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1日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で続落、香港銘柄の下げ目立つ

2019/8/1 18:00 FISCO
*18:00JST 1日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で続落、香港銘柄の下げ目立つ 1日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比212.05ポイント(0.76%)安の27565.70ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.74ポイント(0.50%)安の10621.57ポイントとそろって続落した。売買代金は799億8100万香港ドルにやや拡大している(台風接近で後場途中に取引停止した7月31日は602億9800万香港ドル)。 米中貿易問題の不透明感が嫌気される。閣僚級の通商協議は、7月31日に2日間の協議を終えたものの、実質的な交渉時間は5時間にも満たなかった。次回は9月に米国で開く予定となっているが、双方の溝は深く、交渉合意の道筋は見えていない。米金融緩和の追加期待も後退。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、「今回の利下げは予防的措置で、金融緩和サイクルの開始でない」と説明した。昨夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り10年半ぶりの利下げが決定されている。 香港域内の景気先行きも不安視された。香港の4~6月期GDP成長率は大幅に下振れ(速報値は0.6%増、予想は1.5%増)。米中貿易摩擦の影響により、輸出や投資が低迷した実態が判明した。前四半期比では予想に反し、2四半期ぶりのマイナス成長に転落している。 ハンセン指数の構成銘柄では、香港関連の下げが目立つ。新鴻基地産発展(16/HK)が4.1%安、長江実業集団(1113/HK)が3.6%安、長江基建集団(1038/HK)が3.1%安で引けた。インフラ投資会社の長江基建に関しては、中間業績が0.02%増益にとどまり、重症急性呼吸器症候群(SARS)発生以来で初めて配当を据え置いたこともネガティブ材料視されている。このほか、本土系の不動産株も軒並み売られた。 業種別では、空運・海運が安い。中国東方航空(670/HK)が2.5%、中国国際航空(753/HK)が2.3%、中国南方航空(1055/HK)が1.6%、中遠海運HD(1919/HK)が2.7%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が1.3%ずつ下落した。 中国自動車セクターもさえない。長城汽車(2333/HK)が3.5%安、東風汽車集団(489/HK)が3.3%安、北京汽車(1958/HK)が2.8%安、吉利汽車HD(175/HK)が1.8%安と値を下げた。 他の個別株動向では、アルミニウム型材メーカーの中国忠旺HD(1333/HK)が14.2%安と急落。創業者で筆頭株主の劉忠田氏が関税逃れの容疑で、米連邦大陪審の決定を受けて米国で起訴されたことが売り材料視された(同社は報道を否定)。 半面、小売や食品・飲料、家電など消費関連セクターは物色される。百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が3.2%高、中国雨潤食品集団(1068/HK)が5.4%高、中国旺旺HD(151/HK)が1.1%高、海爾電器集団(ハイアール電器:1169/HK)が3.6%高と上昇した。 そのほか、インターネット専業保険会社の衆安在線財産保険(6060/HK)が12.0%高と急伸。中間期の黒字転換見通しが材料視された。 一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.81%安の2908.77ポイントで取引を終えた。不動産株が安い。消費関連株、金融株、自動車株、医薬品株、運輸株、インフラ関連株なども売られた。 【亜州IR】 《FA》