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日経平均は一時400円超下落、米中対立激化懸念強まる

2019/11/21 12:15 FISCO
*12:15JST 日経平均は一時400円超下落、米中対立激化懸念強まる  日経平均は大きく3日続落。276.54円安の22872.03円(出来高概算7億0286万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、米中貿易協議の第1段階の合意についての先行き不透明感を高めるような報道が複数伝わり、主要3指数は揃って下落。「トランプ米大統領が香港人権法案に署名する見通しだ」との一部報道を受けたことで、米中関係の悪化を懸念した売りが先行し、本日の日経平均は心理的な節目である23000円を早い段階で割った後は下げ幅を拡大し続けた。ただ、前引け間際に下げ幅を一気に縮める形で、結局、前場は約276円の下落幅まで縮小した。円相場は、一時1ドル=108円30銭を割ったが、前引け時点では1ドル=108円50銭台まで円安方向に戻している。  セクターでは、パルプや金属、非鉄、保険、海運などを筆頭に全業種でマイナスとなっている。売買代金上位では、ほぼ全面安の中、東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>といった半導体銘柄が3%超の下落ととりわけ値下がり率の点で目立っている。その他、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自動車<7203>、ソニー<6758>なども軟調。一方、三菱ケミHD<4188>によるTOB(株式公開買い付け)が引き続き材料視されている田辺三菱製薬<4508>は全面安のなか小幅にプラス推移となっている。  前場の日経平均はテクニカル的なサポート要素となっていた25日移動平均線を下回った後、心理的節目である23000円も今月1日以来約3週間ぶりに下回り、一時前日比400円超の22726.71円まで下落した。政治的要因という外部環境の変化によるものとはいえ、久々の大幅下落だけに一時的なセンチメントの悪化は否めない。しかし、本日の下落要因は、今年に入ってから何度も一喜一憂してきた米中貿易協議に関するヘッドラインによるものであるため、今後の報道次第では、本日の下落分をあっさり取り戻すような展開も十分考えられる。  何より、10月以降の世界的な株高基調は、グローバル製造業PMIやISM製造業景況感指数など底打ちの兆しを出し始めた各種景気指標に基づく世界的な業績底入れ期待である。この先、日米欧において上述したような経済指標の発表が相次ぐ。ここで底入れの兆しが消失しなければ一段のセンチメントの悪化は起こりにくいだろう。直近では、明日発表予定のユーロ圏製造業・非製造業PMIをはじめとした指標の結果を見極めたいという思惑もあり、売り込みづらいといった背景もあるだろう。  また、昨日はステルススパークリング(見えざる緩和縮小)が話題になっていた日銀によるETF買いも久しぶりに入り、市場に安心感を与えた。現状、年間6兆円の買い入れ目標を大きく下回っているため、日経平均については、こうした要素も需給面での安心材料となろう。前引け間際にかけて下げ幅を縮小した日経平均の動きなどを見ても、ここは押し目買いの好機と捉えたいところだ。 《AK》
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