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「プリント基板業界のラクスル」ピーバンドットコム 田坂正樹社長 市場変更を語る(前編)

2019/10/7 16:39 FISCO
*16:39JST 「プリント基板業界のラクスル」ピーバンドットコム 田坂正樹社長 市場変更を語る(前編) 従業員数31人で、2万社の企業と取引を行う少数精鋭のピーバンドットコム<3559>は、プリント基板業界の“ラクスル”とも言われています。財務面では、無借金経営で自己資本比率79.1%の経営を行っています。同社の強みはどこにあるのか?田坂社長に伺いました。 ピーバンドットコムは、業界に仕組みを変えることに成功したことが似ていることから、プリント基板業界の“ラクスル”と呼ばれています。プリント基板に絞って、世界中の工場と提携することで、プリント基板の複雑な受発注の仕組みをシステム化し、Web上で基板の設計から製造、実装までをワンストップで簡単に注文できる仕組みを構築しています。少量生産・最短1日の短納期にも対応できる手軽さと、利便性を重視したサービスはまさに、「プリント基板業界のラクスル」と言われる所以です。 ——ラクスル<4384>といえば、デジタル化が進んでいない巨大で非効率な印刷業界にECを持ち込みました。自社で印刷設備を持たずに、全国の提携先を「仮想的な自社設備」として捉えている点が際立ったビジネスモデルです。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をヴィジョンに掲げて、産業構造の変革をなし得た企業です。 ◆ドラッカーを日本に紹介した野田一夫氏が学長として立ち上げた多摩大学の経営情報学部を卒業されたのち、1995年 4月ミスミに入社されました。約5年間にわたるミスミでの仕事内容は? ミスミグループ本社<9962>では、2つの新規事業の立ち上げに関わりました。まず、パソコンの中の部品を売るカタログビジネスを立ち上げました。次に、インターネットで半導体を売る事業の新規事業に携わりました。このミスミでの経験が、今のピーバンドットコムを創業する原体験になっています。この時に、時代の流れを2つ察知しました。まずは、インターネット通販です。まだインターネットの普及が間もない1996年頃に、ミスミのホームページで扱っている部品の図面や機能をアップロードし世界中に配信すると、部品を製造する業者であるサプライヤーから問い合わせが数多く寄せられました。この時に、この先のインターネット通販の可能性を当時、感じました。また、半導体事業に携わったことで、将来的にプリント基板の需要が増加することも見込めました。そこで「インターネットでプリント基板を販売する」ビジネスモデルで創業しました。 ◆類似企業・目指す企業イメージは? 2002年29歳の時に創業しましたが。誰もまだ着手していない分野で創業したい気持ちが強かったです。プリント基板のネット通販は注文をいただいてから発注するため、在庫や倉庫代がかからず、スタートアップ企業として始めやすい業態であった点も創業に至った理由です。現在は、「開発環境をイノベーションする」を経営スローガンに、モノづくり業界における課題を、これまでにない仕組みで解決することを掲げています。「品質重視」と「納期遵守の徹底」を最優先にした取引で信頼をいただいております。特にB to Bで市場規模を拡大しており、国内の大企業、中小製造業、大学・研究機関など幅広いお客様にお取引をいただいています。近年ではIoTやロボティクス、宇宙開発分野からのご利用も増えており、時代のニーズを取り込むことで今後さらなる成長を目指しています。類似企業として、有り難いことに、ミスミグループ本社<9962>や建設業・製造業・自動車整備業向け間接資材のネット通販最大手であるモノタロウ<3064>のようなBtoB向けの通販事業を類似企業にあげていただくことが多いです。最近では、インターネット印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」や物流の「ハコベル」を運営しているラクスル<4384>とも並べていただくことがあります。ミスミで働いていた経験や、受け継いだものを大切にしながら、日本の産業の生産性向上に寄与していくために、飛躍していきたいと思います。 ◆プリント基板とはどんなもの? 自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器、発電機など電子機器に必ず使われるもので、現在も市場は拡大中です。皆様が使っておられる電子機器の中にはほとんど入っている緑色の基板がプリント基板です。