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後場に注目すべき3つのポイント~やはり「堅調な米経済」と「先行き不安」で綱引き

2022/4/15 12:23 FISCO
*12:23JST 後場に注目すべき3つのポイント~やはり「堅調な米経済」と「先行き不安」で綱引き 15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり反落、やはり「堅調な米経済」と「先行き不安」で綱引き ・ドル・円は一時126円56銭まで上昇、ドル高持続の可能性高まる ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は3日ぶり反落、やはり「堅調な米経済」と「先行き不安」で綱引き 日経平均は3日ぶり反落。176.14円安の26995.86円(出来高概算4億8000万株)で前場の取引を終えている。 14日の米株式市場でNYダウは反落し、113ドル安となった。朝方300ドル超上昇する場面もあったが、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が5月の0.5pt利上げについて「妥当な選択肢だ」と述べるなど、利上げペースの加速を示唆。金利が幅広い年限で上昇するとともに、ハイテク株を中心に売りが出た。ナスダック総合指数は-2.14%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は-2.92%だった。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで239円安からスタート。朝方に一時26784.92円(387.08円安)まで下落したが、その後ファーストリテ<9983>の大幅上昇や為替相場の円安進行を支えにプラスへ転じる場面もあった。しかし、一段の上値を追う動きは限られ、前引けにかけて再び軟化した。 個別では、レーザーテック<6920>と東エレク<8035>が揃って4%超の下落。台湾積体電路製造(TSMC)が好決算や高水準の設備投資計画の維持を示したが、米金利上昇による半導体株安の流れを引き継いだ。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、郵船<9101>、ソニーG<6758>が軟調。ベイカレント<6532>は決算発表による材料出尽くし感もあって9%超の下落。また、サーバーワークス<4434>などが東証プライム市場の下落率上位に顔を出している。一方、前述のファーストリテは7%超の上昇。上期決算を好感した買いが入っている。トヨタ自<7203>は円安進行を受けてしっかり。決算発表銘柄ではディップ<2379>やクリレスHD<3387>も急伸し、Gunosy<6047>がストップ高を付けている。 セクターでは、精密機器、電気機器、金属製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。一方、電気・ガス業、輸送用機器、銀行業など4業種が上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の80%、対して値上がり銘柄は16%となっている。 本日の日経平均は米株安の流れを引き継ぎ、朝方に一時400円近い下落。その後下げ渋るも、一時プラスに転じたところで戻り一服となった。日足チャートを見ると、27000円割れ局面での底堅さも感じるが、27200円台に位置する75日移動平均線が上値を抑える格好。個別・業種別では、米金利上昇やそれに伴う円安進行を受けて関連銘柄に買いが入っているが、半導体関連などのグロース(成長)株の軟調ぶりが目立つ。東証プライム市場の下落率上位には中小型グロース株が多く顔を出している。前引けの日経平均が-0.65%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.87%。ここまでの東証プライム市場の売買代金は1兆1000億円あまりで、今晩の米市場が聖金曜日で休場とあって、前日以上に低調だ。 新興株ではマザーズ指数が-2.86%と大幅続落。前日は日経平均の堅調ぶりとは対照的にさえない展開だったが、本日は米金利上昇・ハイテク株安を受けて一段と軟調だ。日足チャートでは、750pt台に位置する25日移動平均線水準で煮詰まり感も。メルカリ<4385>などの主力IT株は全般軟調で、ウォンテッドリー<3991>などの好決算銘柄に買いが向かっている。 さて、14日の米10年物国債利回りは2.82%(+0.12pt)、金融政策の影響を受けやすい2年物も2.45%(+0.10pt)に上昇した。米原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI5月物)は1バレル=106.95ドル(+2.70ドル)と3日続伸。一時107.64ドルと2週間ぶりの高値を付けたという。戦略備蓄の放出を受けて調整していたが、足元で需給ひっ迫の長期化を見越して反騰してきている。期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)も2.89%(+0.09pt)と3日ぶりに大きく上昇した。 この日発表された米経済指標では、3月小売売上高が前月比0.5%増と市場予想(0.6%増)を下回る一方、2月分が上方修正された。また、4月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)が市場予想に反し上昇するなど、全般に米経済の底堅さを感じさせる内容だった。3月の消費者物価指数(CPI)を受けてインフレのピークアウトに期待する声も出ていただけに、先行きへの強気な見方を後押しするだろう。 しかし、米著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏や米ペンシルベニア大ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授らはインフレの高止まりを予想。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が積極利上げ姿勢を示した。供給制約によるインフレ長期化と急速な金融引き締めが米経済のリセッション(景気後退)をもたらすとの声もなお多く聞かれる。 実際、米消費者心理の改善はガソリン小売価格が下落に転じた影響が大きいとみられているが、原油先物相場の反騰の兆しを見ると先行き警戒せざるを得ないだろう。また、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が発表した4月8~14日週の30年固定の住宅ローン金利は、10年以上ぶりに5%に達した。ローン支払額の急増も消費に冷や水を浴びせかねない。 