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日経平均は反落、高値警戒感から利益確定売り優勢

2020/12/2 12:11 FISCO
*12:11JST 日経平均は反落、高値警戒感から利益確定売り優勢  日経平均は反落。31.17円安の26756.37円(出来高概算5億8279万株)で前場の取引を終えている。  前日1日の米国株式相場は反発。ダウ平均は185.28ドル高の29823.92ドル、ナスダックは156.37ポイント高の12355.11ポイントで取引を終了した。ペンス副大統領が各州知事にワクチン配布を2週間内に開始する可能性を伝えたことや中国の良好な指標が好感され、また、追加経済対策への期待が高まり、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。米国株高を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。新型コロナワクチンに対する期待感に加え、パウエルFRB議長の議会証言を受けFRBの低金利政策が長期化するとの見方が広がり、東京市場の安心感となった。一方、国内で新型コロナ感染拡大が続いていることに加え、このところの急ピッチの株価上昇で高値警戒感も強く、また、ダウ平均先物が軟調なことも重しとなり、寄り後は売りに押された。  個別では、ユーロ円建CB発行を発表し潜在株式数増加が嫌気されたリログループ<8876>、21年4月期業績予想を下方修正した伊藤園<2593>、21年2月期業績予想を上方修正したが材料出尽くし感が台頭した西松屋チェ<7545>が下げた。  一方、21年4月期業績予想を上方修正したロック・フィールド<2910>が10%を超す大幅高となったほか、選択と集中を進める経営姿勢の変化を評価し米系証券が格上げしたフジクラ<5803>、11月の単体売上高が前年同月比11.1%と10月の同5.5%増から伸び率が拡大したアスクル<2678>、収益性向上などを評価し国内証券が格上げしたトヨタ紡織<3116>、フォトマスク製造用電子ビーム装置を強化すると報じられた日本電子<6951>、自社株買いを発表・実施したミライトHD<1417>、調剤薬局事業の譲受を発表したココカラファイン<3098>が上げた。  セクターでは、サービス業、鉱業、情報・通信業、精密機器、その他製品などが値下がり率上位。一方、ゴム製品、非鉄金属、海運業、証券商品先物、保険業などが値上がり率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の39%、対して値上がり銘柄は55%となっている。  一昨日11月30日の当欄で、トヨタ自動車<7203>と米テスラを引き合いに、バリュー株とグロース株という分類はかなり曖昧なものではないかと書いた。さらに、この議論を分かりにくくするのは、企業の変身だ。  任天堂<7974>。ゲーム機メーカーであり、最近は「プラットフォーマー」としても評価されている。同社の歴史は、1889年(明治22年)、花札の製造に始まる。その後、100年近く花札やトランプを作り続けてきたが、世の中にコンピューターやパーソナルコンピューター(パソコン)が急速に普及するタイミングを捉え、1970年代に「テレビゲーム」事業を開始。そして1983年に家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売した。その後の成長は解説不要だろう。失礼ながら、花札やトランプなど成長性が高いとは思えない製品を地道に提供し、株式市場では「花札」が呼称だった企業が、あっという間に世界中から注目されるピカピカの先端企業に変身した。今風に言えば、バリュー株からグロース株へ分類が変わったということか。  現下、コロナ禍で、非接触や遠隔、居所(いどころ)や移動、食事や働き方、余暇や興行など身近なものにとどまらず、企業経営や行政システムに至るまで、あらゆる分野で急速な変化が生じている。上述のように、任天堂変身の時代背景にはコンピューター、パソコンの普及があった。いま、それ以上の時代の変化が進行中なのかもしれない。それも世界同時かつ不可逆的にだ。そうした中、第2、第3の任天堂に育つ企業や事業の種は、いたる所で芽吹き始めているのだろう。それを探る作業は、バリュー株・グロース株の議論よりはるかに重要な気もする。この件、もう少し考えを進めたいが、例によって紙面の都合で次の機会に回す。  さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。前場は買い先行で始まった後は利益確定売りに押されたが、昨日の日経平均が350円を超す上げとなった後ということもあり、市場では健全な値動きとして冷静に受け止める向きが多く、下値では押し目買いも見られた。一方、ここから上値を追うには材料不足との見方もあり、積極的に買い上がる動きは乏しく、次第に様子見ムードが広がる可能性もありそうだ。(小山 眞一) 《AK》
