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後場に注目すべき3つのポイント~あれこれ模索もなお「株は買い」ムード

2021/2/9 12:26 FISCO
*12:26JST 後場に注目すべき3つのポイント~あれこれ模索もなお「株は買い」ムード 9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日続伸、あれこれ模索もなお「株は買い」ムード ・ドル・円は弱含み、ドル売り先行で105円割れ ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■日経平均は3日続伸、あれこれ模索もなお「株は買い」ムード 日経平均は3日続伸。109.01円高の29497.51円(出来高概算7億4000万株)で前場の取引を終えている。 週明け8日の米株式市場でNYダウは6日続伸し、237ドル高となった。S&P500指数、ナスダック総合指数をあわせた主要3指数は揃って過去最高値を更新。イエレン財務長官が「追加経済対策が成立すれば、来年には完全雇用に戻る」と述べるなど、追加経済対策の早期成立への期待が一段と高まった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで47円高からスタート。5日、8日の2日間で1000円を超える大幅な上昇となった後だけに、利益確定の売りも出て朝方マイナスに転じる場面があったが、企業業績の持ち直しなどから先高期待は根強く、前場に一時29585.75円(197.25円高)まで上昇した。 個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで3%超の上昇。第3四半期までの純利益が3兆円を超え、投資事業の好調がポジティブ視された。その他ではファーストリテ<9983>、村田製<6981>、日本電産<6594>、東エレク<8035>などが堅調で、トヨタ自<7203>は小じっかり。英社買収を正式発表したルネサス<6723>は評価の声が多く、一転2%を超える上昇。決算発表銘柄ではポーラオルHD<4927>などが急伸し、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの急騰を受けて関連銘柄も東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、ソニー<6758>や任天堂<7974>の軟調ぶりが目立ち、エムスリー<2413>は小安い。決算発表銘柄では太陽誘電<6976>やバンナムHD<7832>が売られ、MDV<3902>などが東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、鉱業、空運業、証券などが上昇率上位。半面、その他金融業、その他製品、鉄鋼などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の34%、対して値下がり銘柄は62%となっている。 本日の日経平均は3ケタの上昇で前場を折り返した。ただ、ソフトバンクGとファーストリテの2銘柄で約127円の押し上げ要因となっており、堅調な値がさ株によるところが大きそうだ。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、東証株価指数(TOPIX)は0.04%と小幅な上昇。5日、8日の2日間で1000円を超える大幅な上昇を演じた後だけに、利益確定の売りが出やすいところだろう。 前日の日経平均は市場関係者の朝方の想定を大きく上回り、600円超の上昇となった。東証1部売買代金は3兆1898億円に膨らみ、引き続き現物株の買い意欲が強かったことが窺えるが、注目したいのは株価指数先物だ。前週やや低調だった売買高が膨らむとともに、外資系証券が買い越し上位に多く顔を出した。先週末5日の当欄で述べた「先物の買い戻しが鈍く、金融市場の落ち着きとともに売り持ち解消の動きが一段と広がる可能性がある」との予想が早々に現実となった格好だろう。ただ、海外勢による一段の買い戻し余地は低下したと言えるかもしれない。 また、前日のネット証券売買代金ランキングでは日経レバETF<1570>が明確に売り超となっていた。前週の反発局面で個人投資家は積極的に日経レバETFを買っていたが、こうした投資家はその後の急ピッチの上昇を受けて利益確定しているのだろう。さらに信用取引の状況を見ると、足元売り持ちに転じる向きが多いようだ。 一方で日経レバETFの純資産総額は価格上昇並みに増加しており、買い手もいるのだろう。米国で民主党政権による大規模な経済対策の実現が見込まれるなか、長期金利の先高観(=債券価格の下落)が根強く、金融機関などで債券の運用比率を引き下げるとともに株式の比率を引き上げる動きが出てきているのかもしれない。 個別株の物色動向からは、「ここから買える銘柄」の模索に苦心する投資家の姿が透けて見える。グロース(成長)株、バリュー(割安)株とも過去のPBR(株価純資産倍率)推移などから見れば「まずまずいいところまで上昇してきた」感が拭えない。いきおい、コロナ禍の影響でなお出遅れ感の残る空運株や原油関連銘柄に物色の矛先が向きやすいのだろう。新興市場でも見込んでいたとおり、5日上場のQDレーザ<6613>が買いを集め続け、初値後も大幅高となっている。