結局のところ米連邦準備理事会(FRB)が景気をソフトランディング(軟着陸)に導けるかどうか、株式相場が通例のサイクルどおり「業績相場」に移行できるかどうかといった議論に早々に決着はつきそうになく、「『先行きの見方』は分かれたまま(前日の当欄タイトル)」である。株式相場はイベント睨みの投資家による売買で短期的に上下に振れつつも、大方の投資家は先行きを見定めるまで様子見と思われ、方向感は出にくいだろう。これを裏付けるように、4月第1週(4日~8日)の投資主体別売買動向で外国人投資家は日経平均先物を2219億円買い越す(順張り的な短期筋による散発的な買いが入ったとの観測がある)一方、TOPIX先物については742億円の売り越しにとどまった。これらを念頭に置いたうえで相場に取り組んでいきたい。 ■ドル・円は一時126円56銭まで上昇、ドル高持続の可能性高まる 15日午前のアジア市場でドル・円は126円56銭まで買われており、ドル高持続の可能性は一層高まっている。日中の高値を付けた後もドルは下げ渋っており、月内に1ドル=129円台(202年5月の129円09銭)到達も意識され始めているようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は125円87銭から126円56銭、ユーロ・ドルは1.0797ドルから1.0831ドル、ユーロ・円は136円27銭から136円78銭で推移。 ■後場のチェック銘柄 ・ウォンテッドリー<3991>、サインポスト<3996>など、7銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・先週分新規失業保険申請件数:+18.5万件(予想:17.0万件、前回:16.7万件←16.6万件) ・米・失業保険継続受給者数:147.5万人(予想:150.0万人、前回:152.3万人) 【要人発言】 ・岸田首相 「物価上昇は主に世界的な原材料価格の上昇が原因」 「日銀が物価安定目標に努力されることを期待」 <国内> 特になし <海外> ・米財務省半期為替報告書の議会提出期限 ・グッドフライデー休場:NZ、豪、香港、インド、独、仏、スイス、英、南ア、米、カナダ、ブラジルなど 《CS》
関連銘柄 16件
2379 東証プライム
2,529
11/27 15:30
-17(%)
時価総額 152,094百万円
アルバイト求人情報サイト「バイトル」の運営等を行う人材サービス事業が柱。中堅・中小企業のDX化を支援するDX事業も。27.2期営業利益200〜250億円目標。生成AI活用の対話型バイト探しサービスを開始。 記:2024/06/04
1,154
11/27 15:30
+5(%)
時価総額 245,587百万円
ショッピングセンター内のレストラン、フードコートの運営が主力。しゃぶしゃぶ食べ放題「しゃぶ菜」、海鮮居酒屋「磯丸水産」などのブランドを保有。連結店舗数は1100店舗超。業務受託店舗などを積極出店。 記:2024/10/28
3991 東証グロース
1,257
11/27 14:51
-28(%)
時価総額 11,939百万円
ビジネスSNSプラットフォーム「ウォンテッドリー」を手掛ける。自律型組織作りをサポートする「Engagement Suite」等も。登録個人ユーザー数は400万人超。主力プロダクトの顧客獲得力の強化図る。 記:2024/10/25
3996 東証スタンダード
466
11/27 15:30
-3(%)
時価総額 5,961百万円
金融機関等の基幹システム構築・更改のPMO支援などを行うコンサルティング事業が主力。コンパクトPOSセルフレジ「EZレジ」等のイノベーション事業も。コンサル事業は受注順調。DX伴走支援サービスを開始。 記:2024/06/09
4385 東証プライム
1,920
11/27 15:30
+8.5(%)
時価総額 314,936百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4434 東証スタンダード
2,288
11/27 15:30
-27(%)
時価総額 17,968百万円
クラウド専業インテグレーター。米アマゾン社が提供するクラウド基盤「AWS」の請求代行サービスが主力。丸紅など大手企業を中心とする豊富な導入実績が強み。富士フイルムビジネスイノベーションと合弁会社設立。 記:2024/06/07
6047 東証プライム
696
11/27 15:30
-24(%)
時価総額 16,870百万円
情報キュレーションサービス「グノシー」、KDDIとの協業アプリ「ニュースパス」等の運営を行う。業務支援特化・生成AIサービス「ウデキキ」等も。グノシーはユーザー数横ばい。事業運営コストの改善進める。 記:2024/10/29
6532 東証プライム
5,396
11/27 15:30
+49(%)
時価総額 838,598百万円
大手経営コンサルティング会社。全体戦略や事業戦略の立案など経営課題を解決するサービスを提供。24年9月に持株会社に移行、M&A推進。採用活動を積極化。コンサルタントの増加により人件費増も案件拡大で堅調。 記:2024/10/31
6758 東証プライム
3,018
11/27 15:30
+35(%)
時価総額 18,841,670百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
8,506
11/27 15:30
-328(%)
時価総額 6,516,795百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
16,925
11/27 15:30
+220(%)
時価総額 1,595,791百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,571
11/27 15:30
-96.5(%)
時価総額 40,608,912百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8035 東証プライム
22,240
11/27 15:30
-410(%)
時価総額 10,489,118百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,800
11/27 15:30
-72(%)
時価総額 2,212,800百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9983 東証プライム
51,190
11/27 15:30
-260(%)
時価総額 16,289,733百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,981
11/27 15:30
+137(%)
時価総額 13,202,025百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17