関連銘柄 12件
1417 東証プライム
2,201
11/22 15:30
-4(%)
時価総額 207,609百万円
通信建設会社。モバイル通信設備の建設・保守・運用等を行う。無電柱化工事、ICTソリューション事業等も。NTTグループ各社などが主要取引先。国際航業を傘下に持つ。成長分野への事業シフトの加速等に注力。 記:2024/08/09
2593 東証プライム
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時価総額 280,126百万円
清涼飲料メーカー。国内緑茶飲料市場でトップシェア。お~いお茶が主力。タリーズコーヒージャパンを傘下に収める。米国など海外展開も。中計では27.4期ROE10%以上目標。お~いお茶のグローバル化等に注力。 記:2024/06/04
2678 東証プライム
1,864
11/22 15:30
-16(%)
時価総額 181,775百万円
オフィス用品通販で成長。個人向けEC「ロハコ」も。ヤフーLINEの傘下。翌日配送を可能とする独自の物流基盤。ロハコが復調。だが法人向け通販の粗利率改善や物流効率化などで増収増益に。総還元性向45%目標。 記:2024/09/08
2910 東証プライム
1,478
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 39,594百万円
惣菜の製造・販売を行う。兵庫県神戸市に本社。「RF1」が基幹ブランド。セレクトショップ「グリーン・グルメ」、和そうざいブランド「いとはん」等も展開。ロック・フィールドメンバーズの会員数は26万名超。 記:2024/09/01
3098 東証1部
8,110
9/28 15:00
-350(%)
時価総額 254,751百万円
大手ドラッグストア。「ココカラファイン」を主力に全国展開する。調剤薬局も運営する。マツモトキヨシと21年10月に経営統合へ。グループ店舗数は1473店舗。15店舗の新規出店実施。22.3期1Qは2桁増益。 記:2021/09/09
3116 東証プライム
1,973.5
11/22 15:30
-5.5(%)
時価総額 370,359百万円
トヨタ系の自動車部品メーカー。1918年創業。自動車用シートやドアトリム、フロアカーペット、エンジン周辺樹脂製品等を手掛ける。航空機シート等も。変動費の改善、固定費の効率化などで価格競争力の強化を図る。 記:2024/10/03
5803 東証プライム
5,749
11/22 15:30
+162(%)
時価総額 1,700,916百万円
独立系電線メーカー大手。1885年創業。光ファイバケーブルや通信ケーブル、圧力センサ、プリント回路、自動車電装品等を手掛ける。光ファイバ融着接続機に強み。自動車事業部門は収益性改善に引き続き取り組む。 記:2024/08/05
6951 東証プライム
5,662
11/22 15:30
+44(%)
時価総額 291,780百万円
電子光学機器、分析機器、計測検査機器を手掛ける理科学機器メーカー。1949年設立。電子顕微鏡で世界トップシェア。産業機器、医用機器なども展開。理科学・計測機器事業は電子顕微鏡を中心に引き合い順調。 記:2024/10/14
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7545 東証プライム
2,262
11/22 15:30
+136(%)
時価総額 157,410百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8876 東証プライム
1,734
11/22 15:30
+48(%)
時価総額 265,330百万円
借上社宅管理や賃貸不動産管理、海外赴任支援等を手掛けるリロケーション事業が主力。福利厚生事業、ポイント制タイムシェア別荘等の観光事業も。社宅管理戸数は26万戸超。福利厚生代行サービスは新規会員獲得進む。 記:2024/08/30