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国内株式市場見通し:日経平均は21000円台を維持へ、米中貿易協議が焦点

2019/10/5 15:02 FISCO
*15:02JST 国内株式市場見通し:日経平均は21000円台を維持へ、米中貿易協議が焦点 ■日経平均2週連続安、米国経済に警戒感が台頭 前週の日経平均は2週連続の下落となった。米国経済指標の悪化による米国経済への警戒感が強まり、日米ともに株価は調整した。9月27日のNYダウが続落した流れを受けて、週明け30日の日経平均は続落で始まった。トランプ政権が中国企業の米株式市場での上場廃止や、中国市場への投資制限を検討していると報じられ、米中関係の一段の悪化が嫌気された。個別では、保有する中国アリババ集団株が下落したソフトバンクグループ<9984>が売られた一方、日経平均構成銘柄への新規採用に伴う買い需要が発生したエムスリー<2413>が売買代金トップで5%の上昇を見た。その後、米財務省報道官が中国企業の米国市場での上場廃止を検討との報道を否定したことに加え、中国政府が10月の米中高官協議の具体的な日程に言及したことから、1日の日経平均は3日ぶりに上昇に転じた。ただ、買い戻し一巡後は伸び悩み、東証1部の売買代金は、9月9日以来の2兆円割れとなった。9月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が2009年以来の最低水準となったことから景気減速への警戒感が広がり、1日のNYダウは343.79ドル安となり、2日の日経平均も反落した。為替相場も1ドル=107円台後半と円高方向に振れた。2日のNYダウは9月ADP雇用統計が予想を下振れ米景気後退への懸念が増したことを嫌気して、一時500ドル超の下げをみた。米欧の貿易摩擦懸念も加わり、NYダウは8月下旬以来約1カ月ぶりの安値となった。これを受けて3日の東京市場も朝方から大きく売りが先行して始まった。一時1ドル=107円を割り込む円高となったほか、月次動向が嫌気されたファーストリテ<9983>に対する短期筋の売りも加わるなど悪材料が重なり日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。9月ISM非製造業景況感指数が約3年ぶりの低水準となり、3日のNYダウは、一時335ドル安まで下げ幅を広げたが、軟調な経済指標が続いたことで利下げを予想する見方が強まり、引けにかけて上昇に転じて3日ぶりに反発した。4日の日経平均は、円相場が1ドル=106円台後半と円高方向に振れたことから小幅安で始まったものの、後場に切り返し前日比68.46円高の高値引けと3日ぶりに反発。 ■為替と米中問題がリスク要因 今週の日経平均は、心理的な節目である21000円台をキープできるかが焦点となってくる。前週に日経平均は週間で約468円、2週間では668円程度の下げ幅をみていることから相応の自律反発も期待される。ただ、米国では9月の重要経済指標が相次ぎ悪化し、9月雇用統計も強弱感が混在する内容で、NYダウは景気減速への懸念を強めている。来週は米国でインパクトの大きい経済指標の発表が見当たらないことは救いだが、利下げ期待の高まりによって日米金利差の縮小への思惑から為替相場が円高に進むと、日経平均に下方圧力が強まることになる。また、来週の相場の関心は、米国経済動向から米中貿易問題に移る。10日に中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相が米国ワシントンを訪れて米国側の米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、ムニューシン米財務長官と2日間の予定で米中閣僚級貿易協議が開催される。トランプ米政権は10月15日に2500億ドル(約27兆円)分の中国製品への制裁関税を現在の25%から30%に引き上げる構えをみせているほか、12月15日に制裁関税「第4弾」の残りを発動する予定となっている。10月15日を前に妥協点を見いだせるかが焦点で、協議に進展がなければ報復関税の応酬が再開されて貿易戦争が激しくなるリスクがある。中国では7日で国慶節による大型連休が終わり、8日から中国の上海証券取引所も再開され、日経平均はこれらを睨んで、神経質な展開となることが予想される。 ■個別材料株物色に期待 物色的には、個別材料株に関心が向かうことになりそうだ。まず、来週はノーベル賞ウイークとなり、7日に(ノーベル)医学生理学賞、8日に物理学賞、9日に化学賞、10日に文学賞、11日に平和賞の発表がそれぞれ予定されている。過去の日本人の受賞は米国籍2人を含め計26人で、2年連続での日本人の受賞があれば物色へのインパクトになる。一部の報道では、医学生理学賞で「ゲノム編集」、物理学賞で「強相関電子物質」、化学賞で「リチウムイオン電池」の研究が注目されている。このほか、翌週15日からアジア最大級の規模を誇るIT技術とエレクトロニクスの国際展示会「シーテック2019」(千葉、18日まで)が開催されるイベントスケジュールをにらんで材料株物色が高まる期待がある。また、消費関連を中心とする決算発表が本格化し、8日にJフロント<3086>、吉野家HD<9861>、9日にローソン<2651>、イオン<8267>、10日にファーストリテイリング<9983>、セブン&アイ<3382>、安川電機<6506>、11日に東宝<9602>がそれぞれ決算発表となる。消費関連株の場合は、結果よりも消費税引き上げ後の対応や見通しに関心が向く。また、安川電機の今2月期第2四半期(3-8月)決算発表は、中国関連、設備投資関連の先行指標として注目される。 ■景気ウォッチャー調査や機械受注など発表 主な国内経済関連スケジュールは、7日に8月景気動向指数、8日に9月景気ウォッチャー調査、8月国際収支、8月家計調査、8月毎月勤労統計調査、10日に9月国内企業物価指数、8月機械受注、9月都心オフィス空室率、11日に9月マネーストックがそれぞれ発表される予定だ。 《FA》
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6506 東証プライム
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8267 東証プライム
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時価総額 3,101,437百万円
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9602 東証プライム
6,209
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時価総額 1,157,923百万円
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9861 東証プライム
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9983 東証プライム
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9984 東証プライム
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