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カドカワ Research Memo(8):DXによる事業構造改革を推進、IPの創出・デジタル関連事業強化などに取り組む

2020/7/16 15:48 FISCO
*15:48JST カドカワ Research Memo(8):DXによる事業構造改革を推進、IPの創出・デジタル関連事業強化などに取り組む ■KADOKAWA<9468>の今後の見通し 2. 事業方針 (1) 基本方針 2021年3月期の基本方針として、以下の3点を掲げている。 a) 新型コロナウイルス問題については、長期化するリスクを想定して対応していく b) 健康、安心、安全を第一とした事業運営の徹底 c) 環境の変化をチャンスと捉え、DXによる事業構造改革をさらに推進する 特に、DXの取り組みに関しては中期経営計画の基本戦略の1つとなっているが、今回の新型コロナウイルスの影響で、想定していたデジタル化の波が2~3年前倒しで到来したとの認識を同社では持っている。こうした市場環境の変化もあって、DXによる事業構造改革を加速して推進していくことにしている。 (2) 重点施策 重点施策としては、以下の5点を掲げている。 a) IPの創出事業並びにデジタル関連事業(自社デジタル配信事業、デジタル配信者向け事業、EC(DtoC)事業)の一層の強化 b) テレワークの高度化、製造物流体制・製作体制でのデジタル工程拡充(所沢新工場稼働) c) イベント事業・インバウンド事業の再構築(興行も含めて旧来型では催行が困難だが、戦略事業としての位置付けは不変) d) 個別不採算事業からの撤退 e) SDGsへのコミットメント強化 3. 事業セグメント別の取り組み (1) 出版事業 出版事業については、紙書籍については4月に休業する書店(商業施設内店舗等)があった一方で、電子書籍・電子雑誌の好調が続く見通しで、2021年3月期はボーンデジタル※の書籍数についても、小説投稿サイト「カクヨム」などを通じて有望な作家を発掘しながら増やしていく考えだ。メディアミックス戦略や新規IPの創出を推進し、返品率の低減などによる収益性改善に取り組んでいく方針だ。なお、所沢新工場が2020年秋ごろに稼働を開始する見通しとなっている。稼働率の状況次第ではあるものの、新工場稼働の効果が収益面で顕在化してくるのは減価償却費負担の増加が一巡する2022年3月期後半以降になると弊社では見ている。 ※初めからデジタルデータとして作成されたコンテンツを指す。 (2) 映像・ゲーム事業 映像事業については、海外へのアニメ版権許諾については影響が出ていないものの、予定していた映画作品の公開時期が延期されるなどの影響が出ていることに加え、一部で遅延している制作中の作品も出ており、短期的な業績面への影響は避けられない見通しだ。 一方、ゲーム事業に関してはマイナスの影響は軽微となっている。ソフトの開発に関してもテレワーク体制が推進されている。なお、2021年3月期はスパイク・チュンソフトから「サイバーパンク2077」(PS4パッケージ版。開発元はポーランドのCD PROJEKT RED)が2020年9月に国内でリリースされる予定となっている。そのほか、コラボIPによる新作ソフトの海外販売も予定されている。 (3) Webサービス事業 Webサービス事業については、2020年3月期において事業構造改革が一段落しており、2021年3月期は売上高を伸ばすための新たな投資を計画する考えだ。ただ、現状は新型コロナウイルスの影響が不透明なことから、投資時期を見極めている状況にある。同社では投資効率を精査し、新規事業を立ち上げていくかどうか判断していくことにしている。 なお「ニコニコ動画」については、公式生放送が3月中旬以降、オンラインのライブイベントなどが好評だったことから、今後もコンテンツの充実に取り組み、有料会員の積み上げを図っていく方針としている。 (4) その他事業 その他事業については、教育事業の強化及びインバウンド事業の再構築、不採算事業の撤退も視野に入れた見直しなどに取り組んでいく方針となっている。 教育事業のうち、角川ドワンゴ学園の「N高等学校」の生徒数は2020年4月時点で約1.4万人(2018年4月時点で約7千人)と2年間で約2倍に急成長した。在校生であるフィギュアスケート選手の紀平梨花(きひらりか)選手の活躍により、時間の束縛なく学べる通信制高校のメリットが改めて認知され、保護者の理解度も深まり、中学卒業と同時に直接入学する生徒が大きく増加した。また、通学コースのキャンパスも2018年4月の8拠点から2019年4月に13拠点、2020年4月に19拠点と年々拡大したことも増加要因となっている。「N高等学校」の業績は同社の連結業績対象外であり、同社の業績には生徒数に応じたシステム利用料が計上されるなど、「N高等学校」の生徒数増加はポジティブに働く。また、アクティブラーニングなどを取り入れ質の高い教育サービスを提供することで、SDGsに貢献している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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旧KADOKAWAとドワンゴが経営統合。出版・IP創出事業が主力。アニメ・実写映像事業、ゲーム事業、通信制高校の運営等も。中計では28.3期売上高3400億円目標。出版IP数の拡大などに取り組む。 記:2024/06/13