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後場に注目すべき3つのポイント~IPOに見る「相場観」と「投資機会」

2021/6/29 12:26 FISCO
*12:26JST 後場に注目すべき3つのポイント~IPOに見る「相場観」と「投資機会」 29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は続落、IPOに見る「相場観」と「投資機会」 ・ドル・円は弱含み、月末のフローで ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■日経平均は続落、IPOに見る「相場観」と「投資機会」 日経平均は続落。256.82円安の28791.20円(出来高概算4億7000万株)で前場の取引を終えている。 週明け28日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反落し、150ドル安となった。バイデン政権と超党派議員で合意したインフラ計画の実現に懐疑的な見方が広がり、航空機のボーイングの下落なども重しとなった。一方、長期金利の低下でハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1.0%の上昇となり、過去最高値を更新。本日の東京市場でも半導体関連などの値がさハイテク株に買いが入ったものの、NYダウの下落が嫌気され、日経平均は120円安からスタートした。朝方には28735.81円(312.21円安)まで下落する場面があり、その後も週末の米6月雇用統計など各種経済指標の発表を前に積極的な押し目買いの動きは限られ、軟調な展開だった。なお、6月末の配当権利落ちの影響がおよそ28円ある。 個別では、ソフトバンクG<9984>が2%の下落となっており、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、三菱UFJ<8306>などのメガバンク株も軟調。配当権利落ちのJT<2914>は3%超、原油安が嫌気されたINPEX<1605>は4%超下落している。象印マホービン<7965>は好決算ながら業績修正済みとあって売りに押され、ヒマラヤ<7514>も材料出尽くし感から東証1部下落率上位に顔を出している。一方、レーザーテック<6920>、任天堂<7974>、ソニーG<6758>、東エレク<8035>は小じっかり。独通信大手から5G(次世代通信規格)通信網を受注したNEC<6701>は4%超、決算が好感されたしまむら<8227>は6%近く上昇している。外資系証券の投資判断引き上げが観測されたシスメックス<6869>も上げ目立つ。また、アジア投資<8518>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、鉱業、ゴム製品、ガラス・土石製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは精密機器と電気機器の2業種のみだった。東証1部の値下がり銘柄は全体の79%、対して値上がり銘柄は18%となっている。 本日の日経平均は29000円を下回ってスタートすると、200円超の下落で前場を折り返した。なぜか日本では報道が少ないものの、米インフラ計画を巡って早くもさや当てが始まったようだ。インフラ計画と民主党の要求するその他支出案が「一体でないと署名しない」などとバイデン大統領が発言。共和党上院トップのマコネル院内総務が合意順守を要求し、バイデン氏は釈明に追われることとなった。25日の当欄で述べたとおり、独立記念日に伴う休会入り(25日)より前に合意したい事情があったとみられ、今後も財源などを巡って紆余曲折があることは容易に想像できる。当初の2.3兆ドルから1兆ドル規模まで縮小した計画でこの有り様なら、やはり大規模な経済対策は期待しづらい。 新型コロナウイルス感染再拡大への懸念も相まって、世界経済拡大への期待は失速気味なのだろう。日経平均は29000円台を維持できず、また上値を切り下げる格好となった。底堅さを強調していた市場関係者には残念な動きかもしれない。今週は月末月初とあって米6月雇用統計など経済指標の発表が多く、これらの内容を見極めたいという思惑はもちろんあるだろう。しかし、いつも「~~待ち」という説明を繰り返しているうちに、日経平均は4カ月以上も年初来高値を更新できずにいる。 改めて強調するが、仮に強めの経済指標が飛び出してきたとしても、コロナ禍からの回復ペース鈍化や経済対策効果の息切れから「これがピーク」と受け止める向きが増えてきたのが重要なのである。また、先の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受け、「米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に動く可能性がある」と意識された点ももう1つのポイントだ。結果、「衆目一致で」景気高揚に期待することは難しくなってしまった。日経平均は上値切り下げトレンドを脱せず、底堅くとも「アップサイドに乏しい」なら投資家は積極的に買い参加してこない。堅調なのは世界的にインターネットサービスを席巻する米ハイテク企業ばかりである。 相場全体のアップサイド期待が低下している影響を顕著に受けているのはIPO(新規株式公開)かもしれない。