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エクスモーション Research Memo(2):組込みソフトウェアの品質改善に特化したコンサルティング事業を展開

2019/5/15 15:51 FISCO
*15:51JST エクスモーション Research Memo(2):組込みソフトウェアの品質改善に特化したコンサルティング事業を展開 ■会社概要 1. 事業内容 エクスモーション<4394>は自動車やロボット、医療機器等の製品に組み込まれる「組込みソフトウェア」の品質改善に特化したコンサルティング事業を展開している。具体的には、企業が抱える組込みソフトウェアの様々な問題に対して、当該ソフトウェアの品質診断を行い、問題点を抽出・分析して解決策を提案するだけでなく、実際に顧客の開発現場に同社の社員が入って技術支援を行うことで、プロジェクトを成功に導くまでのサービスを提供している。 特に、売上高の大半を占める自動車業界ではCASE※をテーマとした新たな開発が活発化するなかで、組込みソフトウェアも大規模化・複雑化が加速しており、「システムアーキテクチャ(設計構造)」を根底から見直す作業が必要となっている。また、その際には「設計のしやすさ」だけでなく「テストのしやすさ」「将来の拡張性」「運用・保守」に至るまで様々な利用シーンを考慮して全体最適となるシステム設計を行うことが必要不可欠となるが、こうした技術ノウハウを持ち、かつ開発現場で実際に技術支援サービスを行う企業は他になく、同社に対する引き合いが年々高まっている要因ともなっている。 ※CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電動化)の頭文字を取った造語。現在の自動車業界における開発の中心テーマとなっている。 また、組込みソフトウェアに関する教育事業(トレーニング・セミナー等の人材育成サービス)や、実際に業務で使用する品質診断ツール等の販売も行っているが、これらは同社のコンサルティングサービスを体験してもらうためのドアオープナー的な位置付けとなっており、収益への影響は軽微となっている。人材育成により顧客がスキルアップすれば、同社に対するコンサルティングニーズがなくなるとの見方もあるが、システム設計技術は年々進化しており、また顧客よりも幅広い知識と豊富な品質改善ノウハウを持つことから、同社に対する引き合いはなくならない。実際、直近3ヶ年の受注プロジェクトにおける「継続率+リピート率」は平均で約90%と高水準となっており、同社のサービスが高い評価を受けている証左となる。受注額に関しては、プロジェクトに要する人数・期間で決めており、プロジェクト当たりの粗利率は45~50%を適正水準として設定している。 コンサルティング事業におけるプロジェクトの契約期間は通常3~6ヶ月だが、そのうち約90%が継続し、開発現場の要望で4~5年といった長期で関与する場合もある。契約時期は顧客の決算期の関係もあって4月と10月が多く、このため4月または10月が終わった段階でほぼ半年先までの売上高が見える状況となっている。また、新規顧客の開拓については、顧客企業内の他部署への横展開のほか、毎年11月に開催される組込みシステム技術の展示会に出展することで商談の機会を得ている。 通常、コンサルティング事業ではプロジェクトを管理するコンサルタント1名とコンサルタントの指示で作業を行うエンジニア数名のチームを構成して業務を行っている。コンサルタントは2件程度のプロジェクトを同時並行で担当しており、週の半分をA社、残り半分をB社の開発現場を訪問して業務を行うスタイルが一般的となっている。また、全体の業務時間のうち、1割は最新技術動向に関する情報収集や教育等のスキル向上に充当している。 コンサルティング要員については、自動車業界からのニーズが強くなっていることから2017年以降採用活動を強化し始め、年間7名ペースで増やしてきた。ただ、それでも需要に対して供給が追い付かない状態が続いており、現在は年間10名程度のペースで増員していく計画となっている。同社の場合、コンサルティング要員を採用する際に、当初はエンジニアとして採用し、一定期間(中途採用は1ヶ月、新卒採用は1年)研修を行った後に現場に配属している。 エンジニアからコンサルタントに昇格するには、高度な知識だけでなく、コンサルタントとしての問題解決能力や顧客とのコミュニケーション能力等、多様なスキルが求められる。ハードルは高いものの、プロの技術者としてのやりがいもまた大きく、相応の報酬を得ることも可能となる。一般的にメーカーの開発部門やシステム開発会社では、エンジニアのキャリアアップとして、一定の経験を積めばプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーに昇格するが、その先はマネジメント職しかなく、技術職としてのハイクラスなポジションは用意されていない。同社はこうした経験値の高い優秀な技術者や成長志向の高い技術者等を集結させることで、組込みソフトウェア開発分野のコンサルティング会社としてリーディングカンパニーになることを目指している。2019年4月末におけるコンサルティング要員(コンサルタント及びエンジニア)は48名で、うち、コンサルタントは14名の体制となっている。 なお、同社の業績は新規プロジェクトが4月からスタートするケースが多いこと、人員採用が上期に偏重することなどから、売上高、利益ともにやや下期偏重型となる傾向にある。 2. 同社の強みと主要顧客 同社の強みは、専門性の高い人材により、組込みソフトウェアに特化したコンサルティング事業をワンストップで提供していることにある。特に、コンサルティング業務においては、実際に開発現場で同社社員が品質改善を実践し、顧客と一緒になってプロジェクトを成功に導くオンリーワンのビジネスモデルを構築していることが最大の強みとなっている。競合先としては、IT系コンサルティング会社や受託型SIベンダーなどが挙げられるが、IT系コンサルティグ会社の場合は問題の発見・要因分析から解決策の提案までは行うが、それを実践するのはすべて顧客自身であり、実際に解決できるかどうかは不明である。また、SIベンダーの場合は、受託した部分についての問題解決は可能だが、システム全体を俯瞰できるわけではないので、全体最適によるシステム設計ができない。 このため、同社のコンサルティングサービスは顧客企業から実践的かつ効果的であるとの高い評価を受けており、日本の製造業を代表する大企業、とりわけ自動車メーカーが主要顧客となっている。2018年11月期の売上高構成比で見れば、SUBARUが36.4%、本田技術研究所(ホンダ)が16.4%、ネクスティエレクトロニクス(トヨタ自動車)が15.7%と上位3社で7割近くを占めている。なかでもSUBARUは同社の最大顧客として毎年2~3億円の売上げを安定してキープしている。その他では、電装品や二輪車、農業機械、建設機械、産業機械、音響機器等の分野でも大企業が同社の顧客となっている。なお、2019年4月時点における顧客数は約20社となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SF》
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組込みソフトの品質改善に特化したコンサルティングを展開。自動車業界向けに強み。ソルクシーズ傘下。生成AI支援サービス「CoBrain」の開発に注力。ソフトウェア開発の需要旺盛でコンサル事業の受注は順調。 記:2024/06/07