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後場に注目すべき3つのポイント~配当落ち埋めどころか実質でもマイナス、その背景とは?

2022/3/30 12:13 FISCO
*12:13JST 後場に注目すべき3つのポイント~配当落ち埋めどころか実質でもマイナス、その背景とは? 30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は反落、配当落ち埋めどころか実質でもマイナス、その背景とは? ・ドル・円は下落、円大幅安の巻き戻しも ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がKDDI<9433> ■日経平均は反落、配当落ち埋めどころか実質でもマイナス、その背景とは? 日経平均は反落。358.50円安の27893.92円(出来高概算6億7215万株)で前場の取引を終えている。 29日の米株式市場でNYダウは338.30ドル高と4日続伸。ロシアとウクライナの停戦交渉で大きな進展が報じられ、寄り付き後上昇。2月JOLT求人件数が予想を上回ったことも好感された。長期金利の低下を受けたハイテク株の上昇が相場をけん引し、終日堅調に推移、ナスダック総合指数は+1.84%の大幅続伸となった。ただ、配当落ち(240円程)の影響もあり、本日の日経平均は1.62円安と小安くスタート。しばらく実質ベースでは前日比プラス圏での推移が続いていたが、早い段階で失速すると、28000円を割り込み、実質ベースでもマイナスに転換。その後、円安・ドル高の一服感もあり、引けにかけて軟調な推移が続いた。 個別では、配当落ちによる手仕舞い売りなどから日本郵船<9101>が11%超の急落で、商船三井<9104>も大幅安。ウクライナ情勢の進展を背景とした商品市況の軟化もあり、三菱商事<8058>などの商社株のほか、住友鉱<5713>、INPEX<1605>なども軟調。そのほか、トヨタ自<7203>、任天堂<7974>、OLC<4661>など配当・優待権利落ちの影響が比較的小さい主力株でも冴えないものが多い。一方、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>のほか、米マイクロン・テクノロジーの好決算などを背景にルネサス<6723>、アドバンテスト<6857>などの半導体関連株が上昇。JAL<9201>、資生堂<4911>、アサヒグループ<2502>なども高い。海上輸送用コンテナを対象としたリースファンド事業を組成したFPG<7148>は大幅高で、決算が好感されたパレモ・HD<2778>は急伸している。 セクターでは海運業、鉄鋼、石油・石炭製品などを筆頭にほぼ全面安商状。空運業とゴム製品の2業種のみが上昇となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の76%、対して値上がり銘柄は22%となっている。 前日、ロシアとウクライナの停戦協議で大きな進展があった。ロシア軍は首都キエフと北部チェルニヒフ周辺での軍事作戦を縮小すると発表したほか、ウクライナの欧州連合(EU)への加盟も反対しない姿勢を示したという。これを受け、前日、ロシアと地域的にも経済的にも結び付きの強い欧州の株式市場は大幅に上昇。米国市場も主要株価指数は揃って上昇した。 しかし、そもそも、撤退を発表した地域はそもそもロシア軍がかなり苦戦し、近いうちに撤退が予想されていた地域だ。ロシア交渉官も、「軍事作戦の縮小は停戦を意味するものではない」ともくぎを刺している。米国側も「ロシアが言うことと行うことは別であり、行動を注視する」と慎重な発言をし、「実際に(ロシアが)真剣になっている兆しは見られていない」とも指摘したという。 前日の米株市場では気になった動きもあった。主要株価指数は、ウクライナ情勢を巡る懸念後退で寄り付きは高く始まったものの、すぐに失速し、序盤は低調な動きが長い時間見られた。もともと、欧州ほどにはロシアリスクが大きくないため、相場への影響も限られた、もしくは、最近のロシア軍の動きからある程度織り込み済みだったという見方もできるが、既にロシア軍のウクライナ侵攻前の水準以上に大きく回復した直近の急速リバウンドにより、買い戻しの余地が乏しくなってきたとも言えそうだ。 また、話題にもなったが、米債券市場で10年債利回りが2年債利回りを下回る「逆イールド」が、一時2019年来で初めて発生したことも投資家心理を悪化させ、相場の上値を抑えたといえよう。一方、景気後退入りのサインとして他に有力とされる10年債利回りと3カ月物財務省短期証券(Tビル)の利回り格差はまだプラス圏を維持していることもあり、市場の見方は分かれている様子。また、仮に逆イールドの発生から景気後退入りに繋がるとしても、実際の発生までには1-2年程の時間差があると考えられているのが一般的な見方。そのため、目先の相場への影響はまだ限定的と予想される。 しかし、過去のほとんどの景気後退局面では、その前に2年債と10年債利回り格差の逆イールドが発生しているため、少なくとも今回の一件は投資家心理をかなり悪化させそうだ。相場全体としてリバウンド一服感が見られはじめ、月末にかけての年金基金のリバランス(資産配分の再調整)目的の買いなど需給面での下支えも間もなく消失しようというタイミングで、こうした懸念要素が出てきたことには留意しておきたい。 そのほか、前日はウクライナ情勢を巡るヘッドラインであまり話題にならなかったが、もう一つ注目すべきは、米住宅価格指標の結果だ。前日に発表された1月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数は前年比+19.1%と、12月分(+18.58%)および予想(+18.6%)を大幅に上回り、12月分から再び上向きとなっていたモメンタムを更に加速させた。