マーケット
6/28 15:15
39,583.08
+241.54
39,118.86
-45.20
暗号資産
FISCO BTC Index
6/30 9:58:39
9,831,220
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

澁澤倉庫 Research Memo(4):顧客ニーズに即したサービスを展開

2019/7/4 15:24 FISCO
*15:24JST 澁澤倉庫 Research Memo(4):顧客ニーズに即したサービスを展開 ■事業概要 3. 物流事業のサービス 澁澤倉庫<9304>の事業・業務をサービス別に見ると、以下のように、倉庫保管サービス、陸上運送サービス、輸出入フォワーディングサービス、港湾運送事業、不動産賃貸サービスなどに分けられる。 (1) 倉庫保管サービス a) 倉庫保管 一般貨物の常温倉庫を始め可動式ラック倉庫や定温倉庫、危険品倉庫など万全の態勢で最適な保管環境を提供するとともに、顧客の商品特性に応じた多様な荷役機器を有している。また、自社開発した倉庫管理システム(WMS)によるリアルタイムな在庫照会や、EDIによる連携などを利用することで最適な物流ソリューションを提案し、顧客の効率的な販売戦略をサポートしている。 b) 流通加工 流通加工では、輸入雑貨や食品の検品・ラベル貼り作業、アパレル製品の札付け・検針・ラッピング作業、化学品の解袋・サンプリング・混合・バルク積作業など、煩雑で労力の要る作業を顧客に代わって行い、商品の高付加価値化をサポートしている。顧客と流通加工システムの共同開発を進めるなど、顧客にとってより有機的なロジスティクス戦略を展開することも可能である。保管場所における流通加工のワンストップサービスは、顧客にとって輸送費低減や管理の一元化につながるサービスとして好評である。 (2) 陸上運送サービス a) 全国輸配送 同社の陸上運送サービスにおける最大の特徴は、トレーラーや大型車など豊富な車両を活用し全国ネットの営業網を生かした、大量ラウンド運行による「幹線輸送」サービスと、自社開発の自動配車・輸配送システムなどによるきめ細かな「地域内の地場配送」サービスである。さらに、特殊車によるバラ貨物輸送など多種多様な要請に応じることもできる。これまで蓄積してきた豊富な経験・ノウハウを生かし、あらゆるニーズに対応できる輸送方法と輸送ネットワークを構築している。 b) 共同配送 メーカーごとに配送先に車両運行を手配する非効率を解消するため、同社は全国各地で共同配送の拠点(TC、DC)を運営している。共同配送は、車両台数の削減や荷受け作業の効率化によるローコストオペレーション、深刻化しているドライバー(労働力)不足、環境負荷低減などの課題解消につながるため、取り組みを積極的に拡大している。 c) モーダルシフト 環境にやさしい輸送モードである「フェリー輸送」や「鉄道輸送」をサービスとして提供している。環境負荷の低減やドライバー不足の解消、長距離輸送コストの削減などに効果があるため、グループ全体でもトラック輸送からのモーダルシフトも進めている。 (3) 輸出入フォワーディングサービス a) 通関/輸出入海貨業務 AEO(Authorized Economic Operator)認定通関業者として、熟練したスタッフやベテラン通関士を全国の主要な港や空港に配置し、日用雑貨・アパレル・化学品・食料品・機械類など様々な商品の通関を行っている。また、プラント輸出や自由貿易協定、その他法令、再輸出、免税手続き、戻し税手続きといった専門的なノウハウが必要な通関に関しても、相談から申告手続きまでサポートすることができる。システム面では、自社システムとNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)との連携のほか、国内外の顧客とのオンライン化により迅速で効率的なサービスを提供している。海上貨物の業務では、輸入貨物についてはD/O交換、搬出手続き、指定納入先までの輸送など、輸出貨物については貨物引取りから梱包、船社までの輸送手配など様々なサービスを一括して行っている。 b) 貿易代行 商品の輸出入には、受発注業務やインボイス、パッキングリストなどの書類の作成、現地取引先とのスケジュール調整、官庁手続き、銀行手続きなど、物の移動以外にも様々な手続きが伴う。同社では長年にわたる豊富な貿易実務経験により、顧客に代わってこうした煩雑な手続きを行うアウトソーシングサービスを提供している。 c) 国際輸送 海上国際輸送では複数の船会社や混載会社、協力会社を利用できる上、競争力のある海上運賃及び出荷スケジュールを優先した最適な輸送手段を提案している。