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後場に注目すべき3つのポイント~先高観変わらず「循環物色」

2021/1/12 12:21 FISCO
*12:21JST 後場に注目すべき3つのポイント~先高観変わらず「循環物色」 12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は小幅に3日続伸、先高観変わらず「循環物色」 ・ドル・円は小じっかり、ドル買い継続 ・値上がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位が信越化学<4063> ■日経平均は小幅に3日続伸、先高観変わらず「循環物色」 日経平均は小幅に3日続伸。47.72円高の28186.75円(出来高概算7億1000万株)で前場の取引を終えている。 11日の米株式市場でNYダウは5日ぶりに反落し、89ドル安となった。先週の連邦議会議事堂への乱入事件を受け、民主党はトランプ大統領の弾劾訴追案を下院に提出。政局混乱が警戒され、寄り付き後に下落した。SNS運営企業によるトランプ氏のアカウント凍結措置などから主要ハイテク株が下落したことも重しとなった。連休明けの日経平均はこうした流れを引き継いで134円安からスタートすると、寄り付き直後には一時27899.45円(239.58円安)まで下落。ただ、米長期金利の上昇を受けて金融株などが買われたほか、決算が好感された小売株や新型コロナウイルス関連の材料が観測された医薬品株の一角が急伸し、日経平均は前場中ごろに28287.37円(148.34円高)まで上昇する場面があった。 個別では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、ソニー<6758>、東エレク<8035>が小じっかり。リウマチ治療薬が新型コロナにも有効と伝わった中外薬<4519>は7%超、米モデルナ製ワクチンの国内治験を20日にも始めると報じられた武田薬<4502>は3%超の上昇となっている。決算発表銘柄では第1四半期が大幅増益となった良品計画<7453>が9%の上昇となり、ローソン<2651>は9-11月期の改善が好感されて4%近い上昇。また、今期大幅増益見通しのFブラザーズ<3454>はストップ高水準での買い気配が続いている。一方、米金利上昇を受けてエムスリー<2413>やキーエンス<6861>といったグロース(成長)株の一角がさえない。ファーストリテ<9983>は小幅に下落。ウエルシアHD<3141>は堅調な決算ながら材料出尽くし感から売りがかさんでいる。 セクターでは、石油・石炭製品、医薬品、空運業などが上昇率上位。半面、パルプ・紙、証券、サービス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の41%、対して値下がり銘柄は55%となっている。 週明け11日の米国株がハイテク関連を中心に下落した流れを引き継ぎ、本日の日経平均は寄り付き直後に一時200円超下落した。ただ、その後プラスに切り返し、取引時間中のバブル崩壊後高値を連日で更新している。構成銘柄を見ると、中外薬が1銘柄で約42円の押し上げ要因となっているほか、信越化<4063>やダイキン<6367>といった値がさ株の上昇が貢献している印象。一方、東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、東証株価指数(TOPIX)は0.05%の下落で前場を折り返している。さすがに日経平均が直近2日だけで1000円超上昇し、節目の28000円を回復した後だけあって、全体としてはやや利益確定売りが優勢か。とはいえ相場全体の先高観は変わらず、循環物色の流れとなっている 日経平均への直接的な影響は小さいが、メガバンク株のしっかりした値動きは相場全体のムードを明るくさせるだろう。米国の長期金利上昇やハイテク株安を受けてグロース株の一角が軟調だが、エムスリーなどは直近2日の上昇が大きかっただけに想定内の調整と言える。また、レノバ<9519>などの環境関連銘柄が利益確定売りに押される一方、信越化やSUMCO<3436>、ルネサス<6723>といった半導体関連の堅調ぶりが目立つ。 米アトランタ連銀のボスティック総裁が11日、「早ければ2022年の中ごろに利上げがあり得る」と語ったなどと報じられているが、その前提として年内に資産購入プログラムを正常化するのは難しいとの指摘もある。先週末8日の当欄でも触れたとおり、米長期金利の先行きに対する見方はなお割れている。また、新型コロナを巡っては関西3府県にも緊急事態宣言が発令される見通しとなるなどなお予断を許さない状況だが、中外薬や武田薬のように治療・予防に向けた明るい材料も出てきている。米ジョンソン・エンド・ジョンソンは1度の接種で済むワクチンを開発中で、近く最終治験の結果を公表すると伝わっている。 こうした様々な材料が入り交じる状況を踏まえると、目先の物色動向は循環的なものとなりそうだ。日経平均はこうした動きに支えられしっかりした展開になると見込まれるが、米政治情勢などには注意を払っておきたい。 (小林大純) ■ドル・円は小じっかり、ドル買い継続 12日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。米長期金利の上昇基調を背景としたドル買いは継続し、全面高の展開に。また、米株式先物の小幅高で推移し、今晩の株高が観測される。一方、日経平均株価は安寄り後はプラスに転じ、日本株安を嫌気した円買いは抑制された。