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後場に注目すべき3つのポイント~米長期金利上昇を警戒するムードも

2021/2/22 12:31 FISCO
*12:31JST 後場に注目すべき3つのポイント~米長期金利上昇を警戒するムードも 22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日ぶり反発、米長期金利上昇を警戒するムードも ・ドル・円は小じっかり、アジア株高で円売り ・値上がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がソフトバンクG<9984> ■日経平均は4日ぶり反発、米長期金利上昇を警戒するムードも 日経平均は4日ぶり反発。232.91円高の30250.83円(出来高概算6億4820万株)で前場の取引を終えている。 前週末19日の米国株式市場は小幅反発。ダウ平均は0.98ドル高の31494.32ドル、ナスダックは9.11ポイント高の13874.46で取引を終了した。追加経済対策やワクチン接種ペースの加速で経済活動の再開に勢いがつくとの期待が強まり、ダウ平均は日中取引で史上最高値を更新。一方で、長期金利の上昇が市場心理を冷やし、引けにかけて失速した。 米国株式相場を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。米国経済の先行き楽観ムードに加え、日本でもワクチン接種が始まり経済活動の本格再開が期待され、株価支援要因となった。また先週末までの3日続落で日経平均が400円を超す下げとなったこともあり、値ごろ感からの買いも入りやすかった。一方、明日が天皇誕生日で休場となることもあり積極的な買いを手控える向きもあり、また、米長期金利の上昇を警戒するムードもあり、日経平均は前場中頃からはやや上値の重い展開となった。 個別では、21年12月期の営業損益黒字化予想を発表したセーラー<7992>、ビットコインの時価総額が1兆ドル突破との報道が手掛かりとなったマネックスG<8698>、連結子会社の新規上場が承認され所有株式を一部売出すと発表したオーケストラ<6533>が10%を超す大幅高となったほか、中国で半導体製造プロセス用パーツを増産すると日刊工業新聞などで報じられたフェローテク<6890>、株式分割を発表したJFEシステムズ<4832>が上げた。また、コロナ収束後の業績回復が期待されたJAL<9201>やANA<9202>など空運株や、先週末19日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%超上昇したことなどが手掛かりとなった東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体関連株の一角なども堅調だった。 一方、21年12月期営業利益が前期比28.3%減予想と発表したアップル<2788>、公募増資と株式売出しを発表し1株価値の希薄化と株式需給の悪化が懸念されたBr.HD<1726>、海外での株式売出しを発表し株式需給の悪化が懸念された日清食HD<2897>などが下げた。 セクターでは、空運業、非鉄金属、金属製品、海運業、鉱業などが値上がり率上位。一方、精密機器、その他製品、食料品、医薬品が値下がりした。東証1部の値上がり銘柄は全体の76%、対して値下がり銘柄は20%となっている。 先週は日経平均が一時30000円の大台に乗せ、ニュースでも、バブル相場以降の高値を30年半ぶりに上回ったと報じられていた。この機会に、今回の状況と、バブル相場で高値となった当時を比べてみる。今回の高値は先週16日の30467円(終値ベース、以下同じ)。バブル相場時の高値(1989年12月29日の38915円)を21%下回っている。ところが、一部で指摘されているが、これをドル建てに換算すると、先週の日経平均はバブル相場時の高値を6%ほど上回っている。当時に比べ為替が円高・ドル安に振れているためだ。 業種別に少し細かく見てみる。日経500種平均株価(業種別日経平均株価)を使う。36業種のうち、先週16日にバブル相場時の高値をドル建てで上回ったのは6業種。上昇率が最も大きいのは精密機器で、バブル相場当時の6.5倍になっている。次いで電気機器が3.0倍、以下、商社、医薬品、小売業、自動車。逆に、バブル相場時を大きく下回っているのが空運。当時と比べ96%も低い水準だ。次に造船が91%下落。このほか、海運、鉱業、銀行、鉄鋼が80%を超す下落となっている。空運はコロナの影響も大きいが、やはり、韓国や中国などの新興勢との競争に苦しんだ業種が厳しい。 一方、米国株を見ると、1989年12月のダウ平均は2753ドル。先週は当時の11倍を超す水準にある。日米のパフォーマンス格差は歴然だ。ただ、ここで注意をしなければならないのは、日経平均にしろダウ平均にしろ、当時とは銘柄が入れ替わっており、上記の業種別指数も含め、30年以上前の当時と現在では、指数の構成銘柄はかなり異なっているということだ。この点、機会があればもう少し考えてみたい。 さて、後場の東京市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。景気回復期待を背景にした相場の先高観は引き続き強い。一方、先週末まで日経平均は3日続落となったものの、今日の前場で25日移動平均線との乖離率はプラス4%台と依然やや高く、日柄調整が必要との指摘もある。東京市場は明日が天皇誕生日の休場となることに加え、23-24日にはパウエルFRB議長の米上下両院での議会証言が予定されており、証言を受けた米長期金利の動向を見極めたいとする向きもあり、やや様子見ムードが広がる可能性もありそうだ。 (小山 眞一) ■ドル・円は小じっかり、アジア株高で円売り 22日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。仲値にかけてやや値を下げる場面もあったが、日経平均株価は前週末比200円超高の堅調地合いを維持し、リスク選好的な円売りに振れやすい。