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後場に注目すべき3つのポイント~需給影響一服だが決算見極めへ

2021/10/26 12:37 FISCO
*12:37JST 後場に注目すべき3つのポイント~需給影響一服だが決算見極めへ 26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅反発、需給影響一服だが決算見極めへ ・ドル・円はしっかり、正午にかけて一段高 ・値上がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■日経平均は大幅反発、需給影響一服だが決算見極めへ 日経平均は大幅反発。500.16円高の29100.57円(出来高概算6億株)で前場の取引を終えている。 週明け25日の米株式市場でNYダウは続伸し、64ドル高となった。S&P500指数とともに過去最高値を更新。良好な企業決算が続いていることに加え、歳出案についてこれまで反対姿勢だった民主党のマンチン上院議員が週中合意の可能性に言及したことも相場を押し上げた。また、電気自動車(EV)のテスラが初めて時価総額1兆ドルに達し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は+0.90%と反発。このところデジタル広告を巡る懸念から軟調だったフェイスブックも決算を受けて時間外取引で上昇した。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで327円高からスタートすると、朝方には29000円台を回復。その後も上げ幅を広げ、前場中ごろにかけて29145.93円(545.52円高)まで上昇する場面があった。 個別では、日本郵政<6178>が売買代金トップで5%近い上昇。政府保有株の売出価格が決まり、買い戻しが入っているようだ。その他売買代金上位もソフトバンクG<9984>、レーザーテック<6920>、ソニーG<6758>、郵船<9101>など全般堅調で、日経平均への寄与が大きいファーストリテ<9983>、エナジー社合同取材の内容が伝わったパナソニック<6752>、中期経営計画の見直しを発表したNTT<9432>の上げが目立つ。また、東京機<6335>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、キヤノン<7751>が3%近い下落。キヤノンMJ<8060>を中心に上場子会社の決算で収益鈍化が見られ、売り材料視されているようだ。また、ピーシーエー<9629>も決算を受けて急落し、キヤノンMJなどとともに東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、全33業種がプラスとなり、鉄鋼、情報・通信業、輸送用機器、非鉄金属、ゴム製品などが上昇率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の82%、対して値下がり銘柄は13%となっている。 本日の日経平均は大幅反発し、29000円台を回復して前場を折り返した。日足チャートでは、寄り付きから28900円近辺に位置する5日移動平均線や25日移動平均線を上回り、そのまま上げ幅を拡大する格好。ファーストリテが1銘柄で日経平均を約104円押し上げているが、東証1部全体としても8割強の銘柄が上昇する展開だ。パナソニックやNTTは先行きに期待が持てる好材料と言えるだろう。もっとも、ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円弱で、値幅の割に膨らんでいない。キヤノン子会社で製品の供給制約による影響が見られたのも、決算発表シーズンに入り気掛かりな点ではある。 新興市場ではマザーズ指数が+1.69%と5日ぶり反発。FRONTEO<2158>や日本電解<5759>が賑わっている。ただ、日本電解が早々に伸び悩んでいるほか、先週まで人気だったグローバルW<3936>が連日のストップ安。やはり短期志向の投資家中心の売買で、値動きが荒い印象だ。本日マザーズ市場に新規上場したCINC<4378>は公開価格比+28.2%というしっかりした初値形成だったが、市場予想と比べるとやや伸び悩んだ。IPO(新規株式公開)の初値パフォーマンスは好調と言えない状況が続いており、これが個人投資家のセンチメントを最も表しているのかもしれない。昨今、公開価格決定プロセスの見直しが政府を交え進んでいることも影響している可能性がある。 さて、前日は日経平均への寄与が多いソフトバンクGとファーストリテの軟調ぶりが目立ち(日経平均は204.44円安で、この2銘柄が約145円の押し下げ要因)、先物手口を見ると野村証券が日経平均先物の売り越しトップだった。東証株価指数はクレディ・スイス証券などが買い越し、BofA証券などが売り越しとまちまち。現物株はというと、東証1部売買代金が2兆2792億円と8月27日以来の低水準だった。 先週後半からこうした日系証券の日経平均先物売りが見られたが、日本郵政の大型売出しに絡んだものとの見方が有力だった。日本株が海外株に比べ軟調だった大きな理由として挙げられるだろう。決算発表の本格化を前に現物株の売買がやや低調だったため、先物売りの影響が大きく出やすかったと考えられる。先週の当欄で「(相場が)需給的に大きく振れやすい」と述べたとおりだ。本日は一転してソフトバンクGやファーストリテが堅調なところを見ると、日本郵政の売出価格決定とともに日経平均先物にも買い戻しが入っているのだろう。日本株は需給イベントの影響が一服し、出遅れ分を取り戻そうとする動きにつながった。 しかし、先週の当欄でも指摘したが、日経平均が29000円を上回る局面ではPBR(株価純資産倍率)が1.3倍台に上昇し、3月決算企業の通期決算発表が一巡した5月半ば以降で最も高い水準となる(日経平均算出ルール変更や銘柄入れ替えの影響は考慮していないが)。米企業の好決算を横目に市場の期待はまずまず高まっているとみられ、ひとまずこの水準で実際の決算を見極めたいとのムードが出てくるだろう。 また、31日の衆院選投開票を前に持ち高を減らしたいという声も個人投資家などから聞かれる。一部メディアが選挙戦中盤の情勢を報じており、自民党が当初予測から議席減少幅を縮小しそうだが、24日投開票の参院補欠選挙が「1勝1敗」という結果だったことから、与党苦戦への懸念は拭いづらいだろう。従前TOPIX先物を買い戻していたBofA証券が再び売り越してきたところを見ると、海外投資家にも政治の先行き不透明感が意識されている可能性はある。 現在、香港ハンセン指数は小幅反落で推移。本日は国内で日本電産<6594>やキヤノンの決算発表があり、米国でも9月の新築住宅販売件数や10月の消費者信頼感指数、それにアルファベットやマイクロソフトなどの決算が発表される。後場の取引では徐々に様子見ムードが強まるとみておきたい。 (小林大純) ■ドル・円はしっかり、正午にかけて一段高 26日午前の東京市場でドル・円はしっかりの値動きとなり、113円半ばから114円付近まで水準を切り上げた。日経平均株価の大幅高を受け、リスク選好的な円売りが主要通貨を押し上げた。