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は104円10銭から104円31銭、ユーロ・円は126円58銭から126円77銭、ユーロ・ドルは1.2141ドルから1.2162ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・篠崎屋<2926>、協栄産業<6973>など、8銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは中外製薬<4519>、同2位が信越化学<4063> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・11月経常収支:+1兆8784億円(予想:+1兆5610億円、10月:+2兆1447億円) 【要人発言】 ・菅首相 「関西3府県を緊急事態宣言の対象に追加する方針」 <国内> ・14:00 12月景気ウォッチャー調査・現状判断(予想:36.5、11月:45.6) <海外> 特になし 《HH》
関連銘柄 20件
2413 東証プライム
1,425
11/22 15:30
-12.5(%)
時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
2651 東証プライム
10,330
7/23 15:00
±0(%)
時価総額 1,036,099百万円
コンビニ大手。ローソン、ローソンストア100などの運営を行う。成城石井、ローソン・ユナイテッドシネマ等を傘下に収める。国内総店舗数は1万4600店舗超。KDDIによるTOBは成立、同社株は上場廃止へ。 記:2024/05/06
2926 東証スタンダード
85
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 1,227百万円
豆腐などの大豆加工食品の販売等を行う。「三代目茂蔵」の直営店による小売事業が主力。加盟店や業務用得意先への卸売事業、通販事業等も。価格見直しなどで買上単価は上昇。イベント継続などで茂蔵の認知度は向上。 記:2024/06/07
1,877.5
11/22 15:30
+17(%)
時価総額 393,738百万円
ドラッグストアチェーン最大手。調剤薬局併設、24時間営業のウエルシア薬局を全国展開。イオン傘下。グループ店舗数は2800店舗超。からだ・くらしWelciaは売上増加傾向。PB物販売上構成比の引き上げ図る。 記:2024/10/20
3436 東証プライム
1,253
11/22 15:30
+4.5(%)
時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
3454 東証スタンダード
1,151
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 16,626百万円
不動産投資やプライベートエクイティ投資等を行う投資銀行事業が主力。ホテル・旅館等の運営を行う施設運営事業、投資運用事業も手掛ける。案件発掘力などが強み。持続的なポートフォリオの規模拡大等に取り組む。 記:2024/10/24
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
4519 東証プライム
6,270
11/22 15:30
-113(%)
時価総額 10,527,694百万円
大手製薬企業。1925年創業。スイス製薬大手のロシュ傘下。がん領域医薬品、抗体医薬品で国内トップシェア。独自の抗体エンジニアリング技術などが強み。成長領域や新規領域へ集中したリソース投入などを行う。 記:2024/08/01
6367 東証プライム
18,295
11/22 15:30
-90(%)
時価総額 5,362,521百万円
空調・冷凍機事業が主力。エアコン世界首位。フッ素化学製品等の化学事業、酸素濃縮装置の製造・販売等も。海外売上比率が高い。差別化新商品の投入、増産投資等に取り組む。26.3期営業利益5000億円目標。 記:2024/06/07
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6973 東証スタンダード
2,209
11/22 15:16
+10(%)
時価総額 7,056百万円
半導体、電子デバイスなどを扱うエレクトロニクス商社。三菱電機が筆頭株主。プリント配線板事業、産業機器システム事業、システム開発事業等も展開。新規事業開発力等が強み。プリント配線板事業では海外製品を拡販。 記:2024/09/02
7453 東証プライム
3,025
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 849,360百万円
生活雑貨や衣服、食品等の販売を行う「無印良品」を国内展開。西友のプライベートブランドとして1980年に誕生。海外では「MUJI」を展開。店舗数は国内外で1300店舗超。国内では日用品好調。生産管理を効率化。 記:2024/10/20
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9519 東証プライム
800
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 72,950百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17