マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
43,870.35
+461.88
暗号資産
FISCO BTC Index
11/23 7:33:19
15,276,118
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

大幸薬品 Research Memo(1):2021年12月期通期は、前期の最高益から一転し大幅赤字を計上

2022/3/23 15:31 FISCO
*15:31JST 大幸薬品 Research Memo(1):2021年12月期通期は、前期の最高益から一転し大幅赤字を計上 ■業績動向 大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。 2021年12月期通期は、売上高が11,299百万円(調整後前期比47.6%減)、営業損失が4,947百万円(調整後前期は6,199百万円の利益)、経常損失が6,131百万円(同5,951百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が9,594百万円(同4,118百万円の利益)となった。感染管理事業の前年からの大幅減収とそれに伴う売上総利益の減少、同事業の棚卸資産の評価損により大幅な損失計上となった。 売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴い衛生管理意識が急激に高まり、感染管理事業が記録的な売上高となった前期から47.6%減と半減した。この売上高はコロナ禍以前の2019年3月期の水準(10,418百万円)に近い。医薬品事業の売上高は4,350百万円(前期比0.3%増)と前期並みだった。そのうち国内医薬品事業の売上高は3,105百万円(前期比3.7%減)となり、コロナ禍に伴う消費者の外出自粛及びインバウンド需要の消失が継続し微減となった。止瀉薬市場はコロナ禍以前と比較し10~11%減の水準も、同社のシェアは46.9%(2021年7月~12月)であり、シェアNo.1を堅持する。海外医薬品事業の売上高は1,244百万円(同11.9%増)と中国や香港・台湾などでコロナ禍以前の水準には届いていないものの、前期比では増収となった。感染管理事業の売上高は、6,942百万円(同59.7%減)となった。特に第3及び第4四半期には、ワクチン接種普及、感染者数減少、コロナ禍の長期化による消費者の除菌意識の低下などの影響もあり、ウイルス除去商品市場は前年同期比で40.4%減少した。国内ウイルス除去市場シェアでは40.0%(2021年7月~12月)であり、シェアNo.1の地位にある。商品別では、主力である「クレベリン」及び日常除菌の商品群「クレベ&アンド」も前年同期比で50%を超える減少となった。一方で、業務用と海外のセグメントでは、売上高の減少幅が比較的小さかった。 売上総利益は、感染管理事業の売上減少に伴う利益額の減少及び感染管理事業の販売予測の乖離に起因する保有在庫の評価損等(通期で3,746百万円)が影響し、大幅な減少となった。販管費に関しては、在庫保管量の増加に伴い運送費が増加したものの、広告宣伝費、販売促進費、人件費などコスト圧縮に努めたことから販管費全体は1,366百万円減少した。結果として、営業損失4,947百万円の計上となった。セグメント利益では医薬品事業が1,476百万円の利益(前期比29.5%増)と堅調、感染管理事業は4,936百万円の損失(前期は6,694百万円の利益)だった。なお、営業外費用として生産調整に伴う操業停止関連費用を計上(1,062百万円)、特別損失として感染管理事業に係る減損損失(2,453百万円)を計上した。感染管理事業における需要予測が大幅乖離し、生産・仕入れ体制の増強や積極的な投資による固定費の増加が裏目となり、2020年12月期の最高益更新から一転して過去最大の赤字となった。 財務基盤に関しては、安全性を維持している。流動比率319.1%(2021年12月期)は安全性の目安となる200%を大きく超えており、自己資本比率56.8%(同)も前期から下がったとはいえ高い水準である。有利子負債(4,683百万円)は、現金及び預金(5,796百万円)よりも低く、コントロールされている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《SI》
関連銘柄 1件
4574 東証プライム
364
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 18,432百万円
正露丸、セイロガン糖衣Aなど一般用医薬品の製造・販売を行う医薬品事業が主力。「クレベリン」シリーズ等の感染管理事業も展開。1946年設立。医薬品事業は京都工場の医薬品ライン立ち上げなど増産施策に取り組む。 記:2024/09/01