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日経平均は9日ぶり小幅反落、経済の先行きで見方分かれる?

2022/3/25 12:22 FISCO
*12:22JST 日経平均は9日ぶり小幅反落、経済の先行きで見方分かれる?  日経平均は9日ぶり小幅反落。48.21円安の28062.18円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えている。  24日の米株式市場でNYダウは反発し、349ドル高となった。主要7カ国(G7)首脳会議でロシアへの追加制裁の可能性が示唆されるも具体策について言及がなく、産油国に対し国際的な出荷引き上げを促すとのメッセージが発信されたことから、需給ひっ迫観測の後退とともに原油先物相場が反落。週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったこともあり、景気回復への期待から買いが優勢となった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は+1.93%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)はエヌビディアの急伸などから+5.13%。本日の日経平均も米株高の流れを引き継いで228円高からスタートした。ただ、前日までの8日続伸で2900円あまり上昇していたことから利益確定売りも出て、寄り付きをこの日の高値に伸び悩み。前場中ごろを過ぎて急伸する場面もあったが続かなかった。  個別では、前日大きく売られた郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎船<9107>といった海運株が反発するも伸び悩み。レーザーテック<6920>や東エレク<8035>もしっかりだが、米半導体株高と比べると上値の重い印象がある。その他売買代金上位では任天堂<7974>などが堅調。Jフロント<3086>は前期の事業利益が従来予想を下振れしたが、コロナ禍の長期化にもかかわらず健闘したと受け止められたようだ。また、ダイジェット<6138>などが東証1部上昇率上位に顔を出し、麻生との資本業務提携を発表した大豊建<1822>はストップ高水準での買い気配が続いている。一方、ソフトバンクG<9984>やキーエンス<6861>が2%前後の下落となり、ソニーG<6758>もさえない。トヨタ自<7203>は小安い。また、アドバネクス<5998>などが東証1部下落率上位に顔を出している。  セクターでは、保険業、パルプ・紙、情報・通信業などが下落率上位。一方、鉄鋼、その他製品、海運業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の55%、対して値上がり銘柄は39%となっている。  本日の日経平均は寄り付き、前場中ごろ過ぎと2度にわたり28300円台まで上昇する場面があったが続かず、前日終値近辺まで押し返される格好となっている。ただ、ひとまず28000円台を維持している点は一段の上昇期待をつなぐかもしれない。業種別騰落率を見ると、市況関連セクターが上昇率上位に多い。一方、東証1部下落率上位には中小型グロース(成長)株が多い印象を受ける。SOXが5%の上昇となったにもかかわらず、半導体関連株は上値の重い印象が拭えない。前引けの日経平均が-0.17%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.12%。ここまでの東証1部売買代金は1兆6000億円強とまずまず多い。  新興市場ではマザーズ指数が-0.77%と3日ぶり反落。時価総額上位ではメルカリ<4385>が小安く、ビジョナル<4194>は軟調だ。開発薬の試験結果を受けて前日ストップ高となったリボミック<4591>が売買代金トップと賑わいを見せており、改めて値動き重視の小型材料株物色の様相だと指摘しておきたい。  さて、前日の米市場では原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI5月物)が1バレル=112.34ドル(-2.59ドル)と反落。ただ、東京市場ではINPEX<1605>が朝安後に切り返しており、商品市況の先高観は根強いように感じられる。金先物はインフレヘッジ目的の買いや安全志向の買いにより続伸している。  米国債は長期の年限を中心に金利が上昇し、10年物が2.37%(+0.08pt)、2年物が2.14%(+0.04pt)となった。失業保険申請の減少で労働需給のひっ迫が意識されたとみられている。期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.92%(-0.02pt)とやや低下したが、依然として高水準だ。  個別企業の動向としてはエヌビディアの事業拡大に向けた投資や、アップルのサブスクリプション(定額制)サービス検討といったニュースが注目された。