また、米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した1月FHFA住宅価格指数は前月比+1.6%と、こちらの伸びも12月分(+1.3%)及び予想(+1.2%)を大きく上振れた。 家賃などから成る、米消費者物価指数(CPI)の構成項目である住居費などもV字基調の強い伸びが続いており、一度上がったら下がりにくい下方硬直性を持つ分野でインフレ高進が続いていることは懸念すべき事項だ。この先の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5ptの大幅利上げを正当化する一つの材料になり得よう。市場はすでに5月、6月会合での0.5ptの利上げをそれぞれ7割ほど織り込んでいるが、完全には織り込めていないため、注意すべき点といえる。 また、一昨日の当欄で述べた、BofA(バンク・オブ・アメリカ)証券を中心とした海外勢による先物の買い越し傾向が先週末までの間に一巡してきたという点も、改めて懸念要素として浮かび上がってきた。28日の先物手口では、日中立会のTOPIX先物において、一足先に売り越しに転じはじめていたGS(ゴールドマン・サックス)証券と並び、BofA証券も1000枚超の売り越しに転じていた。そして、昨日29日は両者が共にTOPIX先物で4700枚前後の大幅な売り越しを見せた。長らく大幅な買い越しを見せていたBofA証券をはじめ、海外勢が明確に売り越しの動きを見せてきたことは基調の転換を示唆するという意味で注目すべき点だろう。 実際、今日の日経平均は前引けの時点で28000円割れ、配当落ち分を除いた実質ベースでもマイナスとなっている。ウクライナ情勢の進展を受けた欧米株高を受けて、本日の東京市場は早々に配当落ち分を埋めてくるだろうという強気の予想も多かっただけに、この弱さは気掛かりといえよう。そして、こうした背景には、上述した、これまでの急速リバウンドをけん引してきた海外勢の買い戻し余力が既に乏しくなってきているという点が大きいのではないだろうか。 後場の日経平均も軟調が続くと予想する。香港ハンセン指数などアジア市況は堅調な一方、時間外取引の米株価指数先物はやや軟調に推移。また、これまで日経平均の上昇をけん引してきた要因との解説も多くなされる円安・ドル高も、足元では1ドル=121円台と上昇一服感が鮮明になってきている。海外勢の買い戻し余地の縮小と、円安・ドル高の一服を背景に、日経平均の28000円回復のハードルは高まったと言えそうだ。 ■ドル・円は下落、円大幅安の巻き戻しも 30日午前のアジア市場でドル・円は123円前半から下落し、121円90銭台に値を下げた。ロシアとウクライナの停戦に向けた交渉に進展がみられ、有事のドル買いは後退。一方、最近の大幅な円安を巻き戻す動きもみられ、主要通貨は対円で大きく下げている。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は121円96銭から123円20銭、ユーロ・円は135円48銭から136円67銭、ユーロ・ドルは1.1081ドルから1.1110ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・コアコンセプト・テクノロジー<4371>、モダリス<4883>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がKDDI<9433> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・2月JOLT求人件数:1126.6万件(予想:1100.0万件、1月:1128.3万件) ・米・3月消費者信頼感指数:107.2(予想:107.0、2月:105.7←110.5) ・米・1月FHFA住宅価格指数:前月比+1.6%(予想:+1.2%、12月:+1.3%←+1.2%) ・米・1月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数:前年比+19.1%(予想:+18.6%、12月:+18.58%←+18.56%) 【要人発言】 ・日銀 「今後も市場の動向などを踏まえ、必要に応じオファー日程の追加・増額を実施」 「イールドカーブ全体に強い上昇圧力。長期金利が変動幅の上限を超える恐れがあることなどを考慮」 「連続指値オペ実施とともに金融市場調整方針をしっかり実現する」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
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国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
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時価総額 1,031,637百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
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時価総額 992,712百万円
国内ビール大手のアサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品などを傘下に収める持株会社。欧州、オセアニア、東南アジアでも事業展開。日本は主力ブランドに経営資源投下。オセアニアは商品ポートフォリオを強化。 記:2024/09/01
2778 東証スタンダード
133
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時価総額 1,603百万円
