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日経平均は3日ぶり反発、半導体に助けられるも外部環境の不透明感強まる

2023/5/25 12:10 FISCO
*12:10JST 日経平均は3日ぶり反発、半導体に助けられるも外部環境の不透明感強まる  日経平均は3日ぶり反発。165.39円高の30848.07円(出来高概算6億2869万株)で前場の取引を終えている。  24日の米株式市場でダウ平均は255.59ドル安(-0.77%)と4日続落。債務上限交渉が行き詰まり、債務不履行を警戒した売りが先行。マッカーシー下院議長が様々な点で依然隔たりがあると悲観的な見解を示すと売りに拍車がかかった。連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを見込んだ金利上昇も重しとなった。ナスダック総合指数は-0.60%と続落。米国株安を受けて日経平均は83.41円安からスタート。ただ、米市場の取引終了後に決算を発表したエヌビディアが時間外取引で急伸したことで、東京市場でも半導体を中心とした関連株に買いが入ったほか、為替の円安進展が支援材料となり、日経平均は早々にプラスに転じた。一方、米債務上限問題がくすぶるなか上値追いは限られ、その後は一進一退が続いた。  個別では、米エヌビディアの好決算を材料にアドバンテスト<6857>、芝浦メカトロニクス<6590>が急伸し、東エレク<8035>、ディスコ<6146>なども大きく上昇。データセンター向け需要の拡大期待からイビデン<4062>、新光電工<6967>も揃って急伸。キーエンス<6861>、信越化<4063>、HOYA<7741>の値がさ株の一角も高い。MI2の大量保有が判明した藤倉コンポジット<5121>は急伸。一方、景気敏感株やバリュー(割安)系が売られており、三菱UFJ<8306>、第一生命HD<8750>、川崎汽船<9107>、三菱重<7011>、コマツ<6301>、住友鉱<5713>などが下落している。東証スタンダード市場ではMHグループ<9439>やベクター<2656>がストップ高となっている。  セクターでは金属製品、電気機器、化学が上昇率上位に並んだ一方、海運、保険、銀行が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の44%、対して値下がり銘柄は50%となっている。  日経平均は下落してスタートも切り返して反発している。米株式市場の取引終了後に発表された半導体エヌビディアの決算が実績および見通しともに市場予想を大幅に上回るポジティブサプライズとなり、東京市場でも半導体株がけん引している。一方、米債務上限問題の先行き不透明感がくすぶるなか、半導体関連を除けば軟調で、東証株価指数(TOPIX)やマザーズ指数は下落している。  25日の夜間取引の日経225先物は米国株安を受けて一時30400円まで下落していた。前日までの続落で調整色を強めていた日経平均が本日30500円を下回っていれば、ムードは一段と悪化していたことが想定されたため、本日の日経平均の上昇と節目の30500円キープは投資家心理を支える点では大きそうだ。  一方、外部環境を巡っては先行き不透明感が強まっている。米債務上限問題については、デッドラインが近づいているなか、いまだに合意の兆しを明確に見せていない。また、イエレン米財務長官は、6月1日にも米連邦政府が資金枯渇に陥ると改めて警告し、財務省短期証券(TB)の6月1日満期のレートは一時7%上回った。さらに、格付け会社のフィッチ・レーティングスは24日、米国の長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)「AAA」を「レーティング・ウオッチ・ネガティブ」に置いたと発表した。今のところ相場への影響は限られているが、2011年の相場を彷彿とさせるようで嫌な印象だ。  他方、すでに沈静化は時間の問題で相場の関心事の中心から外されてきたインフレについての警戒感が高まっている。前日に発表された英国の4月消費者物価指数(CPI)は市場予想を大幅に上回り、食品・エネルギーなどを除くコア指数は3月から大きく加速。これを受けて24日の取引では英国債利回りが急上昇、トラス前政権が財源の裏付けのない大型減税計画を発表して市場が混乱に陥った時以来の高水準を付けた。  さらに、米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が「インフレが2%目標に向かって低下しつつある明確な兆候が得られるまでは、利上げの停止を支持しない」と発言。これら複数の材料が相まって、米債利回りも大きく上昇している。  他方、米債利回りの上昇を受けて、為替の円安・ドル高トレンドが強まっており、足元でドル円は1ドル=139円台後半と、140円超えを窺う水準にまで上昇している。こうした円安が東京株式市場の下値を支えているともいえるが、これだけ円安が進んでいる割には日経平均の動きも鈍ってきており、明らかに22日までの状況とは変わってきている様子。円安が素直に日本株の上昇につながりにくくなっているあたり、投資家心理が垣間見えるようで、注意を払うべきだろう。  また、海外勢の日本株高シナリオの一つには「植田日銀体制下での金融緩和継続」も挙げられていたが、ドル円が140円台を超えてくると、日本国内でも沈静化したはずの輸入インフレの再燃が想起される。これが来年以降の春闘での賃上げ継続を連想させれば、日銀の緩和継続のスタンスに疑念が持たれる場面も出てくるかもしれない。米債務上限問題だけでなく、金利・為替の動向、これらとの株価の連動性などを今後注意深く見守っていきたい。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 18件
