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神戸物産 Research Memo(8):コスト上昇に耐えられる収益体質を構築し、2023年10月期も増収増益を目指す

2023/1/16 17:08 FISCO
*17:08JST 神戸物産 Research Memo(8):コスト上昇に耐えられる収益体質を構築し、2023年10月期も増収増益を目指す ■今後の見通し 1. 2023年10月期の業績見通し 神戸物産<3038>の2023年10月期の連結業績は、売上高で前期比8.2%増の440,000百万円、営業利益で同6.8%増の29,700百万円、経常利益で同1.2%増の32,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同1.8%増の21,200百万円と増収増益が続く見通し。円安進行による輸入商品のコスト上昇や原材料費及び光熱費高騰の影響が続くことを前提としており、原材料の配合見直し等によるコスト低減や価格改定等を実施しながら増収増益を目指す。なお、為替レートは140円台/米ドルを前提としており、現状の130円台/米ドルで推移するようであれば営業利益の上振れ要因となる。前期に計上した為替差益及びデリバティブ評価益3,268百万円の反動を見込み、営業外収益は減少する計画だ。為替動向が不透明なため、引き続き為替予約等のヘッジを行う方針としている。 (1) 業務スーパー事業 業務スーパー事業の業績前提として、「業務スーパー」の店舗数は前期末比40店舗増の1,047店舗、既存店向け商品出荷額も増加を見込んでいる。FCオーナーの投資意欲は依然として旺盛なことに加え、什器の納期遅延の影響が解消に向かっていることから、引き続き九州エリアや関東エリアを中心に出店を進める。なお、食品スーパー業界の環境が再び厳しくなってきていることもあり、FC加盟企業が増える可能性があるものの、計画には織り込んでいない。 店舗数だけで見ると前期比で約4%の増加となり、残りを既存店向け商品出荷額の増加で補う方針だ。既存店については老朽化が進んでいる店舗のリニューアルを進める。市場環境としては、一般消費者の低価格志向が高まっており、「業務スーパー」の客数増加や客単価上昇につながる可能性が考えられる一方、外食需要の回復に伴い内食需要の減少が懸念される。このため同社は、既存店向け商品出荷額については保守的な前提としている。利益面では、円安進行が続くことを前提に、営業利益率は前期から若干低下する見通し。自社グループ会社では、引き続き原材料の配合見直しによるコスト削減や生産効率の向上に取り組む。また、新たなPB商品の開発も積極的に進めていく。 一方、物流面では国内の物流体制を見直し、効率化を進める。2022年10月期に福岡及び四国に新設した3PLセンターが2023年10月期はフル稼働することで年間50百万円のコスト削減が見込まれるほか、中部エリアで3PLセンターを新設する予定だ。また、関西物流センターでは商品の仕分けを行うソーターシステムの更新を予定しており、生産性向上が見込まれる。自社グループ工場の設備投資については、50億円程度と前期並みの水準を計画している。生産能力が不足している工場でのライン増強投資や、生産性向上のための更新投資が中心となる。食品スーパーの経営環境は原材料費や光熱費等の上昇により厳しさを増しているが、全方位でコストを見直すことで、厳しい環境下でも成長を持続する収益体質の構築を目指している。 なおM&Aについては、業務スーパー事業の拡大に寄与する案件であれば、店舗だけでなく製造、物流、倉庫に至るすべての領域を対象に検討を進めている。 (2) 外食・中食事業 外食・中食事業は売上高で2ケタ増収が続き、損益も収支均衡水準まで回復することを見込んでいる。「神戸クック・ワールドビュッフェ」については、2店舗増(リニューアルオープン2店舗)の13店舗を計画している。足元では、2022年10月からの旅行支援策導入や入国規制緩和により、団体客も含めて客数が徐々に回復傾向にある。今後もテイクアウトメニューの拡充や他店にはないメニュー構成、ボリューム感や値ごろ感により売上アップを図り、黒字化を目指していく。 「プレミアムカルビ」の店舗数は、前期末比で4店舗以上の増加を見込んでいる。食材費や光熱費の高騰により出店基準を見直したことにより出店ペースは前期からやや減速するものの、直営店舗を拡大していく方針に変わりない。1店舗当たり年間2~3億円の売上が見込めることから、売上寄与も大きくなる見通しだ。増収効果によって営業損失も縮小傾向が続く見通しだ。なお、FC化の時期については直営で30店舗程度まで展開し、店舗運営の人材が揃ってきた段階で開始する予定で、当面は首都圏で出店を進めていくことにしている。 「馳走菜」については出店計画を作っていないものの、「業務スーパー」との同時出店を計画しているFCオーナーが増えていることもあり、2023年10月期に100店舗を突破する可能性が高い。また、2022年12月にはドラッグストア内に初めて出店するなど、新たな店舗展開の可能性も出てきている。出店したのは福岡に拠点を置く(株)新生堂薬局が運営する「くすりのハッピー潤野店」で、店舗面積が比較的大きく競合店との差別化を図れることから出店を決めたようだ。「くすりのハッピー」では食料品や日配品なども販売しており、「馳走菜」の出店による売上増効果が確認されれば他店舗への出店が期待される。ドラッグストアは出店競争が激しく、差別化を目的にローコストオペレーションを確立している「馳走菜」を出店する可能性は十分あると言える。同社では、既存店舗とのカニバリーの影響などを検討したうえで、店舗数を拡大していく考えだ。 (3) エコ再生エネルギー事業 エコ再生エネルギー事業は前期比10%台の増収増益を見込んでいる。2022年6月に稼働した福島県の西白河発電所(約18.9MW)が通年で寄与することなどで、4億円程度の増収となる見通し。 太陽光発電所では最後の開発案件となる宮城県での東松島発電所(約30MW)の建設が進んでおり、2024年3月頃の稼働開始を予定している。設備投資費用は当初計画では約92億円を見込んでいたが、80億円半ばとなるようだ。東松島発電所が通期で寄与する2025年10月期の売上高は約45億円、営業利益は約10億円を予定している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《TY》
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冷凍・加工食品など食品中心の「業務スーパー」を展開。デザート・菓子類に大ヒット商品多数。独自の輸入ルートに強み。業務スーパー事業は業績拡大続く。23.10期通期は2桁営業増益。24.10期は増収増益計画。 記:2024/01/27