マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/25 12:32:11
15,008,307
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は続伸、米国1兆ドルの財政政策などが支援、需給では長期筋の買い観測

2020/3/18 12:20 FISCO
*12:20JST 日経平均は続伸、米国1兆ドルの財政政策などが支援、需給では長期筋の買い観測  18日の日経平均は続伸。296.80円高の17308.33円(出来高概算12億3187万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、前日の大幅下落を受けて買い戻しが先行。連銀が短期社債(CP)の買取プログラムを再開し、短期流動性を供給する処置をとったことが好感された。また、米国政府が1兆ドル規模の追加支援策を検討しているとの報道を受けて、緩やかに上昇する展開となった。株高や米長期金利の上昇を背景に為替も1ドル=107円台前半での円安基調で推移。こうした流れから、日経平均も続伸してスタート。寄り付き直後には、300円を超す上昇幅を見せる場面もあった。その後は、やや上値が重く、もみ合いながらも本日の高値圏で前場を終えた。  セクターでは、化学を筆頭に海運、精密、水産、保険などがプラス推移。一方、不動産、鉱業などはマイナスでの推移となっている。東証1部の売買代金上位では、トヨタ<7203>やソニー<6758>、任天堂<7974>、OLC<4661>、キーエンス<6861>などが大幅上昇。他方、米シェアオフィス大手のウィーカンパニーについて、既存株主からの株の買い取り計画を見直す可能性が報じられたソフトバンクG<9984>は6%を超す大幅安、そのほか、全米50店舗の一時閉店を発表したファーストリテ<9983>や、武田薬<4502>が下落となっている。  日経平均は、目先は17000円台で値固めをできるかどうかを注視していきたいところだ。昨日の日経平均は、週明けのNYダウが3000ドル近く下げるなど世界的な大幅同時株安の流れがあったにもかかわらず、反発して底堅く推移し、意外な印象を与えた。昨日は、日銀が上場投資信託(ETF)1200億円弱の買い入れを実施した。規模としては、これまでの1000億円程度の規模から1.2倍程度の水準だ。TOPIXが前引け時点で前日比プラスだったにもかかわらず、こうした動きに踏み切ったことは日銀の姿勢に対してもある程度の本気度を感じることができるともいえよう。少なくとも、ある程度は市場心理の疑念払拭に寄与したとみられる。  また、昨日の想定外の日本株式市場の底堅さを受けて、市場では、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や年金基金などの長期筋の買い入れもあったのではないかとの指摘もあった。実際、こうした長期筋はROE(自己資本利益率)などの利益指標やガバナンスといった項目を投資対象の選定基準に利用しているところが多いが、昨日は、こうした各種指標に基づいて構成されたJPX日経400の上昇が相対的に他の指数よりも強かった。個別では、トヨタが7%と異例の上昇率を見せていた。本日もトヨタやソニーなどの主力どころの銘柄が日経平均およびTOPIXなどの指数よりもかなり強い動きをしている。こうした所からも、年金基金などの長期筋のほかアクティブ系ファンドの買いの動きが示唆される。  ただ、まだ底打ちとは言い切れず、油断のできない状況が続くだろう。米国では、ボーイングといった航空企業をはじめ、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートが急上昇している企業が多くなってきており、企業の資金繰りに対する不安が高まっている。足元の下支え政策の発表があったとはいえ、まだ相当に高い水準にある。  また、ハイイールド債の発行体に多い石油系企業の懸念材料である原油価格については、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの非OPEC加盟国との間での協調減産協議の破綻以降、低迷が続いており、足元ではWTIが1バレル=27ドル台と30ドルを大きく割り込む水準まで下がってきている。こうした背景から、引き続き新型コロナウイルスをはじめ、各種企業動向など様々なニュースフローへの目配りが欠かせない展開が続くといえよう。  目先の注目材料として、やはり財政政策とみる。各国の追加金融緩和政策の発表直後は、世界景気減速の歯止め材料としては不十分との捉えた方が優勢だった。それが、昨日の米政権による1兆ドル規模の財政政策の発表もあって、一旦は足元の株価は反発してきている。ただ、NYダウなどは日々の大幅なアップダウンを繰り返すなか、水準としては徐々に切り下げてきている。米国の方では、更なる追加財政政策へ向けた動きを示唆しているが、こうした動きが世界協調的に起こってくるかが肝心なポイントであろう。  日本市場にとっては、やはり日本の財政政策に注目したい。現状では、国民一人あたりに5万円を支給する定額給付の案が濃厚のようだが、方々の専門家から消費減税・一時撤廃などの強硬策の実施も必要という声もある。消費減税は政治的な絡みから、なかなか難しいとはいえ、新型コロナ問題の前から景気減速の兆しがあった日本では、せめて規模の面だけでも、思い切ったサプライズ感のある財政政策を期待したいところだ。  目先は、引き続き値幅の荒い展開に備えておく必要があるだろうが、先んじて感染者数のピークアウトが観測されている中国市場の回復などを見越した戦略も有効といえるだろう。実際、ヤクルト<2267>など中国市場での売上比率の高い銘柄の中には、早い段階から株価が反発局面入りしている銘柄もある。視点を変えれば、こうした相場だからこそ、逆に銘柄の仕込み時ともいえるのかもしれない。投資家には引き続き慎重な姿勢を求めつつ、厳選した個別株投資に徹してもらいたいところだ。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 9件
2267 東証プライム
2,973
11/22 15:30
+10(%)
時価総額 1,017,037百万円
「Newヤクルト」シリーズなどを展開する乳酸菌飲料メーカー。1935年創業。栄養ドリンクや化粧品、医薬品の製造・販売等も行う。米国など海外にも進出。ヤクルトレディの採用活動推進で宅配組織の強化図る。 記:2024/08/02
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
4661 東証プライム
3,382
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 6,150,001百万円
東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの運営等を行うテーマパーク事業が主力。ホテル事業や商業施設「イクスピアリ」の運営等も。テーマパーク事業は海外ゲストの回復などで順調。25.3期は2桁増収計画。 記:2024/07/02
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17