また、米10年債利回りは前日の低下から持ち直しつつあり、ドルは正午にかけて一段高となった。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は113円68銭から113円95銭、ユーロ・円は131円97銭から132円12銭、ユーロ・ドルは1.1597ドルから1.1613ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・SDSホールディングス<1711>、シーズメン<3083>の、2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・9月シカゴ連銀全米活動指数:-0.13(予想0.2、8月:0.05←0.29) ・米・10月ダラス連銀製造業活動指数:14.6(予想:6.0、9月:4.6) 【要人発言】 ・バイデン米大統領 「今週中に民主党が歳出案で合意に達することを期待」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 20件
1711 東証スタンダード
271
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 2,665百万円
省エネルギーソリューションの提供等を行う省電舎、リノベーションによる住宅販売等を行うイエローキャピタルオーケストラなどを傘下に収める持株会社。売電収入の獲得図る。中計では26.3期売上高46億円目標。 記:2024/08/26
2158 東証グロース
600
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 23,614百万円
eディスカバリサービスなどのリーガルテックAI事業が主力。不正検知システム「KIBIT Eye」などを手掛けるAIソリューション事業も展開。塩野義製薬と業務提携。リーガルテックAI事業は受注数が着実増。 記:2024/10/13
3083 東証スタンダード
796
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 3,307百万円
カジュアルファッションの「METHOD」、和柄専門の「流儀圧搾」の運営等を行う。エスニックファッション・雑貨の「チチカカ」を傘下に収める。集客イベント等で客数増図る。事業ポートフォリオの多様化進める。 記:2024/10/24
3936 東証グロース
119
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 4,335百万円
クラウドプラットフォーム構築支援やセールスフォースの導入支援、人材転職サービスの提供、転職口コミサイト「キャリコネ」を運営。。プラットフォームはDX支援が堅調。人件費や開発費重し。継続前提重要事象。 記:2024/08/08
4378 東証グロース
684
11/22 15:30
+6(%)
時価総額 2,300百万円
マーケティングの調査・分析・運用ツール「Keywordmap」の提供等を行う。マーケティングコンサル等のアナリティクス事業も手掛ける。ソリューション事業は営業体制強化により、新規案件の獲得が回復傾向。 記:2024/10/25
5759 東証グロース
571
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 5,762百万円
電解銅箔メーカー。車載電池用銅箔で国内トップシェア。半導体パッケージ用など回路基板用銅箔も。高性能車載電池用銅箔、高周波基板用銅箔に注力。車載電池用銅箔は既存取引先の需要増などで受注の増加を見込む。 記:2024/07/02
6178 東証プライム
1,464.5
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 5,518,046百万円
日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を傘下に収める日本郵政グループの持株会社。約2万4千局の郵便局ネットワークを持つ。郵便・物流事業、不動産事業に資源を積極投入。アジア中心にロジスティクス事業を強化。 記:2024/10/04
6335 東証スタンダード
350
11/22 15:30
-5(%)
時価総額 3,055百万円
国内最大手の新聞印刷機メーカー。1874年創業。国内主要新聞社などが主要取引先。商業印刷用輪転機、自動化・省力化機器等も手掛ける。新規事業の拡大等に注力。自律走行清掃ロボットを西尾レントオールと共同開発。 記:2024/06/29
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
1,551
11/22 15:30
+31(%)
時価総額 3,806,846百万円
電機大手のパナソニックを中核とする持株会社。1918年創業。家電や住宅設備、AV機器、デジカメ、電子部品、産業電池・車載用電池等を手掛ける。配当性向30%目安。車載電池、空質空調等を投資領域に位置付け。 記:2024/09/02
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7751 東証プライム
5,054
11/22 15:30
+61(%)
時価総額 6,740,838百万円
精密機器大手。1937年設立。オフィス複合機やレンズ交換式カメラ、FPD露光装置などで世界トップシェア。バランスの取れた事業構造が強み。海外売上比率は7割超。商業印刷、産業印刷分野はラインアップ強化図る。 記:2024/10/21
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
4,720
11/22 15:30
-28(%)
時価総額 524,298百万円
デジタルカメラ、デジタル複合機などキヤノン製品の国内販売を行う。業務支援ソリューション、ITセキュリティソリューション等も手掛ける。ITソリューション事業を成長事業に位置付け。注力領域の拡大を進める。 記:2024/08/12
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9432 東証プライム
156
11/22 15:30
-0.9(%)
時価総額 14,125,849百万円
国内最大の通信会社。NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータグループなどを傘下に持つ。研究開発部門を有する点が特徴。データセンターを拡張。コンシューマ通信事業では顧客基盤の強化を推進。 記:2024/10/10
9629 東証プライム
2,029
11/22 15:30
+44(%)
時価総額 44,638百万円
独立系ソフト会社。PCAクラウドやPCAHubなどサブスク型基幹業務システムの開発・販売を行う。PCAクラウドシリーズの利用法人数は2.3万法人超。パッケージ版「PCAソフト」の販売は24年3月末で終了。 記:2024/10/21
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17