米株の上昇や長期金利の上昇には堅調な経済への期待が感じられるが、隅々まで観察するとインフレへの根強い懸念や投資家の安全志向も見て取れるだろう。  結局のところ「経済がウクライナ危機やそれに伴う商品高、さらに金融引き締めなどに揺れつつも、力強さを維持できるか」という点で投資家の見方は割れているのだろう。これは東京市場でも同様だと考えられる。現物株では売買ボリュームこそ減っていないが、日経平均の上値は徐々に重くなってきた。但し日中値幅はまずまず出ていて、本日は急変動も見られる。前日の先物手口を見ると、モルガン・スタンレーMUFG証券やBofA証券がTOPIX先物を買い越す一方、ゴールドマン・サックス証券が売り越しに転じてきた。  前日の当欄「需給良化はある程度先取り?」で述べたように、年度末に向けてリバランス(資産配分の再調整)目的の買いや配当再投資目的の買いといった需給面の押し上げが期待される一方、ここまでの急ピッチのリバウンドで売り方の買い戻し余地はかなり少なくなってきた印象を受ける。また、日経平均オプションの建玉状況を見ると、相場下落局面だった3月上旬ごろまでと比べプット(売る権利)が減少する一方、コール(買う権利)が増加している印象を受け、需給の改善傾向が一転するリスクをはらんでいるように感じざるを得ない。  テクニカル的には日経平均の昨年9月高値から今年3月安値の3分の2戻し水準である28600円~28700円あたりが節目として意識されているようだが、先行き警戒感から戻り売り目線の投資家がなお多いことを踏まえると、昨年9月以降の戻り高値を結んだライン上にあるこの水準はやはり転換点となる可能性があるだろう。経済の先行きに明るさを見出せるかどうかが今後の焦点と考えられる。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 18件
1605 東証プライム
2,005
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時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
1822 東証スタンダード
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時価総額 61,844百万円
大型土木に強みを持つ中堅ゼネコン。麻生傘下。レインボーブリッジの芝浦側アンカレイジ及び主塔基礎などで施工実績。カンボジアなど海外でも実績。土木事業ではシールド、ニューマチックケーソン工事の拡充に注力。 記:2024/08/05
1,719
11/22 15:30
+12.5(%)
時価総額 465,103百万円
大丸と松坂屋HDが経営統合して誕生した持株会社。パルコ等も傘下に収める。百貨店事業が主力。SC事業、デベロッパー事業、決済・金融事業も。27.2期ROE8%以上目標。心斎橋店などはインバウンド売上が好調。 記:2024/10/24
4194 東証プライム
7,983
11/22 15:30
+40(%)
時価総額 316,462百万円
会員制転職サイト「ビズリーチ」、採用管理や勤怠管理等の「ハーモス」を展開。国内最大級の求荷求車サービス「トラボックス」等も手掛ける。ビズリーチのスカウト可能会員数は258万人超。顧客基盤は順調に拡大。 記:2024/10/25
4385 東証プライム
2,097.5
11/22 15:30
+29.5(%)
時価総額 344,051百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4591 東証グロース
83
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 3,375百万円
東大発のバイオベンチャー。核酸医薬の一種であるアプタマーに特化した医薬品の研究・開発を行う。対象疾患「滲出型加齢黄斑変性」のRBM-007が先行パイプライン。東京大学と眼科疾患に関する共同研究契約を締結。 記:2024/08/13
5998 東証スタンダード
777
11/22 15:30
-6(%)
時価総額 3,227百万円
精密ばね・精密加工品メーカー。自動車関連向け売上比率が高い。デンソーなどが主要取引先。設計から量産まで一貫して行う。点滴等に使用される留置針用ばねで国内トップシェア。国内は自動車向け売上が回復傾向。 記:2024/06/18
6138 東証スタンダード
714
11/22 15:30
-6(%)
時価総額 2,137百万円
超硬工具メーカー。超硬ドリルや超硬エンドミル、耐摩耗工具等を手掛ける。一貫生産体制が強み。自動車、航空機関係などが主要取引先。アルミ加工向けは「エアロチッパーミニ MAM形」の販売等で需要対応図る。 記:2024/06/28
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17