指数とともに過去最高値を更新。3月の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回ったうえ、サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数も過去最高を記録し、経済の先行き期待が一段と高まった。一方で国債利回りが低下したことから、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も1.7%の上昇。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで119円高からスタートした。ただ、寄り付きを高値に失速し、朝方は前日終値を挟みもみ合い。時間外取引のNYダウ先物がやや軟調ということもあって前場中ごろを過ぎると値を崩し、29811.01円(278.24円安)まで下落する場面があった。 個別では、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソニーG<6758>、レーザーテック<6920>などが軟調。値がさグロース(成長)株は米ハイテク株高を引き継いでおおむね買いが先行したものの続かなかった。米金利低下を受けて三菱UFJ<8306>などのメガバンク株も反落。また、通期決算発表のしまむら<8227>は今期見通しが物足りないなどといった見方から売りがかさみ、東証1部下落率上位に顔を出している。一方、ビットコイン価格の上昇でマネックスG<8698>などが大きく買われている。任天堂<7974>や日立<6501>はしっかり。神戸鋼<5406>は前期業績の上振れや復配が好感され、キユーピー<2809>やビックカメラ<3048>も決算・業績修正を受けて東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、石油・石炭製品、海運業、鉱業などが下落率上位で、その他も全般軟調。一方、証券、その他製品、食料品の3業種が上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の71%、対して値上がり銘柄は25%となっている。 注目された連休明けの米株式市場は良好な経済指標が相次いだことで堅調だったが、本日の日経平均は寄り付きこそ買いが先行したものの、前場中ごろを過ぎると売りに押される展開となっている。日経平均は2日、5日の2営業日でおよそ700円、1日終値比で2.38%上昇していた。連休明けの米国株が堅調だったとはいえ、NYダウの5日の上昇率は1.13%で、むしろやや物足りないと受け止める向きもあるだろう。 前日の当欄で述べたが、欧州の主要市場は5日も休場、香港の取引再開は7日となる。ここ2営業日の日経平均の上昇は「ややでき過ぎ」との印象を筆者は受けたが、やはり先週末から海外の主要市場が休場だったことで、他市場のエクスポージャーのヘッジを目的とした機械的な買いが日本株に入っていたものと考えられる。実際、2日も5日も日経平均はギャップアップスタートすると高値もみ合いの展開。先物市場では薄商いのなか外資系証券の買い越しが観測された。イースター(復活祭)休暇明けで海外投資家が徐々に取引に戻ることで、その反動が出てくる可能性は十分あっただろう。もともとイースター休暇前、日経平均先物や東証株価指数(TOPIX)先物には外資系証券から断続的な売りが出ていた。新年度入りによる需給改善を先取りした反動と考えられる。 新興市場でもマザーズ指数が6日ぶり反落。上場2日目のオキサイド<6521>が買い一巡後に失速している。そのオキサイドは前日、公開価格の約2.3倍という高い初値を付けたが、本日ジャスダックに上場したセルム<7367>は公開価格を約17%上回る初値にとどまった。公開価格1280円に対し弊社初値予想は1700円、市場では2000円前後という強気の予想が多かった。半導体株人気の追い風を受けたオキサイドの好発進を見ると個人投資家の物色意欲は根強い印象を受けるが、やはりまだ全般に強気に傾けるムードではないのだろう。 もっとも、米市場関係者からはまだ「株は買い」という強気な声が多く聞かれ、相対的に出遅れ感のある日本株への関心も高まっているという。今月下旬から主要企業の決算発表が控えていることもあり、上値追いのパワーこそ乏しいが、大きく調整するような場面でもないだろう。日経平均は当面、3万円近辺での高値もち合いになるとみておきたい。一方でこれも前日述べたが、米5年債の利回り水準が上昇し、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の先行きを巡る議論が活発化してきたことなどには注意する必要があるだろう。 また、筆者は3月の米雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回った点にも注目している。低賃金のサービス業種で雇用が回復していることからある程度想定内の動きだろうが、コロナ禍以前から構造的に賃金は伸びにくくなっている。インフレ加速観測が根強いなか、給付金による「リベンジ消費」一服後に懸念が残る。住宅ローン支払い猶予が解除されたのち、差し押さえが急増するとの見方もあるようだ。 (小林大純) ■ドル・円は小じっかり、海外市場の調整 6日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、110前半でやや値を上げた。前日の海外市場は、株高を背景にリスクオンのドル売りが優勢に。ただ、本日アジア市場では米長期金利の下げ渋りと米株式先物の軟調地合いとなり、海外市場の調整でドルの買戻しに押される展開のようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円13銭から110円35銭、ユーロ・円は130円08銭から130円34銭、ユーロ・ドルは1.1803ドルから1.1822ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・幼児活動研究会<2152>、アミタホールディングス<2195>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・2月毎月勤労統計・現金給与総額:前年比-0.2%(予想:-0.6%、1月:-1.3%←-0.8%) ・日・2月家計支出:前年比-6.6%(予想:-5.0%、1月:-6.1%) ・中・3月財新サービス業PMI:54.3(予想:52.1、2月:51.5) 【要人発言】 ・イエレン米財務長官 「各国に法人税率引き下げ競争をやめるよう訴える」 「労働市場は今後数か月、さらに力強くなる」 「財政刺激策がインフレ圧力となるとは思わない」 「低金利の現象は一時的ではない」 「来年、最大雇用に回帰することを期待」 「不十分な刺激策への懸念はより深刻に」 <国内> 特になし <海外> ・13:30 豪準備銀行が政策金利発表(0.10%に据え置き予想) 《CS》
関連銘柄 17件
2152 東証スタンダード
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2809 東証プライム
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1/10 15:30
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3048 東証プライム
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5406 東証プライム
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世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。ゲーム&ネットワークサービス分野は売上堅調。自社制作以外のゲームソフトウェア販売の増加などが寄与。 記:2024/12/08
6920 東証プライム
15,655
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時価総額 1,476,047百万円
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7367 東証スタンダード
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時価総額 9,404百万円
人材開発・組織開発事業を展開。経営幹部・ミドル領域が主力。大企業中心の強固な顧客基盤が強み。ファーストキャリア領域、ヒューマンストラテジーズ領域も。経営幹部・ミドル領域では1社当たりの単価向上図る。 記:2024/07/28
7974 東証プライム
9,248
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+129(%)
時価総額 12,010,285百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。京都府京都市に本社。新作の「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」は滑り出し順調。 記:2024/12/22
8035 東証プライム
27,025
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-10(%)
時価総額 12,745,882百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向は50%目処。海外売上高比率が高い。積極的な設備投資を継続。 記:2024/12/20
8227 東証プライム
8,629
1/10 15:30
+168(%)
時価総額 637,053百万円
総合衣料品店「ファッションセンターしまむら」を運営。低価格の衣料に強み。若者向け業態「アベイル」、ベビー業態「バースデイ」等も展開。アベイルはアウター衣料の品揃えを拡充。27.2期営業利益660億円目標。 記:2024/10/24
1,903.5
1/10 15:30
-14(%)
時価総額 25,282,277百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。金利上昇で利ザヤ拡大。ウェルスナビを完全子会社化へ。 記:2024/12/20
8698 東証プライム
928
1/10 15:30
+1(%)
時価総額 239,375百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
9983 東証プライム
48,700
1/10 15:30
-3,400(%)
時価総額 15,497,363百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
9,251
1/10 15:30
-78(%)
時価総額 13,598,924百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。スマホ契約数は増加。コンシューマ事業はモバイルサービス、ブロードバンドサービス売上等が順調。 記:2024/11/27