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日本化 Research Memo(4):化学品事業と機能品事業が2本柱、電子セラミック材料が成長をけん引(2)
2020/7/3 18:24
FISCO
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*18:24JST 日本化 Research Memo(4):化学品事業と機能品事業が2本柱、電子セラミック材料が成長をけん引(2) ■事業概要 3. 機能品事業 機能品事業は、電子セラミック材料、ホスフィン誘導体(有機リン化合物)、農薬、電池材料、回路材料、その他の機能品材料の製造・販売を展開している。 電子セラミック材料は、MLCC(積層セラミックコンデンサ)の誘導体層の原料となるパルセラムを主要製品としている。長年にわたってバリウム原料を扱ってきた強みを生かして、日本化学工業<
4092
>はパルセラムをシュウ酸塩法によって生産している。シュウ酸塩法は水熱合成法やアルコキシド法に比べて、バリウムとチタンの組成が分子レベルで均一となるため結晶性に優れている。MLCCは自動車の自動運転高度化やEV化、5Gの基地局やネットワーク機器、IoTデバイスなどで需要の急拡大が見込まれるとともに、高い信頼性が求められているため、この特徴を武器として、同社のパルセラムの需要も拡大基調となっている。 ホスフィン誘導体は、各種リン系材料の原料となるアルキルホスフィン、触媒や帯電防止材となるホスホニウム塩、リチウムイオン二次電池電解液用の難燃添加剤となるホスファゼン化合物を主要製品としている。1985年に日本で初めてホスフィンガスの生産に成功した。近年では有機物と反応させることによって多種多様な誘導体を供給している。 農薬は、長年にわたる塩化リンの取扱技術や多種多様な有機合成技術を活用して、多面的なアプローチで顧客ニーズに対応している。また、穀物・飼料用の燻蒸剤となるホスフィンガスも取り扱っている。 電池材料は、リチウムイオン二次電池用正極材のセルシード(コバルト酸リチウム)を主要製品としている。長年にわたる粉体製造技術(混合、焼成、粉砕)を活用し、近年では独自技術による微粉化にも成功している。 回路材料は、液晶パネルの異方導電性膜・異方導電接着剤用の導電フィラーとなるブライト(金属被覆粉末)を主要製品としている。独自開発した粉体への無電解メッキ技術により、多様な粉体(樹脂粉、金属粉)に金またはニッケルなどを被覆させた新しいタイプの金属被覆導電性材料である。 その他は、半導体製造用のドーピングガス、化合物半導体用の高純度ホスフィンガス、電子材料や光学用ガラスに使用される高純度炭酸バリウムなどを主要製品としている。 4. 賃貸事業 賃貸事業は、旧工場跡地の保有資産を有効活用した安定収益源と位置付けて、福島県郡山市ではイオンタウン郡山、大阪市西淀川区では社会医療法人愛仁会及びイズミヤ(株)を中心とする大型商業施設に土地・建物を賃貸している。 5. 空調関連事業 空調関連事業は、1994年4月設立した子会社の日本ピュアテック(株)が、半導体分野を中心にケミカルフィルタ、空気清浄機等の空調設備機器事業を展開している。さらにM&Aも積極活用して、医薬メーカー向けアイソレータなどのクリーン機器、集塵機や陽圧防虫システムなどの環境改善機器、量子コンピュータ用の極低温冷却機器などへ事業を拡大している。 2012年10月には日本ピュアテックがクリーンルーム等設計販売のルフトテクノ(株)(2006年11月ジャパンルーワ(株)の全株式を取得、2010年11月ジャパンルーワの社名をルフトテクノに変更)を吸収合併した。 また2018年7月には日本ピュアテックが理化学機器輸出入販売のロックゲートを子会社化した。ロックゲートが取り扱う極低温冷却機器は、ビッグデータ解析や新薬開発で実用化が期待される量子コンピュータに使用されている。 6. その他 その他の事業では、子会社のニッカシステムが山口県内での書籍等販売、子会社の日本化学環境センターが環境測定及び化学分析を展開している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
関連銘柄 1件
4092 東証プライム
日本化学工業
2,436
11/22 15:30
+41(%)
時価総額 21,736百万円
無機化学製品や電子セラミック材料、電池材料等を手掛ける化学メーカー。1893年創業。チタン酸バリウムの設備能力増強進める。アジア地域中心に販売体制の強化図る。中期経営計画では27.3期売上490億円目標。 記:2024/06/13
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