婦人服専門店。ルディックパーク、ギャルフィットなどのブランドを展開。300円均一雑貨ショップ「イルーシー300」なども。アパレルは不採算店舗の見直しを図る。中計では27.2期売上高180億円目指す。 記:2024/05/06
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時価総額 25,206百万円
IoT/AIソリューション「Orizuru」の提供等を行うDX支援サービス、オンサイト開発支援等を行うIT人材調達支援サービスを手掛ける。SAPジャパンとパートナー契約締結。新規顧客獲得などに注力。 記:2024/07/01
4661 東証プライム
3,852
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時価総額 7,004,673百万円
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの運営等を行うテーマパーク事業が主力。ホテル事業や商業施設「イクスピアリ」の運営等も。テーマパーク事業は海外ゲストの回復などで順調。25.3期は2桁増収計画。 記:2024/07/02
4883 東証グロース
93
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-1(%)
時価総額 4,258百万円
ゲノム編集プラットフォーム「CRISPR-GNDM」技術による遺伝性遺伝子疾患の治療薬の研究開発等を手掛ける。MDL-101がリードプログラム。JCRファーマと中枢神経領域における共同研究を行う。 記:2024/08/06
4911 東証プライム
3,986
9/27 15:00
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時価総額 1,594,400百万円
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5713 東証プライム
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大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
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半導体検査装置大手。メモリ用に強い。非メモリ用も強化中。電子ビーム露光装置も。24.3期3Q累計はメモリ向けが1Qを底に上向く。だが非メモリ向けの回復に遅れ。償却費増も利益の重石。総還元性向5割以上目安。 記:2024/04/15
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半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
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時価総額 204,425百万円
独立系金融サービス企業。航空機や船舶、コンテナを対象とするリースファンドの組成、不動産小口化商品の販売等を行う。国内不動産ファンド事業では「GINZA SIX」のワンフロアを取得。配当性向50%目安。 記:2024/05/17
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2,751.5
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時価総額 44,890,687百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
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時価総額 12,958,117百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
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時価総額 13,291,070百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
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5,314
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時価総額 2,711,017百万円
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9104 東証プライム
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時価総額 1,832,862百万円
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9201 東証プライム
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時価総額 1,108,597百万円
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9433 東証プライム
4,769
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9984 東証プライム
9,093
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時価総額 15,666,821百万円
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