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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆短期筋の動揺◆

2017/9/10 10:05 FISCO
*10:05JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆短期筋の動揺◆ 〇マザーズ急落、短期筋の手仕舞いが足を引っ張る〇 北朝鮮リスクには、有事の際の国内テロ活動もある。昨日午前、JR東日本の大規模広域停電とJAL機のエンジン火災、緊急着陸は、一瞬それを連想させるような出来事だった。不幸中の幸い、大事には至らなかったが、既に狼狽状態にあったネットディーラーなどの短期筋の動揺を誘ったと思われる。 指標は東証マザーズ指数。4日の2.92%安に続き、5日は4.65%安。今年、2%以上下落した日は13日あったそうだが、二日連続は2回しかなく、下げ幅が拡大したのは今回が初めて。前回8月9日(2.48%安)、前々回7月4日(2.75%安)とも、北朝鮮絡みで防衛関連株買いと表裏一体の調整と看做されている。不安心理に弱いとされる。 もっとも、今回の調整は、8月30日のKLab株(東証一部)の10%安から始まったとされる。ゲーム関連の代表銘柄の一つで、KLab株の信用買い残は1069万株(金額236億円相当、発行済み株式数3802万株)に達して、自壊作用となった。追い討ちを掛けたのが4日、中国当局が仮想通貨による資金調達禁止、違法行為と断定した。ビットコインなどの仮想通貨は関心も、知識もなく、解説できないが、新興銘柄で賑わっていたフィンテック関連を直撃した。代表銘柄のメタップスはストップ安。他の人気化していた銘柄も一斉安となり、追証発生の恐怖に転じた。 定石通り、追証絡みの処分が出る後場開始直後に安値となったが、不安心理の連鎖で、反発力は極めて弱かった。連休明けのNY市場への警戒感があったと思われる。そのNYダウは234ドル、1.07%安。北朝鮮情勢の好転の糸口が見えず、北朝鮮は「さらに多くの贈り物」を届ける用意があると強硬だ。中露の制裁強化反対姿勢も課題。 加えて、連休明け最初の経済統計、7月の製造業受注が前月比3.3%減、14年8月以来の落ち込みとなった(ただし、コア資本財は同1.0%増で速報値の0.4%増から上方修正。民間設備投資は活発で、落ち込みの主因は民間航空機の70.8%減)。内容はそれほど悪い訳ではないが、8月はハリケーン「ハービー」の大きなダメージがあり、新たな大型ハリケーン「イルマ」の接近もあって、米経済動向への警戒感が高まったと思われる。米10年物国債利回りは2.063%に一気に低下した。つれてドル安が進んだ。 当面の市場環境は想定より厳しいが、短期筋の調整一巡や北朝鮮情勢の推移を睨みつつ、反転タイミングを模索する流れが考えられる。 以上 出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/9/6号) 《CS》