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サムティ Research Memo(9):バランスシートを重視しながら、持続的な利益成長を目指す

2020/9/4 15:09 FISCO
*15:09JST サムティ Research Memo(9):バランスシートを重視しながら、持続的な利益成長を目指す ■成長戦略 1. 中期経営計画 サムティ<3244>は、2019年11月期から2021年11月期までの中期経営計画(3ヶ年)を推進している。2018年11月期に2年前倒しで達成した前中期経営計画「Challenge40」の重点戦略や財務戦略を継承しつつ、さらに強化を図る方向性である。具体的には、1)SRRを中心としたビジネスモデルの展開(フィー収入ビジネスの強化)、2)地方大都市圏における戦略的投資(営業エリアの拡大)、3)ホテル開発・オフィス開発事業の展開(新たな成長エンジンの育成)に取り組んでいる。また、将来的な調整局面に備えるため、バランスシート重視の経営をより強く打ち出しており、賃貸キャッシュ・フローを中心とした財務基盤の強化を最大のテーマに置いている。自己資本比率30.0%以上を維持しながら、同時に持続的な成長を実現する考えであるが、あえて売上高目標を設定せず、生産性や資本効率性を重視することにより、営業利益200億円水準、ROE15.0%水準、ROA7.0%水準を目指している。 2. 重点戦略の方向性 (1) SRRを中心としたビジネスモデルの展開(フィー収入ビジネスの強化) 引き続き、積極的な物件供給を継続することにより、SRRの資産積み上げを促進し、AM報酬の拡大を図るほか、プロパティマネジメント業務(物件管理や工事等)にも注力する。また、開発販売用不動産のラインナップにホテル・オフィスを追加するとともに、SRRに加え、新たな運用ファンド※1等の立ち上げ、獲得フィーの増大を図る。さらには、ホテルマネジメント業務を内製化※2し、MCフィーを獲得する仕組みを作るほか、賃貸収益の拡充、海外収益の獲得等により、フィー収入ビジネスを強化する。 ※1 既述のとおり、大規模ホテルの開発ファンドを大和証券グループと共同で立ち上げるとともに、2021年11月期以降にホテルリートを設立(アセットマネジメント業務は同社グループで受託)する計画である。 ※2 外部の運営会社に委託されているホテルマネジメント業務を内製化し、ホテルの販売後も、同社グループがホテルマネジメント業務(MC)を受託し、フィー収入の獲得、アップサイドの享受、運営ノウハウを蓄積する仕組みを作る。 (2) 地方大都市圏における戦略的投資(営業エリアの拡大) 3年間で約3,000億円(土地+建築費)を投資する計画である。折り返しの2020年5月末時点で2,141億円(進捗率71.4%)を積み上げており、順調に進捗している。特に、同社の主力であるレジデンス開発は849億円(進捗率106.2%)と既に目標を達成。営業エリアの拡大が奏功し、首都圏及び全国地方都市に展開している。また、収益不動産(こちらもレジデンスが中心)も978億円(進捗率72.5%)と順調に取得が進んでいる。 (3) ホテル開発・オフィス開発事業の展開 一方、新たな成長エンジンとして位置付けているホテル・オフィス開発への投資については、これまで312億円(進捗率36.8%)と進捗が遅れている。同社では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による市況の動向等を踏まえ、しばらく慎重な姿勢を取る一方、残りの投資枠については、景気変動の影響を受けにくいレジデンス開発や収益不動産の取得に振り替えていく方針である。 弊社でも、売買の繰り返しによるフロー型だけでなく、安定収益を積み上げていくストック型の収益構造への転換をより重視した方向性は、景気循環による影響を最小限にとどめ、持続的な成長を実現するためにも、理にかなった戦略と評価している。また、今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響に対応した方針転換についても、合理的な判断であると捉えている。したがって、国内外の投資家からの需要が強いレジデンス開発や収益不動産の積み上げが、今後の成長に大きく影響するものと考えられるが、これまで培ってきたノウハウやネットワーク、財務的な体力などは、不確実性の高い業界環境であるからこそ、同社にとってアドバンテージとなる可能性が高いと見ている。また、中長期的な視点からは、大和証券グループとの連携の動きにも注目すべきだろう。特に、ホテルリートの動向を始め、海外展開やクラウドファンディングなど、新しい時代や次のステージを見据えた新たな事業への展開に期待したい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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時価総額 119,704百万円
総合不動産会社。不動産開発事業、収益不動産等の取得・再生・販売を行う不動産ソリューション事業、ホテル賃貸・運営事業等を展開。保有・運営ホテルの稼働率は回復傾向。25.11期営業利益350億円以上目標。 記:2024/05/08