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Jオイル Research Memo(1):成長戦略も構造改革も前進。2020年3月期は営業利益2ケタ増益の見込み

2019/12/12 15:21 FISCO
*15:21JST Jオイル Research Memo(1):成長戦略も構造改革も前進。2020年3月期は営業利益2ケタ増益の見込み ■要約 J-オイルミルズ<2613>は、(株)ホーネンコーポレーション、味の素製油(株)、吉原製油(株)の3社が統合して設立された油脂メーカー大手である。大豆などの輸入原料を国内で搾油し、国内で油脂・油糧製品を製造販売する油脂事業を主力としている。その他にも、マーガリンや粉末油脂などの油脂加工品事業、スターチやケミカルなどの食品・ファイン事業も展開している。同社の強みは、統合した3社がそれぞれに培ってきたノウハウや技術にあり、味の素製油は油脂のおいしさの研究や「AJINOMOTO」ブランドによる高い認知度、ホーネンコーポレーションは原料を使い切る取り組みや業務用における強固な営業基盤、吉原製油は油種のバラエティや顧客に対する課題解決力が強みとなっている。同社は、こうした各社の強みとシナジーを生かした事業戦略を展開している。 事業戦略の中心は成長戦略と構造改革だが、同社は第五期中期経営計画(2017年度〜2020年度)で成長戦略に重点を置いている。人口減少などで販売数量の増加を期待しづらい国内では、油脂などの高付加価値化の拡大と業務用におけるソリューション事業の強化を最重点施策として推進している。家庭用では需要が増しているオリーブオイルやプレミアムオイルなどを訴求、業務用としては長持ち油「長調得徳®」や「J-OILPRO®プロのための調味油」シリーズといった調理場の課題を解消するソリューション商品の拡販に注力している。このように同社は、高付加価値化とソリューションをバネに、「あぶら」を究めることでおいしさを創造する「おいしさデザイン企業」への進化を図っている。 一方、構造改革も推進している。具体的には、穀物サイロ、定温倉庫や普通倉庫などを所有し倉庫業や不動産業を行う坂出事業所を売却する予定である。また、静岡事業所で行っていた配合飼料の生産を、需要家に近いエリアで外部委託する計画である。装置産業ゆえの投資効率や国家的課題とも言える物流の効率化がトリガーになったようだ。さらに、国内人口の減少やTPPなどを背景とした国際競争の激化に対応する必要もあり、同社は最大のライバルとも言える日清オイリオグループ<2602>と業務提携の協議に入った。両社ともに国内における外部環境は似た状況にあり、同様のニーズがあったと思われる。ただし、独自性と健全な競争環境を維持しながら、特に搾油工程までの業務に関して効率化などについて協議する見込みである。また、資本提携の検討はしないもようである。 2020年3月期第2四半期の業績は、売上高90,520百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益4,184百万円(同28.3%増)となった。搾油原料相場やミール相場が低位で推移するなか、高付加価値品の販売拡大に取り組み、減収ながら営業2ケタ増益となった。期初の会社計画比では売上高で3,480百万円の未達、営業利益で884百万円の超過達成となった。2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高190,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益6,500百万円(同14.8%増)を見込んでいる。なお、2020年3月期通期の業績見通しは据え置いているが、セグメント別営業利益の内訳に関して、油脂の採算改善により油脂事業を上方修正、海外での業務提携に伴う費用計上により油脂加工品事業を下方修正している。売上高の達成はやや厳しくなったが、利益の達成は余裕含みという印象である。 ■Key Points ・統合3社の強みを生かした油脂メーカー大手 ・成長戦略も構造改革も前進、日清オイリオグループと業務提携へ協議開始 ・2020年3月期営業利益は2ケタ増益の見込み (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
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2602 東証プライム
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時価総額 170,603百万円
食用植物油大手。パーム加工品などの加工油脂、チョコレート、調味料、化粧品原料等も手掛ける。国内油脂の販売シェアは3割超。油脂事業では付加価値品の拡販図る。今期は国内油脂における販売数量増などを見込む。 記:2024/06/13
2613 東証プライム
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時価総額 71,540百万円
味の素製油、ホーネンコーポレーション、吉原製油の経営統合で誕生。家庭用油脂、業務用油脂、ミールの製造・加工・販売等を行う。国内業務用食用油の販売量シェアは約4割。油脂汎用品の価格適正化などに取り組む。 記:2024/10/20