B/L(船荷証券)は、同社が発行するHOUSE B/L、もしくは海上運賃の交渉・ブッキングを行うことで船会社が発行するB/L、いずれをも利用することができる。また、混載貨物(LCL)サービスとして、横浜から上海・新港・大連・青島・香港向けの輸送サービスを提供している。航空国際輸送では、IATA(国際航空運送協会)の公認代理店として、精密機器から自動車部品、化学品原材料、食品・イベント輸送に至るまで幅広いサービスを提供している。 d) 国際一貫輸送 (社)国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)の正会員である同社は、中国・香港・ベトナム・フィリピンにある海外現地法人や提携代理店と連携し、陸・海・空による複数の輸送手段を組み合わせて提供することができる。このため、家電や精密機械、自動車部品などの輸送において、様々な企業に対して納期短縮やコスト低減を提案するなど、最適かつ効率的なDoor to Doorサービスを提供している。提携代理店は北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアを始め、ブラジル・サウジアラビア・南アフリカなどほぼ全世界をカバーしている。 (4) 港湾運送事業(船舶代理店/港湾荷役) 船舶が効率的に入港できるよう、パイロット(水先案内人)やタグボートの手配から、海上保安庁、税関、検疫所、関係省庁等への諸手続き、B/L発行に至るまで広範囲にわたるサービスを提供し、船舶代理店として船会社をサポートしている。また、船内荷役やはしけ運送などの港湾運送業務でも多くの実績を有している。特に在来船の船内荷役では、主要港での長年にわたる経験やノウハウを生かし、一般貨物のみならず長尺の鋼材や穀物、重機、プラント貨物などの積み卸しや積み付け、ラッシング(固縛)を安全かつ高品質に行っており、高い評価を得ている。 (5) 情報システムサービス そのほかトランクルームやオフィス引越などのサービスも行っているが、近年更新した業務システムによって、より高度な情報システムサービスを提供できるようになった。従来のシステムは顧客ごとに1つずつ作り込むため相互の連携性が低かったが、新たなシステムは、倉庫管理、輸出入・荷捌き、陸運配車の3つにシステムをまとめ直しプラットフォーム化したことで、相互の連携が容易に図れるようになった。このため、陸・海・空ワンストップ総合物流サービスとして、既存顧客から新規顧客まで、様々な物流特性や多様化する要望、特殊な仕様に対して柔軟に対応することが可能となり、各輸送モードや貨物管理に最適なシステムを提供することができるようになった。 a) 倉庫管理システム(WMS) 様々な商品特性ごとに最適化されたシステムで、迅速確実かつ効率的に在庫管理を行うことができる。また、モバイル端末などを活用することで、作業の効率化を通じた低コスト化も実現している。顧客向けには、Webサービスによるリアルタイム在庫照会やダウンロード、各種EDI(電子データ交換)連携といった機能が標準で用意されている。 b) 輸出入・荷捌システム 同社のNVOCC(船舶を持たない貨物利用運送事業者)・海貨・通関業務のシステムは、1つのシステムにシームレスに統合されており、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)とも連携している。顧客の輸出入に関わる情報や進捗状況がリアルタイムで共有できるため、迅速確実で一元的なサービスを提供することが可能である。WebサービスによりNACCS実績情報(許可データなど)や各種トレース情報の提供も可能となっている。 c) 陸運配車システム(TMS) 全国の配車情報を一括管理して無駄のない効率的な車両運行を行うことで、競争力のある運賃を提示することができる。また、全国の協力会社の車両情報を一元管理することによって、安全な輸送も実現している。さらに、貨物トレースシステム・GPS機能・自動配車システムなど最新機能と連携することで、顧客ニーズに即した高品質なサービスを提供することができる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《MH》
関連銘柄 1件
9304 東証プライム
3,270
6/28 15:00
+75(%)
時価総額 49,763百万円
東京地盤の倉庫準大手。倉庫業務を柱に港運や陸運、国際輸送も。24.3期3Q累計は海上・航空運賃の下落や貨物取扱量の減少が響き足踏み。今年3月、4月に危険物倉庫が相次いで竣工。横浜市の新倉庫も10月竣工へ。 記:2024/04/12