こうした局面では、上値の節目がないだけにIPO(新規株式公開)銘柄が買いを集めやすい。 それでも、やはり全体としてはなお「株は買い」とのムードが強いと言えるだろう。短期的に「強気」との見方を維持したい。 (小林大純) ■ドル・円は弱含み、ドル売り先行で105円割れ 9日午前の東京市場でドル・円は弱含み。米10年債利回りの失速に伴いドル売りに振れ、主要通貨が対ドルで値を切り上げた。ドル・円は105円前半から104円90銭台に軟化し、なお下値を模索する展開に。ただ、日経平均株価の30000円台回復が意識され、円売りがドルを支えている。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は104円91銭から105円26銭、ユーロ・円は126円74銭から126円84銭、ユーロ・ドルは1.2047ドルから1.2077ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・CAICA<2315>、日本鋳鉄管<5612>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・米ゴールドマン・サックスのエコノミスト 「4-6月期米国内総生産(GDP)伸び率見通しを+10%から+11%に上方修正」 「FRBの利上げ開始時期を2024年下半期から同年上半期への前倒しを予想」 【経済指標】 ・日・12月毎月勤労統計・現金給与総額:前年比-3.2%(予想:-4.8%、11月:-1.8%) ・日・1月マネーストックM3:前年比+7.8%(予想:+7.6%、12月:+7.6%) <国内> 特になし <海外> ・16:00 独・12月貿易収支(予想:+140億ユーロ、11月:+167億ユーロ) 《CS》
関連銘柄 17件
2315 東証スタンダード
61
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 8,330百万円
システム開発等を行うITサービス事業が柱。金融向けシステム構築に強み。NFT販売プラットフォーム「Zaif INO」の運営等を行う金融サービス事業も。ITサービス事業ではDXソリューションサービスに注力。 記:2024/10/22
2413 東証プライム
1,425
11/22 15:30
-12.5(%)
時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
442
11/22 15:30
+9(%)
時価総額 17,692百万円
医療情報統合システムの製作・販売、医療データの分析・調査・コンサル等を行う。病院経営改善アプリケーション「MDV Act」などを手掛ける。SBIHDが筆頭株主。クラウド型健診システムの拡販を図る。 記:2024/08/29
1,356
11/22 15:30
-6.5(%)
時価総額 310,708百万円
1929年創業の化粧品メーカー「ポーラ」、スキンケア中心の「オルビス」などを傘下に収める持株会社。ジュリーク、スリーなどのブランドも展開。ポーラブランドではエイジングケア、美白中心に高機能商品を投入。 記:2024/09/02
5612 東証スタンダード
1,126
11/22 15:30
+22(%)
時価総額 3,708百万円
上下水道・ガス用資材のダクタイル鋳鉄製品、ポリエチレン管などの製造・販売を行う。1937年設立。JFEスチールグループ。クボタと製造合弁会社の設立検討。新商品の開発や拡販でコア事業の収益力強化を図る。 記:2024/10/09
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6613 東証グロース
328
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 13,698百万円
量子ドットレーザやDFBレーザなどのレーザデバイス事業が主力。光通信用量子ドットレーザの量産化に世界で初めて成功。レーザアイウェア事業も展開。バイオ検査用多波長モジュールなど高付加価値製品の投入図る。 記:2024/07/28
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6976 東証プライム
2,149
11/22 15:30
-60.5(%)
時価総額 279,838百万円
電子部品メーカー。積層セラミックコンデンサ等のコンデンサが主力。インダクタや通信用デバイス、アルミニウム電解コンデンサ等も。自動車、情報インフラ・産業機器が注力市場。インダクタや複合デバイスは売上順調。 記:2024/06/11
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
3,142
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 2,073,720百万円
バンダイ、ナムコの経営統合で2005年に誕生した持株会社。トイホビー事業、デジタル事業が主力。IP活用に強み。アミューズメント施設の運営等も。総還元性向は50%以上目標。トイホビー事業は堅調続く見通し。 記:2024/06/25
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17