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【FISCOテーマ分析】新成長戦略で注目するテーマと関連銘柄:「データヘルス・未病予防」

2015/6/12 10:25 FISCO
*10:29JST 【FISCOテーマ分析】新成長戦略で注目するテーマと関連銘柄:「データヘルス・未病予防」 ■政府の成長戦略で注目すべきは「データヘルス・未病予防」 日本再興に向けて安倍政権が現在進めている成長戦略は2015年の年央(6月下旬)に改訂が予定されている。株式市場で特に注目されるのは、成長戦略を実現するための政策とその恩恵を享受できる事業を展開している企業になるだろう。 フィスコでは、とりわけ「データヘルス・未病予防」の関連分野が、将来的に最も社会的要請が強まる可能性があり、政府の成長戦略の中で避けることができないテーマの1つであると考える。その背景としては、(1)少子高齢化を迎えた日本の財政状況、(2)現在の成長戦略の内容と今後の検討方針、(3)政府の政策動向、などが挙げられる。 これまでの日本の財政状況は、一般会計税収で歳出を賄えない状況が常態化し、その不足分を特例国債(いわゆる赤字国債)で賄ってきた。一般会計税収と一般会計歳出の乖離が始まった1990年度から2014年度末にかけての歳出増加要因の大部分は社会保障関係費(年金、医療、福祉)となっている。 また、政府が公表した「成長戦略進化のための今後の検討方針」「産業競争力の強化に関する実行計画」の内容をふまえると、国の社会保障費の適正化(歳出抑制)に貢献する個人や高齢者に対して制度上の優遇措置などを設定して、個人レベルにまで身体機能の維持や病気の発症を未然に防ぐための健康管理意識を高める動機づくりがなされる可能性が考えられる。国・自治体・健康保険組合・事業会社などでは、レセプト・健診情報等を活用した「データヘルス」によって、個人の身体機能の維持や未病予防を実現するための仕組みづくりが進むことが考えられる。 さらに、政府は、健康産業のグレーゾーンを解消し、健康産業の育成と活性化のための仕組みづくりを進めている。その1つとして、2013年12月4日「産業競争力強化法」の成立がある。本法律は安倍政権が進める「日本再興戦略」に盛り込まれた施策を確実に実行し、日本経済を再生させ産業競争力を強化することを目的としている。 注目すべきは、同法律に基づき新事業の適法性を確認できる「グレーゾーン解消制度」が創設されたことである。また、主な「グレーゾーン解消制度」活用実績を見ても、「データヘルス・未病予防」関連分野の事業環境整備に向けたグレーゾーン解消が進んできている。 フィスコは、これからの新成長戦略で実現される社会像の1つとして、簡易的な自己採血・検診などで個人の健康状態を情報化し、それに基づき病気リスクの洗い出しを行い、医師との直接的な面談を必要とせずに、その病気が発症する前に健康改善の指導を薬局・スポーツジムなどで受けることが可能となると考えている。 ■「データヘルス・未病予防」の関連銘柄ではデータホライゾンに注目 これら「データヘルス・未病予防」の関連銘柄としては、以下の企業が考えられる。 <3628>データホライゾン{レセプトデータなどをICT特許技術で分析} <9433>KDDI{セルフ健康チェックプラットフォーム「スマホdeドック」} <4901>富士フィルムHD{「スマホdeドック」血液検査セットの製造販売業者} <4188>三菱ケミカルホールディングス{グループ傘下に健康ライフコンパス社} <4549>栄研化学{微量採血用ツール、かんたん採血セット「栄研」} <3141>ウエルシアホールディングス{セルフ血液検査サービス} <3391>ツルハホールディングス{セルフ血液検査サービス} <9766>コナミ{グループ傘下にコナミスポーツ&ライフ社} <4801>セントラルスポーツ{スポーツジムの運営} <2928>健康コーポレーション{完全個室型トレーニングジム「RIZAP」を運営} <6078>バリューHR{企業・健康保険組合・個人向けの健康管理サービス} <4323>日本システム技術{医療ビックデータ事業「JMICS」を展開} <3902>メディカル・データ・ビジョン{大規模診療データベースを保有} 当社では、関連銘柄の中でも、とりわけデータホライゾン<3628>に注目している。 ■データホライゾン:国策であるデータヘルスにマッチしたサービスを展開 データホライゾン<3628>は、大手企業のコンピュータシステム受託開発を主力として、1981年1月に創業。その後は、知識集約型の自社パッケージソフト開発へと方向転換、ガソリンスタンド業界の顧客管理システムや養豚業界向けの生産管理システムなどを手掛けてきたが、現在は医療分野が主力事業になっている。 同社はジェネリック医薬品通知サービスや糖尿病重症化予防サービスなど、診療報酬明細書(レセプト)データに基づく医療関連情報サービスを医療保険事業の運営者に提供している。また、医療関連のデータベースを利用した病院や保険薬局向け医療関連情報システムの開発・販売も手掛けている。医療関連情報サービスではジェネリック医薬品通知サービスが主力、これは、全国健康保険協会や健康保険組合、国民健康保険などと契約して、新薬からジェネリックに切り替えた場合の節約可能金額などを被保険者に通知するサービスである。 データヘルスが国策として推進されていることで、今後は、医療費適正化フルアウトソーシングサービスである「ヘルスケアやまと」の展開が期待されている。広島県呉市において、保健事業をパッケージ化した、日本で初めての費用対効果の見える、保険者の手間が不要なフルアウトソーシングのサービスを提供した実績があり、厚生労働省が推進するデータヘルスの実施にマッチしたサービスとなっている。 2015年3月期業績は、売上高が前期比25.8%減収の1,707百万円、営業損益は同80百万円悪化の132百万円の赤字となった。衣料関連情報サービス事業への経営資源の集中を図るため、医療関連パッケージシステム事業の主体である子会社株式を譲渡したことで、売上高は2ケタの減収となった。また、医療関連情報サービス事業における販売体制の強化に伴う人件費の増加で、営業損失幅も拡大する格好になった。 2016年3月期は、市場の広がりに伴ってデータヘルスを中心とした医療関連情報サービスの拡大が見込まれるほか、経営資源の集中効果で損益が改善する見通しであり、営業損益は50百万円の黒字に転換する予想となっている。