2656 東証スタンダード
79
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-2(%)
時価総額 1,584百万円
ソフトウェア販売やPayPayポイントのポイントモール「QuickPoint」の運営等を行うICT事業が主力。再生可能エネルギー事業なども。太陽光発電所関連の資材販売、建設関連事業などの推進を図る。 記:2024/08/23
4062 東証プライム
4,888
11/22 15:30
+125(%)
時価総額 688,529百万円
ICパッケージ基板で世界トップシェア。1912年に揖斐川電力として創業。岐阜県大垣市に本社。自動車排気系部品等のセラミック事業も。電子事業は生成AI用サーバー向けが順調。28.3期売上6500億円目標。 記:2024/06/15
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
5121 東証プライム
1,554
11/22 15:30
-13(%)
時価総額 36,435百万円
工業用ゴム部品などの産業用資材が主力。1901年創業。ゴルフ用カーボンシャフトなどのスポーツ用品、ゴム引布などの引布加工品を手掛ける。DOE4%以上目途。事業ポートフォリオの最適化などに取り組む。 記:2024/10/14
5713 東証プライム
3,823
11/22 15:30
-41(%)
時価総額 1,111,782百万円
総合非鉄素材メーカー。1590年創業。住友グループの源流。資源開発、銅など非鉄金属の製錬、機能性材料の製造・販売等を行う。材料事業では車載用電池材料の需要が底堅い。資源部門では菱刈鉱山が順調な操業継続。 記:2024/07/02
6146 東証プライム
42,590
11/22 15:30
+210(%)
時価総額 4,613,221百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6301 東証プライム
4,116
11/22 15:30
+67(%)
時価総額 4,008,206百万円
世界2位の総合建設機械メーカー。1921年設立。自動車産業向け大型プレスなど産業機械も。エンジンなどは国内で自社開発。海外売上比率は8割超。配当性向40%以上目安。坑内掘りハードロック事業の拡大図る。 記:2024/10/07
6590 東証プライム
8,310
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-240(%)
時価総額 116,107百万円
半導体製造装置やFPD製造装置、真空応用装置等を手掛ける製造装置メーカー。研磨後洗浄装置、高温リン酸エッチング装置などで高シェア。配当性向35%目途。次世代・先端半導体対応装置の開発・販売などに注力。 記:2024/07/28
6857 東証プライム
9,447
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時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6967 東証プライム
5,255
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 710,329百万円
半導体パッケージメーカー。フリップチップタイプパッケージが主力。長野県長野市に本社。海外売上比率が高い。セラミック静電チャック等も。プラスチックBGA基板は生産能力増強図る。光電融合デバイスの開発に注力。 記:2024/09/02
7011 東証プライム
2,309
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 7,789,753百万円
総合重機国内最大手。1884年創立。各種発電システムや航空機用エンジン、物流機器、製鉄機械、特殊車両等を手掛ける。ガスタービンで世界トップシェア。中期経営計画では27.3期売上高5.7兆円以上目標。 記:2024/09/03
7741 東証プライム
19,375
11/22 15:30
-95(%)
時価総額 6,799,831百万円
メガネレンズ、医療用内視鏡などを手掛けるライフケア事業が主力。エレクトロニクス関連製品、映像関連製品等も。半導体用マスクブランクスで世界トップシェア。コンタクトレンズはPB品、オンラインサービスが順調。 記:2024/08/30
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,799
11/22 15:30
+20(%)
時価総額 3,918,095百万円
第一生命保険を中核とする持株会社。第一フロンティア生命保険、アイペット損害、ベネフィット・ワンなども傘下に持つ。既存進出国の資本効率改善などに取り組む。中期経営計画では27.3期ROE10%程度目標。 記:2024/08/30
9107 東証プライム
2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9439 東証スタンダード
199
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 2,317百万円
ヘアサロン「モッズ・ヘア」を直営・FCで運営。直営サロンは首都圏中心に展開。ヘアメイク事業、美容室支援事業、人材派遣等のキャリアデザイン事業も。M&Aによる事業拡大図る。27.6期売上高25億円目標。 記:2024/10/10