6月後半のIPOラッシュ終盤に入り、買い疲れ感も相まって需給主導で初値を飛ばす銘柄は限られるようになった。こうしたなか、前日から人気化しているのが25日上場の日本電解<5759>であり、本日堅調な初値を付けたのがOPS<7699>だ。日本電解は電解銅箔を、OPSはプラスチック製品を手掛ける。公募・売出規模などには大きな違いがあるが、両社共通しているのは新興株として上場しながら大手企業並みの株価バリュエーションで公開価格設定されたことだろう。 つまり、IPO銘柄を積極取引する投資家もバリュエーション重視に舵を切りつつあるということだ。昨年10月までのマザーズ指数の上昇局面では、PER(株価収益率)を100倍超まで切り上げるIT関連のIPO銘柄がざらにあった。それも「市場全体にバリュエーションの一段の向上が期待できる」との見方が背景にあったからこそだろう。こうした期待が薄れつつあるなか、「IPO銘柄の価格設定のあや」に活路を見出す投資家が増えてきたのだと考えられる。 ちなみに日本電解は公開価格(1900円)が仮条件(1800円~2480円)の上限に決まらず、価格決定過程を人気度そのものと捉える向きから「不人気」とのレッテルが貼られていた。しかし、公開価格は需要家(投資家)と発行企業双方への配慮のバランスから決まるもので、「仮条件のどこで決まったか」というのはそのバランスをどのようにとったか考察するうえでの材料の1つに過ぎない。人気度そのものと捉えるのは誤りだろう。今後のIPO改革のためにも、幅広い価格帯を提示して投資家にゆだねるやり方への理解が進むことに期待したい。 (小林大純) ■ドル・円は弱含み、月末のフローで 29日午前の東京市場でドル・円は弱含み、110円半ばでやや値を下げた。日経平均株価の軟調地合いで円買いに振れやすいなか、国内勢による月末のフローが強まった。今晩の米株安観測も円買いを支援。全般的に安全通貨買いに振れ、ドル・円は売り一服後はもみ合いに。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円45銭から110円65銭、ユーロ・円は131円61銭から132円00銭、ユーロ・ドルは1.1913ドルから1.1930ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・スリー・ディー・マトリックス<7777>、白洋舍<9731>の2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・5月有効求人倍率:1.09倍(予想:1.08倍、4月:1.09倍) ・日・5月失業率:3.0%(予想:2.9%、4月:2.8%) 【要人発言】 ・クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長 「労働参加者は、パンデミック前の水準に戻る必要はない、べビーブーム世代が退職するため」 「海外の中銀発行デジタル通貨がドルの外貨準備通貨としての地位を脅かす可能性は少ない」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 20件
1605 東証プライム
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時価総額 3,240,641百万円
原油・ガス開発生産で国内最大手。世界20カ国以上で約70の石油・天然ガスプロジェクトを展開。水素・アンモニアなどネットゼロ分野を育成。アブダビでe-メタン製造事業の共同調査に参画。23.12期は足踏み。 記:2024/02/29
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5759 東証グロース
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大手車載電池用銅箔メーカー。車載電池用や5G回路基板用などの電解銅箔を展開。車載電池用銅箔市場で国内トップシェア、北米でも首位級。パナソニックが主要顧客。IRA法の影響による輸出減で、3Q累計は足踏み。 記:2024/02/23
6701 東証プライム
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大手ITサービス会社。システム構築やコンサル、サポート等のITサービスと、テレコムサービスや航空宇宙防衛の社会インフラが柱。通信インフラで国内トップ。今期3Q累計はITサービスと航空宇宙防衛が堅調に推移。 記:2024/03/09
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時価総額 16,469,731百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や半導体画像センサに強み。モバイル機器向けイメージセンサーは販売数量が伸びる。映画分野は劇場興行収入などが増加。金融ビジネス収入は大幅増。24.3期3Q累計は2桁増収。 記:2024/02/22
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6920 東証プライム
