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神戸物産 Research Memo(7):出店拡大、店舗運営のDX化とECサイトの立ち上げでさらなる収益成長へ(1)

2022/1/26 15:17 FISCO
*15:17JST 神戸物産 Research Memo(7):出店拡大、店舗運営のDX化とECサイトの立ち上げでさらなる収益成長へ(1) ■今後の見通し 2. 中期経営計画 神戸物産<3038>は2022年10月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画で掲げた業績目標値(売上高3,580億円、営業利益260億円)を1年前倒しで達成したことから、新たに2024年10月期までの3ヶ年中期経営計画を策定した。最終年度の業績目標としては売上高で4,100億円、営業利益で320億円とし、3ヶ年の年平均成長率は売上高で4.2%、営業利益で5.4%と着実な成長を見込んでおり、営業利益率も7.8%と前期実績の7.5%から若干ながらも上昇する見通し。「業務スーパー」の店舗数については2022年10月期で60店舗増を計画しているが、2023年10月期以降は30~35店舗のペースで伸ばしていく。また、既存店出荷額については引き続き前期比で若干増ペースを見込んでいる。 なお、中期経営計画における基本方針として以下の6項目を掲げており、前回の中期経営計画からはESGやSDGsの取り組み強化に関する項目を新たに付け加えた以外は、従前の方針を踏襲したものとなっている。 中期経営計画の基本方針 (1) PB商品を強化し、基幹事業である業務スーパー事業の拡大を目指す (2) 少子高齢化や女性の社会進出等に対応すべく、中食事業の拡大を目指す (3) 多様化する食のニーズに対応した外食事業の拡大を目指す (4) 「食」を通じた社会貢献活動及び環境問題に配慮した事業を推進する (5) 優秀な人財の確保と人財育成に注力するとともに、従業員の満足度向上により企業の生産性を高める (6) ESGやSDGsなどへの取り組みを強化し、企業価値の向上に努める これらのうち、(6)を新たに加えている。 また、重点課題と施策については、以下の13項目に取り組み、計画の達成を目指していく方針だ。前回の施策から新たに「店舗運営のDX化」と「販売チャネル拡大による新たな販路の確立」、ESGやSDGsに関する取り組み等を追加した。 (1) 業務スーパーの既存店売上の継続的な成長とさらなる店舗拡大を目指す (2) 「食の製販一体体制」を強化するため、積極的なM&Aの推進と自社グループ工場への投資を行い、PB商品を拡充する。また、同時に自社グループ工場の売上・利益の拡大を目指す (3) 「世界の本物を直輸入」にこだわった輸入商品の商品開発を強化する (4) 店舗運営におけるDXなど、新たな取り組みによる運営の効率化を推進する (5) 販売チャネルの拡大などで新たな販路を確立し、より多くのお客様に商品を届ける (6) 品質管理体制をより充実させ、食の安全安心の取り組みを強化する (7) 食文化の違いによる様々なニーズや課題に対応すべく、ハラール商品などのさらなる充実を図る (8) 外食・中食事業において「食の製販一体体制」を活かした商品力や、オペレーションの更なる効率化で差別化を進め、事業拡大を目指す (9) 適正な業務執行と監督機能の厳格化によりガバナンス体制の強化を推進する (10) 支援を必要とする方々の一助となるよう、食品提供などを継続的に実施する (11) フードロスや包材の削減、再生エネルギーの活用に努め、サステナブルな経営を推進する (12) 人財採用において当社の魅力を積極的に発信し、優秀な人財の確保に努める (13) 従業員教育を強化し、企業と従業員がともに成長できる体制を整備する これらのうち、(4)(5)(9)(10)(11)を新たに加えている。 (1) 店舗運営のDX化の取り組み状況 「店舗運営のDX化」の取り組みとしては、2021年8月にAI技術を活用した次世代型スーパーの実験店舗「業務スーパー天下茶屋駅前店(大阪市西成区)」をオープンしており、主に3つのソリューションの実証実験に取り組んでいる。第1に、AIカメラで陳列棚の映像を解析して品切れ商品を自動検知し、店舗スタッフに通知するソリューションとなる。同システムを導入することで、最適なタイミングで商品の補充が可能となり、販売機会ロスの削減とスタッフの業務効率向上による人件費の抑制効果が期待される。現在、データを収集しながら実用化に向けたシステム改善を行っている段階にある。 第2に、店内に設置したカメラ映像を基に、入店人数やレジの待機人数、精算に掛かる時間などをAIで分析し、レジの待機人数を予測して、曜日や時間帯ごとのレジの稼働台数並びにスタッフ配置の最適化を実現するシステムの開発に取り組んでいる。適正な台数のレジを稼働させることで、顧客の待ち時間削減とオペレーション効率の最適化が可能となる。現在はデータ収集中で、実用化まではまだ時間が掛かる見通しだ。 第3に、顧客が選んだ商品を基におすすめ商品やレシピをショッピングカートに備え付けられたタブレット上に表示する「タブレット付きカート」を導入している。商品のバーコードをカートに付いているスキャナーで読み取ることで、同社が保有する販売実績データ等を基に、AIが導き出したおすすめ商品やレシピを表示する仕組みとなっている。AIによる提案が顧客の購買行動にどのように影響するか現在検証作業を進めている。また、購入する商品のバーコードをカートに付いているスキャナーで読み取ることで、購入商品の一覧をタブレット上で確認できるため買い忘れの防止や、その時点での買い物合計金額を確認できる。また、店舗のセルフレジと連携することで自動精算も可能となるため、レジ待ち時間の短縮や店舗人件費の削減効果も期待できる。同社ではさらなるデータ収集を行い、2022年10月期中にも「タブレット付きカート」のFC店舗への導入を開始したい考えだ。 そのほか、自動発注システムの開発も進めている。従来は仕入担当者が日々、状況に応じて商品発注を行うなど属人的な業務で経験年数が必要とされていたが、自動発注システムの導入で発注業務が簡素化される。現状、実用化できるレベルの精度となっているようで、2022年10月期中のFC店舗への導入開始を目指している。そのほかにも店内の顧客の動線分析やデジタルサイネージでの情報配信、利用者の属性分析など様々な取り組みを順次進めていく予定で、顧客満足度の向上とローコストオペレーションを両立した次世代型店舗の構築を目指していく。次世代型店舗の実用化が進めば、さらなる店舗収益力の強化と既存店舗の売上拡大が可能になると見られ、今後の動向が注目される。なお、これらの取り組みはソフトバンク<9434>などが企画・開発したAIソリューションを活用しているものもあり、共同で検証作業を行っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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