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富士ソフト Research Memo(2):「挑戦と創造」を社是に、独立系ながら売上高1,000億円の壁を大きく突破

2020/4/7 15:22 FISCO
*15:22JST 富士ソフト Research Memo(2):「挑戦と創造」を社是に、独立系ながら売上高1,000億円の壁を大きく突破 ■会社概要 富士ソフト<9749>は、1970年5月設立の独立系大手ITソリューションベンダーである。そのルーツは、1970年当時、コンピュータ専門学校で講師を務めていた現同社取締役会長執行役員である野澤宏氏がコンピュータ産業の将来性に着目し、自身に加え2名の教え子社員とともに自宅で開業した富士ソフトウエア研究所である。設立から半世紀近くを経た今、連結子会社28社(うち4社が上場企業)、持分法適用非連結子会社2社、持分法適用関連会社2社で構成される従業員数14,000人超のグループにまで発展している。 企業規模が飛躍的な発展を遂げるなかでも、『もっと社会に役立つ もっとお客様に喜んでいただける もっと地球に優しい企業グループ そして 「ゆとりとやりがい」』という基本理念のもとで事業を通じた社会貢献を目指す創業者の経営哲学は一貫しており、グループ会社憲章や役員・社員心得の制定等を通じて企業理念としての形式知化が図られている。 報告セグメントは、SI事業(システム構築とプロダクト・サービス)、ファシリティ事業、その他の3つから成る。主力のSI事業では組込系/制御系及び業務系ソフトウェア開発を軸に多彩なソリューションメニューを提供、ファシリティ事業はオフィスビルの賃貸、その他はBPOサービス事業やコンタクトセンター事業、再生医療事業等を行っている。再生医療事業への取り組みは一見飛び地参入に見えるものの、企業理念に基づく事業創造の典型的な一例と言えるだろう。 また、報告セグメントを横断する事業戦略として、「AIS-CRM(アイスクリーム)」領域での取り組みを推進している。これは、AI、IoT、Security、Cloud computing、Robot、Mobile&AutoMotiveの頭文字を並べた同社の造語であり、中長期的に成長が期待される領域を網羅している。こうした成長分野で技術を蓄積し磨き上げることは容易ではないものの、実現できれば景気循環要因による要因稼働率の急変を抑制することが可能となるだろう。同社ではクラウド領域を中心に取り組み成果が顕在化しつつあるとしており、今後の動向に注目しておきたい。 創業時のコンピュータ・オペレーターの派遣業務事業で基盤を築いた同社は、その後、ソフトウェア開発やシステム構築の事業領域に進出、コンピュータ産業の爆発的拡大を追い風に飛躍的な発展を遂げたわけだが、その成長要因として見逃せないのが、創業者である野澤会長を含む経営トップがコンピュータ社会の到来を確信し、相当程度大きなリスクを負ってでも積極的な人材採用・技術者育成と自社にない技術や顧客基盤を取り込む補完的M&A戦略を推進したことである。 コンピュータ社会が現実化し国内ITサービス市場が5兆円超の規模に拡大するなかにあっても、売上高1,000億円大台を超える大手ITサービス企業は、メーカー系(富士通<6702>など)やユーザー系(NTTデータ<9613>など)、商社系(SCSK<9719>など)、外資系(日本IBM(株)など)がほぼすべてを占めており、独立系と呼べる企業は同社を含めて3社に過ぎない。同社は、2002年3月期に売上高1,000億円超グループ入りを実現したわけだが、その際の従業員数は単体で4,002名、連結で見れば6,353名と創業以来の積極的な人材採用・技術者育成に支えられた業容拡大であったことが伺える。また、1996年には金融系業務システムに強みを持つ(株)エービーシーと合併、その後も1999年に外資系を源流とするサイバネットシステム<4312>を連結子会社化、2002年には流通系業務システムを主力とする(株)マイカルシステムズ(現(株)ヴィンクス)を連結子会社化するなど、組込系/制御系ソフトウェア開発という自社の強みを補完する技術や顧客基盤を取り込むM&A戦略を推進したことも、単に追い風に乗るだけでは成し遂げられない売上高1,000億円の壁を突破するために不可欠な大英断であったと考える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘) 《ST》
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