また、上海総合指数のプラス圏推移など、アジア株株高も円売りを支援する。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は105円39銭から105円74銭、ユーロ・円は127円68銭から128円13銭、ユーロ・ドルは1.2115ドルから1.2136ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・セレス<3696>、リミックスポイント<3825>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・2月製造業PMI速報値:58.5(予想:58.8、1月:59.2) ・米・2月サービス業PMI速報値:58.9(予想:58.0、1月:58.3) ・米・2月総合PMI速報値:58.8(1月:58.7) ・米・1月中古住宅販売件数:669万戸(予想:660万戸、12月:665万戸←676万戸) ・カナダ・12月小売売上高:前月比-3.4(予想:-2.6%、11月:+1.3%) 【要人発言】 ・米S&P 「新型コロナウイルスの封じ込めを受け、NZの経済回復は他の主要国よりも早い」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 15件
343
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 15,708百万円
PC構造物の設計・施工等を行う極東興和、東日本コンクリートなどを傘下に収める持株会社。広島県広島市に本社。橋梁、鉄道向けなどで実績。コンクリート二次製品の製造・販売等も。大型プロジェクトへの積極参入図る。 記:2024/08/26
2788 東証スタンダード
457
11/22 15:30
-6(%)
時価総額 6,334百万円
中古車輸出事業、中古車買取・販売事業を展開。三重県四日市に本社。中古車輸出販売は東南アジア諸国が主要マーケット。時計などのブランド品買取事業を開始。中古車輸出事業では東南アジア中心に販路拡大図る。 記:2024/09/02
3,829
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 1,181,572百万円
即席麺大手。「チキンラーメン」や「カップヌードル」、「どん兵衛」など有力ブランド多数。海外開拓を強化。医薬品の研究開発も行い、冷凍食品や菓子、シリアルも展開。明星食品は傘下。国内外で伸長し、原料高こなす。 記:2024/06/05
3696 東証プライム
2,640
11/22 15:30
+311(%)
時価総額 31,904百万円
国内最大級のポイントサイト「モッピー」の運営等を行うモバイルサービス事業が主力。DX化支援、ブロックチェーン関連事業等も。モッピーの会員数は525万人超。ブロックチェーン関連はステーキングサービスが順調。 記:2024/06/15
3825 東証スタンダード
416
11/22 15:30
+80(%)
時価総額 51,055百万円
電力小売りが柱。住宅用蓄電池の販売や省エネコンサルも。仮想通貨関連、中古車販売から撤退の一方、歯科・医科特化のコンサル会社を取得。電力小売りは卸市況安定し採算改善。蓄電池は小型機拡販へ代理店増やす。 記:2024/08/06
4832 東証スタンダード
3,005
11/22 15:30
-15(%)
時価総額 47,197百万円
JFEスチール傘下の情報システム会社。1983年に旧川崎製鉄のシステム部門から分離して誕生。電子帳票パッケージで企業シェアトップ。配当性向35%目途。ソリューションビジネス、DX新規ビジネスの拡大に注力。 記:2024/10/29
6533 東証プライム
874
11/22 15:30
+16(%)
時価総額 8,770百万円
デジタルトランスフォーメーション事業、運用型広告中心のデジタルマーケティング事業が柱。Sharing Innovations等を傘下に収める。スキルナビのSaaS事業も。DX事業はサービス領域の拡充図る。 記:2024/08/10
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
2,475
11/22 15:30
-41(%)
時価総額 116,617百万円
真空シール、石英製品、セラミックス製品等の製造・販売を行う半導体等装置関連事業が主力。サーモモジュール、パワー半導体用基板等の電子デバイス事業も。デジタル化・自動化の推進などで生産効率の向上を図る。 記:2024/10/06
7992 東証スタンダード
107
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 3,174百万円
高級万年筆・筆記具等を手掛ける文具メーカー。1911年に広島県呉市で創業。事務用品メーカーのプラス傘下。取出ロボット、自動化装置の製造等も。文具事業は高付加価値製品群を拡充。26.12期売上60億円目標。 記:2024/06/25
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
9201 東証プライム
2,413
11/22 15:30
+23(%)
時価総額 1,054,828百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9202 東証プライム
2,838
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 1,374,426百万円
国内最大手の航空会社。全日本空輸(ANA)が中核。ピーチ、エアージャパンなども傘下に持つ。航空事業のほか、旅行事業、商社事業等も手掛ける。国際線、国内線ともに旅客需要増。貨物事業の拡大等に取り組む。 記:2024/08/02
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17