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11日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で5日続落、カジノ関連に売り

2018/9/11 18:00 FISCO
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で5日続落、カジノ関連に売り 11日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比190.87ポイント(0.72%)安の26422.55ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が100.46ポイント(0.96%)安の10333.16ポイントとそろって5日続落した。ハンセン指数は約1年2カ月ぶりの安値を切り下げている。売買代金は845億2500万香港ドルにやや縮小した(10日の売買代金は929億600万香港ドル)。 投資家のリスク回避姿勢が強まる流れ。中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象に25%の追加関税を課す)を検討中のトランプ米大統領は、中国からの全輸入品に追加関税を課すこともできると強硬姿勢を崩していない。中国側も相応の報復に出るとみられ、両国の対立が実体経済に悪影響を及ぼすと危惧される状況だ。自律反発狙いの買いなどで指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、上値は重く、大引けにかけて下げ幅を広げている。 ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノ関連の下げが目立つ。銀河娯楽集団(27/HK)が5.7%安、金沙中国(1928/HK)が3.7%安とそろって続落した。マカオのカジノ産業が成長鈍化トレンドに入ったとして、ドイツ銀行が2019年の域内カジノ増収率を従来予想の11%から4%に引き下げたことが嫌気されている。このほか、時価総額上位の本土系金融株も軟調だった。 中国の自動車セクターも安い。吉利汽車HD(175/HK)が4.9%、北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が4.0%、広州汽車集団(2238/HK)と華晨中国汽車HD(1114/HK)がそろって3.4%ずつ下落した。販売低迷が懸念される。中国汽車工業協会は11日、今年8月の新車販売台数が前年同月比3.8%減の210万3400台に縮小したと発表した。マイナス成長は2カ月連続となっている(前月は4.0%減)。 海運セクターもさえない。中遠海運発展(2866/HK)が3.8%安、太平洋航運集団(2343/HK)が3.0%安、中外運航運(368/HK)が1.2%安で引けた。 鉄鋼や建材の素材セクターは急落。馬鞍山鋼鉄(323/HK)が13.6%安、鞍鋼(347/HK)が9.3%安、北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が3.5%安、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.9%安と値を下げた。 半面、小売りや食品・飲料、家電など消費セクターの一角はしっかり。金鷹商貿集団(3308/HK)が4.0%高、康師傅HD(322/HK)が3.9%高、TCL電子HD(TCLエレクトロニクス・ホールディングス:1070/HK)が0.9%高で引けた。 本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%安の2664.80ポイントで取引を終えた。鉄鋼やセメントなど素材関連が安い。空運株、自動車株、不動産株、保険株なども売られた。半面、ハイテク株と医薬株はしっかり。発電株、食品・飲料株、石油関連株、証券株なども物色されている。 【亜州IR】 《FA》