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カドカワ Research Memo(5):電子書籍・電子雑誌の2ケタ成長続く、アニメの海外版権許諾収入も好調を維持
2020/7/16 15:45
FISCO
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*15:45JST カドカワ Research Memo(5):電子書籍・電子雑誌の2ケタ成長続く、アニメの海外版権許諾収入も好調を維持 ■KADOKAWA<
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>の業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) 出版事業 出版事業の売上高は前期比1.2%増の117,303百万円、営業利益は同13.9%減の6,248百万円となった。なお、当期は全社共通費用から各事業セグメントに約9億円の費用移動(売上構成比で配分)があり、その影響で約6億円の費用増要因となっている。このため、実質ベースの減益率は5%程度だったと見られる。 売上高の増収要因は電子書籍・電子雑誌の販売好調によるもので、Amazon等への外販が前期比50%増となったほか、自社の「BOOK☆WALKER」ストアでも同30%増と高成長が続いた。市場動向を踏まえた機動的なマーケティング施策が奏功しており、同事業セグメントに占める売上構成比も前期の2割強から3割弱まで上昇している。一方、紙書籍については、市場全体のトレンドと同様に、コミックスが堅調に推移したものの文庫本や単行本、ライトノベルが苦戦し、若干の減収となった。 営業利益は実質約4億円の減益となったが、紙書籍の物流費の高騰が主因となっている。また、計画比では電子書籍・電子雑誌の売上拡大に伴う販促費の増加が未達要因となった。紙書籍の返品率については第2四半期まで高水準だったものの、第3四半期以降は30%前後の水準まで改善している。また、雑誌事業については、Webメディアへの移行等ビジネスモデルの転換が順調に進んでおり、返品率の改善やWebメディアの広告収入が増加している。 (2) 映像・ゲーム事業 映像・ゲーム事業の売上高は前期比0.04%増の48,314百万円、営業利益は同13.2%減の3,401百万円となった。映像事業では北米、中国向けにアニメの権利許諾が好調に推移し、また、IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾等も収益に貢献した。一方で、大型作品として期待していた映画「Fukushima 50」の興行収入が新型コロナウイルスの影響を受け低調に終わった。映像事業だけで見ると、権利許諾の好調により増収増益となっている。 一方、ゲーム事業は2019年3月22日に世界同時発売となった「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」が大ヒットとなり、収益に大きく貢献した。同タイトルは米国でゲーム業界のアカデミー賞とも呼ばれる「The Game Awards 2019」において、年間最優秀作品賞を受賞している。ただ、売上面では2019年10月にリリースしたスマートフォン用アプリゲームが低調だったことにより減収となった。 (3) Webサービス事業 Webサービス事業の売上高は前期比4.3%減の24,739百万円と減収が続いたものの、営業利益は2,788百万円(前期は2,576百万円の損失)と3期ぶりに黒字転換した。主力の動画サービスは、ニコニコプレミアム会員が2020年3月末で163万人(前期末比17万人減)と減少が続いたものの、前四半期比での減少幅は徐々に縮小傾向となっていることに加え、2020年3月単月では前月比で純増に転じた。「ニコニコチャンネル」については、有料会員数が117万人(同22万人増)と順調に伸長した。特に2020年3月はリアルのイベントが中止となるなかで、無観客ライブや公式生放送等のネットイベントが好調に推移した。 ライブ事業では2019年4月に開催した「ニコニコ超会議2019」が過去最高の来場者数を記録するとともに、コストコントロールにより赤字幅も縮小している。また、8月から9月にかけて開催した世界最大のアニソンライブ「Animero Summer Live 2019-STORY-」は3日間で8.4万人を集め、収益貢献した。11月には池袋にサテライトスタジオ「ハレスタ」をオープンし、ネットとリアル、そしてバーチャルの融合を実現すべく、最新技術を駆使したバーチャルキャラクターによるライブパフォーマンスやアニメ・ゲーム関連のステージイベントなどを開催するなど、新たな取り組みも進めている。 利益面では、前期からドワンゴで取り組んできた事業構造改革の推進により、外注費や通信費、減価償却費等が減少し、増益要因となった。また、会社計画比でも3月の無観客ライブの開催やネットイベントが好調だったことに加えて、動画サービス事業で計画していた新たな投資費用が想定よりも少なかったことも利益面での増額要因となった。 (4) その他事業 その他事業の売上高は前期比11.9%減の19,497百万円、営業損失は2,583百万円(前期は2,613百万円の損失)となった。 スクール運営を行う(株)バンタン、ドワンゴの収益貢献により、教育事業は好調に推移したものの、MD事業においてアイドルCD等の発売延期やグッズ売上の減少、MAGES.が子会社から外れたことなどが減収要因となった。 また、利益面では「ところざわサクラタウン」での新規事業に向けた先行投資を継続していることもあり、前期とほぼ同水準となった。 会社計画比で見ると、売上高はMD事業におけるCDや各種グッズの販売が新型コロナウイルスの影響で中止や延期になったことが下振れ要因となり、利益面ではMD事業の減収要因に加えて、教育事業において2021年3月期以降の生徒獲得のための広告宣伝費を積極投下したことも下振れ要因となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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KADOKAWA
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時価総額 608,395百万円
旧KADOKAWAとドワンゴが経営統合。出版・IP創出事業が主力。アニメ・実写映像事業、ゲーム事業、通信制高校の運営等も。中計では28.3期売上高3400億円目標。出版IP数の拡大などに取り組む。 記:2024/06/13
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