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JBR Research Memo(9):2022年9月期業績は新規提携案件の効果を殆ど見込まない保守的な前提で計画

2022/1/5 15:19 FISCO
*15:19JST JBR Research Memo(9):2022年9月期業績は新規提携案件の効果を殆ど見込まない保守的な前提で計画 ■今後の見通し 2. 2022年9月期の業績見通し ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2022年9月期の連結業績は、売上高で前期比33.7%増の18,000百万円、営業利益で同22.8%増の1,730百万円、経常利益で同9.2%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で1,200百万円(前期は56百万円の利益)となり、売上高と営業利益は過去最高を更新する見通しだ。 アクトコール他1社の子会社化によって、売上高で3,600百万円、営業利益で70百万円(のれん償却額180百万円控除後)の増収増益要因を見込んでいる。アクトコール他1社の2021年9月期実績が売上高で3,537百万円、営業利益で115百万円だったため、売上高は微増にとどめ収益性の改善を優先的に取り組む計画となっている。営業利益率は6.9%としているが、前述した改善施策の効果が早期に顕在化すれば利益面でさらに上積みできる可能性もある。なお、販路開拓に関しては、同社と重ならないように毎週ミーティングで確認しあっている。また、アクトコールの販売パートナーに対して、同社の家財保険の導入提案を進めており、保険事業の契約件数増加に寄与するものと期待される。販売パートナー数は同社の半分程度の規模となっていることから、従来よりも販路が3倍に広がったことになり、その効果は大きいと弊社では見ている。 売上高の増収4,539百万円の内訳は、M&A効果で3,600百万円となり、残り900百万円は既存の会員事業・保険事業の増収1,200百万円と電力販売事業の撤退等による減収300百万円による。また、営業利益の増益321百万円の内訳は、既存事業で227百万円の増益、赤字事業からの撤退で145百万円の増益、M&A効果で70百万円の増益となり、新ERPシステムの稼働開始に伴う減価償却費等の費用増で120百万円を見込んでいる。 営業外収支がやや悪化する計画となっているが、これは有価証券売却損益について市況が流動的なことから例年実績の50%程度の水準で計画に織り込んでいることが要因だ(21/9期+265百万円→22/9期+130百万円)。なお、同社は自社株価予約取引を行っており、会計上の取り扱いとして四半期ごとに時価評価を行い直前四半期よりも株価が上昇すれば営業外にデリバティブ評価益を、下落していればデリバティブ評価損を計上することにしている。現在、同取引の対象株数は474千株となっている。2021年9月末の株価が1,262円、12月10日時点の株価が1,009円となっており、12月末まで同水準が続いた場合には、2022年9月期第1四半期決算において約1.2億円のデリバティブ評価損の計上が見込まれる。なお、対象株式の満期決済日は2022年6月(300千株)及び9月(174千株)となっており、その後は株価水準にもよるが業務提携先または機関投資家へ売却するか、自己株として保有していく方針だ。 事業セグメント別の見通しは以下のとおり。 (1) 会員事業 会員事業の売上高は前期比44億円増加の114億円、営業利益は2.2億円増加の18.7億円を見込む。このうち、アクトコールの影響を除いた既存事業だけで見ると8億円の増収、1.6億円の増益となる。サービス契約件数は前期末比378千件増の3,725千件を計画しており、内訳は「安心入居サポート」で同80千件増の1,100千件、「あんしん修理サポート」で同218千件増の1,350千件、「学生生活110番」で同12千件増の300千件、アクトコールで同50千件増の680千件、その他で同20千件増の295千件と見込んでいる。 「安心入居サポート」については前期に107千件増加していることや、2022年以降の提携先の広がりを考えれば達成可能な水準と見られる。また、「あんしん修理サポート」についても前期に198千件増加しており、四半期ごとに50千件のペースで拡大を続けていることから達成可能な水準と言える。「学生生活110番」については、入会のタイミングが2022年春の入学シーズンに集中するため、そこに向けて既存販売先である大学生協での入会率アップに向けたフォローアップを強化していくほか、新規販売先の開拓に取り組んでおり、2期ぶりの増加を目指している。 その他のサービスとしては、2021年6月より提供を開始した「安心確認コール」が注目される。賃貸物件に入居する60歳以上の高齢者を対象とした原状回復費用等の補償付き見守りサービスとなる。利用者に対して定期的に電話で安否確認を行い、応答が無かった場合に家族や管理会社へメールで報告し、事故が発生した場合に生じる原状回復費用や空室期間中の逸失利益までを補償範囲内としている。