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日本化 Research Memo(3):化学品事業と機能品事業が2本柱、電子セラミック材料が成長をけん引(1)

2020/7/3 18:23 FISCO
*18:23JST 日本化 Research Memo(3):化学品事業と機能品事業が2本柱、電子セラミック材料が成長をけん引(1) ■事業概要 1. 日本化学工業<4092>の事業内容 事業(セグメント)区分は、化学品事業(クロム製品、シリカ製品、リン製品、その他)、機能品事業(電子セラミック材料、ホスフィン誘導体、農薬、電池材料、回路材料、その他)、賃貸事業、空調関連事業、その他としている。 創業以来の化学品事業と機能品事業が収益の2本柱である。需要先は自動車、家電、半導体・液晶、二次電池、塗料、製紙、土木、家庭用品、食品、飼料、医薬・農薬と幅広い。120年以上の歴史の中で培った配合・合成ノウハウをコア技術として、新製品開発力、製造技術力、品質力など、多様な市場・顧客ニーズへの対応力の高さを強みとしている。賃貸事業は保有資産を有効活用した安定収益源、空調関連事業は新規事業分野と位置付けている。 2020年3月期のセグメント別売上構成比は化学品事業が42.8%、機能品事業が42.7%、賃貸事業が2.5%、空調関連事業が9.4%、その他が2.6%、営業利益構成比(連結調整前)は化学品事業が19.6%、機能品事業が51.1%、賃貸事業が21.2%、空調関連事業が5.5%、その他が2.5%だった。 化学品事業と機能品事業がおおむね2本柱だが、特に2018年3月期以降の傾向として、機能品事業の売上が伸長して構成比も上昇(売上構成比は2017年3月期35.0%から2020年3月期42.7%に上昇、営業利益構成比は2017年3月期28.4%から2020年3月期51.1%に上昇)している。採算性の良いスポット案件の有無なども変動要因となるが、後述するように、MLCC向けパルセラムなど、重点分野と位置付けている機能品事業の電子セラミック材料の需要が拡大基調であり、全体の成長を牽引している。 2. 化学品事業 化学品事業は、クロム製品、シリカ製品、リン製品、その他の無機化学品(リチウム製品、顔料など)の製造・販売を展開している。 クロム製品は、自動車部品(ピストンリング、シリンダなど)のメッキで硬質・耐摩耗化に不可欠な無水クロム酸、金属表面処理(メッキ)に使用される環境対応型の3価クロム塩、緑色顔料や研磨剤に使用される酸化クロムを主要製品としている。1908年にクロム化合物の製造を開始した後、日本で初めてフレーク無水クロム酸や酸化クロムの量産を開始するなどの歴史を誇っている。現在も国内唯一のクロム化合物メーカーとして、世界屈指の技術と設備で国内クロム化合物需要の大部分を賄っている。 シリカ製品は、古紙の脱インク、土壌硬化剤、食品ろ過材などに使用される珪酸ソーダを主要製品としている。1902年に日本で初めて珪酸ソーダの試作に成功した歴史を誇り、その後も多様なニーズに対応した高品質のシリカ製品を幅広い需要先に供給している。 リン製品は、半導体エッチング、金属表面処理、食品添加物などに使用されるリン酸、光学用ガラス材料として使用される高純度メタリン酸塩、洗剤や食品添加物などに使用されるリン酸塩、医薬・農薬・界面活性剤などの原料となる無水リン酸を主要製品としている。1913年にリンを、1939年に乾式リン酸を、いずれも日本で初めて工業化に成功した歴史を誇る。乾式法で製造された乾式リン酸は、特に品質面の優位性を武器に、食品添加剤、医薬原料、分析試薬、金属表面処理、電材など幅広い分野で使用されている。なお食品添加物用リン酸については、2012年に世界で初めて国際規格FSSC22000認証を取得し、2019年には日本で初めてハラール認証(イスラム教が禁じているものを含まない食品等の規格を定め、原材料・製造工程・製品品質等を審査し、適合する製品にハラールマークを表示させる制度)を取得している。 その他は、リチウム電池材料の炭酸リチウム、洗剤や染料に使用される芒硝、各種工業薬品などを主要製品としている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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時価総額 21,281百万円
化学品メーカー。リン、シリカ、クロムなどの無機化合物に実績。有機合成技術を用いた受託合成に加え、6N規格の高純度赤リンや高純度ホスフィンガスなど半導体材料も展開。新製品の売上寄与もあり、3Q累計は増益。 記:2024/02/09