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米国株式市場見通し:月末・四半期末に向けた調整

2021/3/20 14:19 FISCO
*14:19JST 米国株式市場見通し:月末・四半期末に向けた調整 長期金利の動向を睨む展開が続きそうだ。3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の仕入れ価格は1980年3月来の高水準に達するなど、市場では30年ぶりの高インフレへの警戒感も強まり始めている。パウエル議長が現時点で長期金利の上昇に懸念を表明せず、容認していると捉えられており、金利の一段の上昇がハイテク株を引き続き圧迫しそうだ。また、月末・四半期に向けたリバランスの動きに拍車がかかる可能性にも注視したい。同時に、バイデン政権の1.9兆ドル規模の追加経済対策に含まれる1400ドル規模の国民への直接資金供給が開始された。この資金の一部が株式市場に流入することを考慮すると、今後、2週間が良い買い場探しになる可能性がありそうだ。 ワクチンの接種が全米で順調に進んでいることが奏功し、経済が夏にも一段と正常な状態に近づくと期待されており、今後も景気循環株を支援するだろう。ニューヨーク州は4月1日からコンサートの開催に加えて、野球場での観覧を認める。また、映画館を運営するAMCエンタテ—メントはカリフォルニア州での営業再開を受け、全米98%の営業を再開。26日までには99%の営業が再開されることを明らかにした。さらに、バイデン政権は5月中旬にもメキシコ、カナダ、英国、欧州との間の渡航制限緩和を検討していると報じられており、経済活動の再開も着々と進む。 経済指標では、2月シカゴ連銀全米活動指数、2月中古住宅販売件数(22日)、2月新築住宅販売件数、3月リッチモンド連銀製造業指数(23日)、2月耐久財受注(24日)、新規失業保険申請件数、10-12月期国内総生産(GDP)確定値(25日)、2月PCEコアデフレーター、3月ミシガン大消費者信頼感指数確定値(26日)が予定されている。インフレ上昇懸念が強まる中、FRBがインフレ指標として特に注視している2月PCEコアデフレーターに注目したい。エコノミストの平均予想は前期比年率1.5%と1月と同水準にとどまる見通し。FRBが目標としている2%には程遠い。予想通りの結果となれば、FRBの慎重な方針を正当化する。高インフレへの脅威も緩和し相場を支援することになるだろう。 さらに、パウエルFRB議長は22-25日に開催される国際決済銀行(BIS)サミットに参加。23日、24日にはイエレン財務長官と上下両議会でパンデミック対応の経済対策に関する四半期に一回のビデオ公聴会を予定している。議長は経済には引き続き大規模な金融・財政支援が必要であることを主張すると見られ、相場の好材料になりそうだ。FRBは2021年のGDP成長率見通しを6.5%に引き上げたが、議長は労働市場や回復には依然かなりのたるみが存続しており、2021年の経済も大規模な追加経済対策やワクチンといった一過性の要因で押し上げられるが、かなりの不確実性があり、政策目標達成には「程遠い」と慎重だ。 企業決算では、ソフトウエアメーカーのアドビ(23日)、ゲーム販売会社のゲームストップ(23日)、食品メーカーのゼネラルミルズ、家具の販売会社RH、建設会社のKBホームズ(24日)、レストランチェーンを運営するダーデン・レストランツ、ライオット・ブロックチェーン(25日)、などが予定されている。短期投機の対象となっているゲームストップの決算では一株当たり利益前年比増が予想されており、株価を支える可能性もある。しかし、発表前後では、投機色がさらに強まる可能性には警戒が必要だ。住宅市場が依然堅調であるため、RHやKBホームズの決算でも一株当たり利益前年同期比増が予想されており、期待したい。 (Horiko Capital Management LLC) 《FA》