「安心入居サポート」を同じ販売チャネルを生かせるため、高齢者のみの世帯数が増加傾向にあるなかで成長ポテンシャルは高い。 (2) 保険事業 保険事業の売上高は前期比3.2億円増加の50億円、営業利益は横ばい水準を見込む。保険契約件数は前期末比88千件増の681千件を計画しており、内訳は新すまいRoom保険で同42千件増の290千件、スマホ保険で同35千件増の90千件、スポーツクラブ傷害保険で同横ばいの240千件、その他で同12千件増の61千件と見込んでいる。主力の新すまいRoom保険については前期の22千件増から増加数が2倍に増えることになるが、大半は前期に予定していた大手不動産会社向けの販売開始に伴う増加となっており、アクトコール経由での販売増が見込めることも考えれば達成可能な水準と言える。また、その他保険商品については弁護士保険等の既存商品の着実な増加に加えて、2021年12月より販売開始した「セクハラパワハラ保険」等の新商品の寄与を見込んでいる。利益面では責任準備金の積立増加を見込み、横ばい水準で計画している。 (3) 駆けつけ事業・リペア事業 駆けつけ事業並びにリペア事業に関しては収益性の改善を最優先に取り組む方針で、売上高については前期並みの水準を見込んでおり、利益面では収支均衡ラインまでの回復を目指している。駆けつけ事業については、現在取り組んでいる地域金融機関との提携拡大による集客力のアップを見込んでいる。2021年5月に発表した(株)福邦銀行(福井県)との業務提携では、銀行の店頭でサービス内容と専用フリーダイヤルを告知するチラシを配布するなどのプロモーション活動を実施し、専用フリーダイヤルからの入電でサービスを提供した場合に、サービス料の一部を紹介手数料として福邦銀行に支払うスキームとなる。同社にとっては、Webプロモーションやチラシ広告などプロモーションコストをかけずに集客できることになり、福邦銀行にとってはコストを殆どかけずに紹介手数料が入る仕組みとなる。同社は今後も同様の提携先を拡大していくことで効率的に集客し、出動件数を増やしていく戦略である。一方、リペア事業においても会員事業の生活トラブル解決サービスのメニューに組み込むことで、作業件数の拡大を見込んでいる。 (4) パートナーシップ戦略の進捗状況 パートナーシップ戦略については着々と進んでいる。2021年8月以降では、介護総合支援事業を展開するインフィック(株)と提携し、同社の在宅確認サービスの提供を開始したほか、9月にはレスキュー損害保険と日本PCサービステム、エレコム<6750>が共同で新型iPhone向け液晶保護ガラスフィルムに保険サービスを付帯した商品の販売を開始、その後も金融機関3社と業務提携し、相手先のサービス上で同社の生活トラブル解決サービス(駆けつけサービス)やリペアサービスの集客につながる取り組みを開始している。 現在も多くの企業と提携協議を進めており、2022年以降も提携案件がさらに拡大していくものと予想される。近日、発表見込みの案件としてはカラダノート<4014>との提携による女性向け保険サービスがあり、現在金融庁の認可待ちの状態となっている。また、大手不動産会社とテストを進めている案件は戸建住宅市場をターゲットとしたもので、生活トラブル解決サービスを提供していく予定だ。2022年4月に提供開始予定の大手旅客サービス会社向けも同様で、生活トラブル解決サービスの提供を予定している。業界は旅客業界となっているが、コロナ禍の影響を受けないサービスを展開しており、顧客数も数百万人規模と大きいことから収益面でのプラス効果が期待される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
関連銘柄 3件
998
3/22 15:00
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時価総額 34,059百万円
入居者向け生活トラブル解決サービスを手掛ける。パートナー企業を通じ会員・保険・保証サービスを販売。安心入居サポートは会員数が順調増。保証事業は堅調。23.9期通期は2桁増益。MBOで上場廃止予定。 記:2024/01/09
4014 東証グロース
533
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+14(2.7%)
時価総額 3,401百万円
妊娠・出産・育児支援アプリやヘルスケアアプリ、企業向け集客支援サービス等を手掛ける。陣痛間隔計測アプリで国内トップシェア。中計では28.7期売上高50億円以上目標。自社アプリプロダクトの強化などに注力。 記:2024/10/25
6750 東証プライム
1,430
11/22 15:30
-10(-0.69%)
時価総額 131,876百万円
パソコン・デジタル周辺機器メーカー。マウスやUSBハブ、カードリーダなどで国内トップシェア。商品開発力などが強み。国内法人向けは既存販売店ビジネスの拡大図る。国内消費者向けは商品カテゴリーの強化に注力。 記:2024/07/02