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サムティ Research Memo(3):不動産事業と不動産賃貸事業のバランスの取れた事業構成(2)

2022/3/9 15:13 FISCO
*15:13JST サムティ Research Memo(3):不動産事業と不動産賃貸事業のバランスの取れた事業構成(2) ■会社概要 3. 特長 (1) ビジネスモデルの優位性 サムティ<3244>のビジネスモデルの特長は、仕入・開発、賃貸・運営、販売、管理までをグループ内で一気通貫的に完結させることにあり、それぞれの機能が連動することで同社ならではの価値創造(バリューチェーン)を実現している。特に、これまで「不動産賃貸事業」で培ってきたリーシングノウハウ(賃貸付け)の高さが「不動産開発事業」や「不動産ソリューション事業」でも生かされており、収益不動産のバリューアップはもちろん、用地仕入れにおける優位性や販売先との信頼関係及び交渉力においてもプラスの効果を生み出している。 また、SRRを中心としたビジネスモデルにも優位性がある。SRRが安定的な供給先になるとともに、販売後のフィービジネスの拡大(AM業務やプロパティマネジメント(PM)業務の受託)が、将来にわたる安定収益源として期待できる。また、今後はホテルREITが加わることにより、事業基盤がさらに強化・拡充されることになる。 (2) 収益構造における強み 同社は、これまでも不動産事業(キャピタルゲインビジネス)による成長加速と不動産賃貸事業(インカムゲインビジネス)による安定収入のバランスを取りながら、事業環境の変化に柔軟に対応してきた。2021年11月期からは、アフターコロナ(新常態)における新たな戦略的取り組みとして、グループ総資産規模の拡大と、賃貸収入及びフィー収益の獲得を強化することにより、インカムゲインの最大化を図り、より安定した収益基盤の構築に取り組んでいる。また、自社で販売部隊を持たず、外部リソースの活用により固定費を低く抑えていることも景気後退時の抵抗力を高めている。これまでの金融危機(バブル経済の崩壊やリーマンショックによる影響等)において、業績の落ち込みが比較的小さかったのは、不動産賃貸事業が業績の下支えになったことと、固定費の軽さが要因である。 (3) 人的資本の状況 2021年11月期末の連結従業員数(臨時社員は除く)は391名(前期末比120名増)となった。コンスタントに新卒採用を行っているほか、即戦力となるキャリア採用にも積極的であり、事業拡大に向けて大幅な増強を図っている。特に全国への営業拠点の展開が、現地採用やブランド力向上を通じて人材確保にもプラスに働いているようだ。事業別の内訳は、不動産開発事業49名、不動産ソリューション事業30名、海外事業13名、不動産賃貸事業17名、ホテル賃貸・運営事業101名、不動産管理事業136名、全社(共通)45名となっているが、今後も優良な運用資産の積み上げに向けて、物件の開発・取得を行う「不動産開発事業」及び「不動産ソリューション事業」への採用を強化したうえで、新たな事業展開への人員補強も並行して取り組んでいく方針のようだ。同社は、かねてより“人を大切にする企業の実現”を掲げ、従業員のエンゲージメント向上に注力してきた(後述する「サステナビリティ基本方針」にも改めて明記)。これからも各人のやる気や能力を活かし、定着率の向上や各地域への雇用貢献、各人の仕事への創造性を高めることで、同社の企業価値向上につなげていく考えである。 4. 沿革 同社は、1982年12月に大阪市東淀川区においてサムティ開発株式会社として設立された(2005年6月に現在の商号に変更)。森山茂(もりやましげる)氏(現 会長)と松下一郎(まつしたいちろう)氏、谷口清春(たにぐちきよはる)氏の3名を中心に不動産の売買・賃貸・管理を開始した。分譲マンションの販売受託からスタートしたが、その後、投資用マンションの1棟販売やファミリーマンションの分譲など着実に実績を積み上げてきた。 2001年5月に投資用分譲ワンルームマンション「サムティ」シリーズの販売を開始すると、2005年3月から不動産ファンド向け賃貸マンション「S-RESIDENCE」シリーズの販売を開始し、事業拡大に拍車をかけた。2007年7月には大阪証券取引所ヘラクレス市場(現 東証JASDAQ)に上場を果たした。 また、さらなる事業拡大や地域分散を図るため、2011年2月に東京支店、2012年6月に福岡支店、2015年5月に札幌支店、2016年3月に名古屋支店、2019年12月に広島支店を開設し、着実に事業エリアの拡大も進めてきた。 事業領域の拡大にも積極的であり、2006年8月にビジネスホテルを保有・運営する(株)サン・トーア(現 サムティホテルマネジメント)の株式を取得(ホテル事業へ進出)、2011年12月にサムティ管理(株)(現 サムティプロパティマネジメント)を設立(プロパティマネジメント事業へ進出)、2012年11月に燦アセットマネージメント(株)(現 サムティアセットマネジメント)を100%子会社化(アセットマネジメント事業に進出)、2015年6月にはSRRを東証J-REIT市場に上場させるなど、今後の成長加速に向けて体制を整えてきた。2015年10月には東証1部へ市場変更(2022年4月からは東証プライム市場への移行が決定)。2019年5月には大和証券グループと資本業務提携を締結し、ホテルREITの組成や海外展開、クラウドファンディングなどで協働を進めている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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総合不動産会社。不動産開発事業、収益不動産等の取得・再生・販売を行う不動産ソリューション事業、ホテル賃貸・運営事業等を展開。保有・運営ホテルの稼働率は回復傾向。25.11期営業利益350億円以上目標。 記:2024/05/08