このプリント基板の上や内部に電子部品や半導体がはんだ付けされて、電子回路として動作するようになったものです。あらゆる分野で使われていることから、当社の取引先企業は2万2500社を越えています。例えば、日産自動車<7201>やルネサスエレクトロニクス<6723>などが挙げられます。最近では、宇宙開発や自動運転、IoT分野の受注が多く。宇宙航空研究開発機構(JAXA)、LINE<3938>、東京工業大学などとも取引がございます。 ◆ピーバンドットコムの強み ワンストップサービス設計・製造・部品実装をワンストップでできることと、品質と納期にこだわるユーザーファーストが強みです。ネットで完結できるワンストップサービスは当社のみで、利用率が増加しています。さらに、30社の工場と提携することで少量生産・最短1日の短納期にも対応できる手軽さと、1枚から注文できる利便性を重視しています。ピーバンドットコムでは、取引先企業先の業界が偏りなく分散されたポートフォリオになっていますので、どこかの業種に依存していない点も業績面で強みだと言えます。自動車、FA機器、家電、半導体関連、通信機器、OA・事務機器、計測器、アミューズメント、医療機器に加えて、最近では、IoT、宇宙開発、EV、自動運転、農業、ロボティクス分野との取引も拡大しております。 ◆今後の成長戦略 2021年までに、IoT、ウェアラブル機器に必要となってくる、軽薄短小を可能とするビルトアップ基板製品の対応を高めていきます。メタル放熱基板製造サービスと呼ばれる、LED照明など高放熱性が必要なメタル基盤の需要拡大の見込みが大きいです。(今後、2021年までに161.5%の成長見込み) また、5Gの本格的に伴い、高多層基板の対応もしていく予定です。 (今後、2021年までに115.5%の成長見込み) ——後編にづづく (フィスコ アナリスト馬渕磨理子) 《SF》
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3064 東証プライム
1,782.5
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時価総額 893,649百万円
間接資材のインターネット通販最大手。工場・工事用、自動車整備用等の間接資材を販売。取扱商品は約2200万点。登録会員数は910万6521口座。購買管理システム事業は高成長。23.12期通期は2桁増収増益。 記:2024/04/15
3559 東証スタンダード
372
4/26 15:00
-1(%)
時価総額 1,832百万円
プリント基板をEC販売。顧客の希望に対応可能な提携工場自動発注システムに強み。ChatGPT活用の電子部品情報検索サービスをリリース。24.3期3QはS-GOK事業でIoT関連の開発、量産実績が増加。 記:2024/02/24
3938 東証1部
5,350
12/28 15:00
±0(%)
時価総額 1,304,330百万円
国内最大のメッセンジャーアプリ「LINE」を運営。広告収入に次ぐ収益の柱として金融サービスに力注ぐ。来年3月にヤフーとの統合を予定。20.12期3Q累計は子会社の売却と増資に伴う一時利益計上で営業黒字に。 記:2020/11/24
4384 東証プライム
905
4/26 15:00
+15(%)
時価総額 52,796百万円
インターネット印刷・広告シェアリングプラットフォーム「ラクスル」や物流シェアリングプラットフォーム「ハコベル」を運営。ラクスルは好調。注文単価は横ばいだが、購入者数は増加。24.7期1Qは2桁増収増益。 記:2024/01/28
2,539.5
4/26 15:00
+5.5(%)
時価総額 4,968,349百万円
車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、xEV向け製品の売上が増加。金融費用減少。23.12期通期は2桁最終増益。 記:2024/02/13
7201 東証プライム
549
4/26 15:00
+2.3(%)
時価総額 2,317,173百万円
自動車大手。仏ルノー、三菱自と3社連合を形成。EV展開で先行。24.3期3Q累計は中国の競争激化。だが半導体不足解消を受けて中国以外で販売を伸ばす。値上げ効果も出て増収増益に。ホンダとEV分野で提携検討。 記:2024/04/12
9962 東証プライム
2,407.5
4/26 15:00
+59.5(%)
時価総額 684,982百万円
機械部品商社。FA用部品や金型用部品、製造副資材、消耗品を提供。取扱メーカーは3000社以上。FA事業は海外が伸び悩む。VONA事業はアジア等における需要低迷が響く。24.3期3Q累計は業績足踏み。 記:2024/02/04