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藤商事 Research Memo(1):人気IPを利用した新機種のヒットが相次ぎ、収益拡大基調が続く見通し

2023/6/26 12:21 FISCO
*12:21JST 藤商事 Research Memo(1):人気IPを利用した新機種のヒットが相次ぎ、収益拡大基調が続く見通し ■要約 藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ遊技機の中堅メーカーで、新規性のある演出の企画開発力に定評がある。ジャンルとしては、「ホラー」系のほか、若年層向けに「萌え」「アニメ」、シニア向けに「時代劇」に注力している。無借金経営で手元キャッシュは200億円超と潤沢にあり、財務の健全性は高い。 1. 2023年3月期の業績概要 2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比17.8%増の34,869百万円、営業利益で3,876百万円(前期は698百万円の損失)と急回復し、期初計画(売上高30,000百万円、営業利益1,500百万円)に対しても大幅に上回る好決算となった。パチンコ遊技機「Pサラリーマン金太郎」やパチスロ遊技機「SLOTとある科学の超電磁砲(レールガン)」など新たに投入したタイトルが計画を上回る販売実績となったことに加えて、売上総利益率の上昇並びに研究材料費の減少なども増益要因となった。特に「SLOTとある科学の超電磁砲(レールガン)」については、パチスロ遊技機で7期ぶりに1万台を超えるヒット機種となり、パチスロ遊技機市場でシェア拡大を進めていくための有力タイトルとして目途が立った点は注目される。販売台数は、パチンコ遊技機が前期比15.9%減の66千台、パチスロ遊技機が同633.2%増の22千台となった。 2. 2024年3月期の業績見通し 2024年3月期の業績は売上高で前期比20.4%増の42,000百万円、営業利益で同29.0%増の5,000百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。販売台数はパチンコ遊技機で同8.3%増の72千台、パチスロ遊技機で同20.5%増の27千台を計画している。パチンコ遊技機、パチスロ遊技機ともに複数のスマート遊技機を投入する予定で、既にパチスロ遊技機で2023年4月から本格導入が開始された「Lゴブリンスレイヤー」(ライトノベル原作)を投入し人気を集めている。パチンコ遊技機でも7月に「スマパチ RAVE 覚聖ループ」(漫画原作)の投入が予定されている。ここ最近は20~40代の客層をターゲットとした人気漫画・ライトノベルのIPを使った新機種の販売好調が続いているだけに、2024年3月期も好調な販売が期待される。営業利益率も増収効果により前期の11.1%から11.9%とさらに上昇する見通しだ。 3. 株主還元策について 同社は配当方針の変更を発表している。従来は安定配当を基本方針とし、経営成績・配当性向などを総合的に勘案したうえで1株当たり配当金50.0円の配当を継続してきたが、利益還元の姿勢をより明確かつ充実させるため、安定配当の継続に加えて業績に応じた利益還元を実施することにした。具体的には50.0円(下限)の安定配当に業績連動部分として連結配当性向30%以上を目標にすることとした。これにより2024年3月期の1株当たり配当金は、前期比5.0円増配の55.0円(配当性向32.8%)とし、普通配当としては12期ぶりの増配となる。 ■Key Points ・ホラーや時代劇、アニメジャンルなど人気IPを利用した斬新な機種開発に定評 ・2023年3月期の営業利益は増収効果と販売ミックスの改善等によりV字回復に ・2024年3月期は人気IPを使ったスマート遊技機の投入等により売上高、営業利益、経常利益で2ケタ成長を見込む ・1株当たり配当金は50.0円をベースに連結配当性向30%以上とする方針に変更 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YI》
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パチンコ・パチスロ機の中堅メーカー。1958年創業。無借金経営。「とある」シリーズなどアニメジャンルが主力商品。パチスロ遊技機の新製品「スマスロ ゲゲゲの鬼太郎 覚醒」は24年8月上旬から導入予定。 記:2024/06/11