マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/23 12:52:27
15,283,554
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は続伸、「中銀サポート」と「ハイテク復権」を考察

2020/7/21 12:03 FISCO
*12:03JST 日経平均は続伸、「中銀サポート」と「ハイテク復権」を考察  日経平均は続伸。139.23円高の22856.71円(出来高概算5億9000万株)で前場の取引を終えている。  週明け20日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに小幅反発し、8ドル高となった。新型コロナウイルスワクチンの治験で良好な結果が示されたことや、政府・議会が追加財政策の協議を開始したことが好感された。ネット通販のアマゾン・ドット・コムが7.9%高、電気自動車(EV)のテスラが9.5%高となるなど主要ハイテク株が急反発し、ナスダック総合指数は過去最高値を更新。取引終了後に発表されたIBMの決算が市場予想を上回ったこともあり、本日の日経平均は71円高からスタートすると、前場には22892.20円(174.72円高)まで上昇する場面があった。  個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで3%近い上昇。投資先である中国アリババ集団が傘下企業の新規株式公開(IPO)計画発表を受け、前日の米市場で3%超の上昇となった。その他売買代金上位では任天堂<7974>、ソニー<6758>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>などが堅調で、SUMCO<3436>は4%の上昇。中小型株では電子契約サービスで注目されるGMOクラ<3788>が大商いで東証1部上昇率トップとなり、一部証券会社の投資判断引き上げが観測されたステラケミファ<4109>なども急伸した。一方、三菱UFJ<8306>が2%超下落し、トヨタ自<7203>は小安い。ニッケル鉱山開発に係る減損損失計上を発表した住友商<8053>も売り優勢。また、ダントーHD<5337>などが東証1部下落率上位に顔を出した。  セクターでは、医薬品、サービス業、電気機器などが上昇率上位。半面、鉄鋼、銀行業、建設業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の43%、対して値下がり銘柄は52%となっている。  本日の日経平均は米ハイテク株高を受けて投資家心理が上向き、堅調な展開となっている。日足チャートを見ると、22500円近辺で横ばい推移する25日移動平均線が下値をサポートする形となり、本日の上昇で22800円近辺に位置する5日移動平均線を再び上回ってきた。売買代金上位を見ると、ハイテク関連を中心に値がさのグロース(成長)株が上昇する一方、銀行株や自動車株などの大型バリュー(割安)株が軟調。前引け時点の上昇率は日経平均の0.61%に対し、東証株価指数(TOPIX)は0.06%にとどまっている。業種別騰落率でも同様の傾向が見られるが、医薬品の上昇を見るとコロナ禍を意識している面もありそうだ。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりと前日までより増加している。  新興市場でも米ハイテク株高が追い風となり、マザーズ指数が2%を超える上昇で1000pt台を回復している。引き続きバイオ関連株からの資金流出が見られるものの、IT・インターネット関連株を中心に積極的な買いが入る。メルカリ<4385>など一部銘柄を除くと右肩上がりの株価上昇は一服しており、証券各社の目標株価との比較で過熱感の出ている銘柄も少なくないが、結果的にマザーズ指数は押し目らしい押し目を作っていない。個人投資家の新興ハイテク株への期待の高さが再確認できる。  今週から主要企業の4-6月期決算発表が始まり、本日引け後にはディスコ<6146>や日本電産<6594>の発表が予定されている。明後日から4連休が控えていることもあり、様子見ムードが強まりやすいタイミングではある。しかし、アジア株式市場は香港ハンセン指数を中心に全般堅調。米株式市場でもハイテク企業を中心に決算への期待が高まっていることから、売りがかさむ展開は想定しにくい。後場の日経平均も堅調に推移するとみておきたい。  さて、前日は日経平均先物にクレディ・スイス証券、TOPIX先物にメリルリンチ日本証券を中心とした外資系証券の売りが出ていた。CSは商品投資顧問(CTA)、メリルは長期投資志向の実需筋の売買とみられている。こうした短期・長期合わせた幅広い海外投資家からの売りを日銀の上場投資信託(ETF)買いが吸収し、結果的に日経平均は小高く引けた。この日の前引けのTOPIX下落率は0.32%であり、今月9日と同様に0.5%未満でのETF買い実施。