関連銘柄 13件
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-3(-1.27%)
時価総額 139,619百万円
ボディメイク事業等を展開するRIZAPを中核とする持株会社。健康食品等の販売を行う健康コーポレーション、インテリア雑貨等を手掛けるBRUNOなども傘下に持つ。chocoZAP事業の拡大に引き続き注力。 記:2024/08/27
1,877.5
11/22 15:30
+17(0.91%)
時価総額 393,738百万円
ドラッグストアチェーン最大手。調剤薬局併設、24時間営業のウエルシア薬局を全国展開。イオン傘下。グループ店舗数は2800店舗超。からだ・くらしWelciaは売上増加傾向。PB物販売上構成比の引き上げ図る。 記:2024/10/20
3391 東証プライム
8,100
11/22 15:30
+85(1.06%)
時価総額 400,561百万円
ツルハ、くすりの福太郎、レデイ薬局などを傘下に収める持株会社。北海道札幌市に本社。グループ店舗数は2600店舗超。ウエルシアHDと経営統合に向けて協議。不採算店舗の積極閉店などで利益率の改善を図る。 記:2024/08/23
3628 東証グロース
396
11/22 15:30
-3(-0.75%)
時価総額 5,034百万円
データヘルス計画書作成支援サービスやジェネリック医薬品通知サービス、保健事業支援サービス等を手掛ける。広島県広島市に本社。DeNA傘下。市町村国保向けデータヘルス計画作成支援業務は受注、提供が順調。 記:2024/06/18
442
11/22 15:30
+9(2.08%)
時価総額 17,692百万円
医療情報統合システムの製作・販売、医療データの分析・調査・コンサル等を行う。病院経営改善アプリケーション「MDV Act」などを手掛ける。SBIHDが筆頭株主。クラウド型健診システムの拡販を図る。 記:2024/08/29
4188 東証プライム
830.8
11/22 15:30
+0.5(0.06%)
時価総額 1,251,424百万円
総合化学国内最大手の三菱ケミカル、田辺三菱製薬、日本酸素ホールディングスを傘下に収める持株会社。MMAモノマーで世界トップシェア。25.3期はスペシャリティマテリアルズ、石化製品等の需要回復を見込む。 記:2024/06/24
4323 東証プライム
1,950
11/22 15:30
+131(7.2%)
時価総額 48,432百万円
独立系IT企業。DX&SI事業が主力。戦略的大学経営システム「GAKUEN」シリーズ等のパッケージ事業、医療ビッグデータ事業等も。NTTコムウェア、ホンダなどが主要取引先。高付加価値ビジネス推進。 記:2024/10/11
4549 東証プライム
2,092
11/22 15:30
-9(-0.43%)
時価総額 80,628百万円
総合臨床検査薬メーカー。免疫法便潜血検査用試薬や尿検査用試験紙、各種細菌検査用培地が主要製品。免疫法便潜血検査薬で国内トップシェア。配当性向30%以上目標。海外における便潜血検査用試薬等の売上増を見込む。 記:2024/06/15
4801 東証プライム
2,428
11/22 15:30
+9(0.37%)
時価総額 27,839百万円
スポーツクラブ大手。国内で初めてフィットネスクラブを開設。スイミングスクールやレジャー関連事業、介護予防事業等も。店舗数は240店舗超。フィットネス会員数は増加傾向続く。ツーリズム事業等の拡充図る。 記:2024/06/28
3,265
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+43(1.33%)
時価総額 4,061,258百万円
富士フイルムを中核とする持株会社。メディカルシステムや電子材料、オフィスソリューション、デジカメを手掛ける。医用画像情報システムで世界トップシェア。配当性向30%目安。27.3期営業利益3600億円目標。 記:2024/07/08
6078 東証プライム
1,879
11/22 15:30
+19(1.02%)
時価総額 51,464百万円
健康保険組合の保健事業の総合的な運営支援、企業の健康管理支援等を行うバリューカフェテリア事業が主力。健康保険組合の業務支援等も手掛ける。バリューカフェテリア事業では集客力の強化、営業網の拡大を進める。 記:2024/08/06
9433 東証プライム
5,030
11/22 15:30
+35(0.7%)
時価総額 11,024,985百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。ローソンへのTOBは成立。au PAYカードの会員数が944万人を突破するなど金融事業は順調。 記:2024/06/04
9766 東証プライム
14,675
11/22 15:30
+375(2.62%)
時価総額 2,105,862百万円
モバイルゲーム、家庭用ゲーム等を手掛けるデジタルエンタテインメント事業が主力。スロットマシンやアミューズメントマシンの製造・販売等も行う。配当性向30%以上目処。パワフルプロ野球2024-2025を発売。 記:2024/08/12