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時価総額 3,834,612百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
7203 東証プライム
3,581
5/2 15:00
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時価総額 58,423,968百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7514 東証スタンダード
913
5/2 15:00
±0(%)
時価総額 11,249百万円
スポーツ用品店大手。ゴルフ用品業態も。地盤の岐阜県から全国に展開。24.8期1Qはキャンプ用品やゴルフ用品のブーム需要が一巡。暖冬による秋冬衣料の値下げ販売増も利益押し下げ要因に。通期では増収増益を計画。 記:2024/02/07
529
5/2 13:53
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時価総額 0百万円
シンガポールに拠点を置く機能性樹脂の販売会社。開発・製造も。売上の大半が東南アジア向け。伊藤忠商事と親密。24.3期上期は汎用樹脂、機能性樹脂ともに需要が冴えず。金利上昇に伴う金融費用増も最終益の重石に。 記:2024/01/17
120
5/2 15:00
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時価総額 9,522百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材はドイツで販売好調。24.4期3Qは大幅増収、損益改善。 記:2024/04/16
7965 東証プライム
1,540
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時価総額 111,804百万円
調理家電メーカー。炊飯ジャー、電気ポット、オーブントースター、ホットプレート、オーブンレンジに加え、リビング製品や生活家電も展開。ステンレススープジャーやステンレスポットの好調で、23.11期は増収増益。 記:2024/02/27
7974 東証プライム
7,575
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時価総額 9,837,577百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。当期ミリオンセラータイトル数は自社17、他社7の計24本。新作タイトル好調や円安で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/27
8035 東証プライム
35,010
5/2 15:00
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時価総額 16,511,871百万円
世界的半導体製造装置メーカー。半導体の成膜や洗浄の前工程からテストまでの製造装置を展開。リソグラフィーでトップシェア。24.3期3Q累計はウェーハボンディング/デボンディング装置の量産受注が拡大。 記:2024/02/24
8227 東証プライム
7,742
5/2 15:00
+28(%)
時価総額 571,569百万円
衣料量販店「ファッションセターしまむら」を運営。低価格の衣料に強み。若者向け業態「アベイル」やベビー業態「バースデイ」も展開。アプリ会員は500万人超。品揃え拡充や地域対応強化が奏功し3Q累計は増収増益。 記:2024/01/26
1,554
5/2 15:00
-9.5(%)
時価総額 20,640,220百万円
国内最大の金融グループ。傘下に三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJニコス、三菱UFJモルガンスタンレー証券。アセットマネジメント事業を強化。金利上昇や国内外の預貸金収益増加で3Q累計は利益急伸。 記:2024/02/28
8518 東証スタンダード
229
5/2 15:00
-1(%)
時価総額 4,095百万円
日本とアジアの中堅・中小企業が投資対象の独立系ベンチャーキャピタル。24.3期3Q累計は株式やプロジェクトの売却が少ない。事業継承ファンドを総額51億円で組成完了。来年2月竣工を目指して物流施設を建設へ。 記:2024/04/12
9731 東証スタンダード
2,499
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時価総額 9,746百万円
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9983 東証プライム
40,820
5/2 15:00
-370(%)
時価総額 12,989,781百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。24.8期1Qは2桁増収増益。海外ユニクロ事業は堅調。マーケティング強化等が奏功し、中国大陸は販売好調。 記:2024/01/27
9984 東証プライム
7,793
5/2 15:00
+4(%)
時価総額 13,426,981百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10