さらに東証1部売買代金が1兆6000億円台にとどまる薄商いだったため、ETF買いのインパクトは非常に大きい。かねて当欄で指摘しているとおり、もともともち合い長期化で厳しい情勢となっている売り方の買い戻しを誘う可能性がある。  また、米ハイテク株の堅調ぶりにも改めて注目しておきたい。先週15日の米納税期限と前後して米ハイテク株は換金売りがかさみ、高値警戒感が漂っていたこともあって「上昇相場は終わり」との声が増えた。しかし、こちらも先週の当欄で予想したとおり米主要ハイテク株は復権。急ピッチの切り返しは想定以上でもある。決算発表を前に強気の投資判断が相次いだことは大きいが、以下のような点も見逃すべきでないと考える。 (1)確かに米納税や米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート拡大一服で投資資金の追加投入は以前より期待しづらい。しかし、金融市場全体を見渡すと致命的な価格調整を強いられている資産クラスも見当たらず、潤沢な投資資金の循環は続いていると考えられる。FRBのバランスシート拡大一服は短期資金のひっ迫緩和というテクニカルな要因によるもので、FRBが引き締めに傾いたとは言えないだろう。 (2)アセットマネジメントOneが20日に新規設定したファンド「グローバルESGハイクオリティ成長株式」の当初設定額が「ノムラ日本株戦略ファンド」以来20年ぶりの高水準となった。競争力・成長力に優れた企業に対する個人の投資意欲は依然として旺盛だ。度々指摘しているとおり、日米ともコロナ禍でライフスタイルや働き方の変革を迫られた個人ほど「新常態(ニューノーマル)」への感度が高い。また、米著名投資家らが5月まで売り負けた際の敗戦の弁で、実体経済とかい離する株式市場での投資機会として軒並み「ニューノーマル」を挙げていたことも改めて思い起こされる。 (3)前日の米債券市場では10年債利回りが小幅に低下(債券価格は上昇)。債券投資家は株式投資家より慎重な傾向があり、潤沢な投資資金が低金利下でイールドハンティング(利回り追求)的な動きを再び強めていることもあって、やはり米長期金利の本格上昇は期待しづらい。株価バリュエーションの高いグロース株にとっては追い風が続く。  このように、決算発表と前後して短期的なリバーサル(株価の反転)こそあるだろうが、中期的には中央銀行のサポートを支えに「投資資金は有望な投資対象に回帰する」とみておいた方がいいだろう。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 15件
3436 東証プライム
1,253
11/22 15:30
+4.5(%)
時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
2,576
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 30,121百万円
電子証明書発行サービス、電子契約サービス等を手掛ける電子認証・印鑑事業が主力。クラウドインフラ事業、DX事業も展開。電子印鑑GMOサインは導入企業数で国内トップ。電子認証・印鑑事業は契約社数が順調増。 記:2024/07/05
4109 東証プライム
3,845
11/22 15:30
-25(%)
時価総額 50,804百万円
超高純度フッ化水素酸やリチウムイオン電池用添加剤、蛍光体関連材料などの高純度薬品事業が柱。半導体用高純度薬液で世界シェアトップクラス。総還元性向100%目標。25.3期は濃縮ホウ素の販売拡大見込む。 記:2024/07/08
4385 東証プライム
2,097.5
11/22 15:30
+29.5(%)
時価総額 344,051百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
5337 東証スタンダード
319
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 10,642百万円
タイルメーカーの東日本ダントータイルなどを傘下に収める持株会社。1885年設立。淡路島に自社工場を保有。不動産事業、住宅金融事業も展開。タイル事業は高付加価値商品の拡販、プロモーション強化などに注力。 記:2024/07/02
6146 東証プライム
42,590
11/22 15:30
+210(%)
時価総額 4,613,221百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8053 東証プライム
3,282
11/22 15:30
+45(%)
時価総額 3,974,827百万円
総合商社大手。1919年設立。メディアなどの非資源に強み。SCSK、食品スーパーのサミットなどを傘下に持つ。中計では27.3期純利益6500億円目標。鉄鋼事業では米国、鉄鋼GX等の新領域での事業拡大図る。 記:2024/06/09
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17