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サイオス Research Memo(3):SaaS事業拡大戦略の第一弾として「Gluegentシリーズ」への投資を強化

2021/9/13 15:03 FISCO
*15:03JST サイオス Research Memo(3):SaaS事業拡大戦略の第一弾として「Gluegentシリーズ」への投資を強化 ■今後の見通し 2021年12月期業績予想を上方修正、「Gluegentシリーズ」等のSaaS事業の強化に取り組む 1. 2021年12月期業績の見通し サイオス<3744>の2021年12月期の連結業績予想は、売上高で前期比5.8%増の15,700百万円、営業利益で同103.2%増の480百万円、経常利益で同98.9%増の510百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同25.8%増の390百万円と、期初計画から上方修正された。COVID-19の拡大が続いており、経済の先行きについては不透明感が強いものの、第2四半期まで計画を上回るペースで進捗していることや、足元の事業環境を踏まえて上方修正した。下期だけで見ると、前年同期並みの収益水準となるが、ある程度リスクも織り込んだ計画になっていると弊社では見ている。なお、EBITDAは同70.2%増の560百万円、ROICは13.2%となる見通しだ。 また、同社はグループの経営体制強化を図るため、国内の事業会社をSTIに統合しており、今後、その効果が顕在化してくるものと予想される。期待される効果としては、製品・サービスのクロスセリング強化による売上拡大が挙げられる。今まで各子会社では自社の製品・サービスを中心に営業活動していたが、統合したことで様々な製品・サービスを組み合わせた提案ができるようになり、営業人員1人当たりの生産性向上と売上拡大が見込まれる。また、事業会社を統合したこと、プラチナタワーオフィス(東京都港区)を廃止し、本社ビルに集約化したこと等によるコスト削減効果も期待できる。 2. 今後の事業戦略 今後の事業戦略として、SaaS※事業の強化に取り組んでいく方針だ。クラウドコンピューティングの普及により、クラウド上で提供するSaaS製品の国内市場規模は2020年度に1兆円を超えたもようで、今後も高成長が続くことが見込まれている。成長余地の大きいSaaS事業を育成していくことで、業績の拡大につなげていく。 ※SaaS(Software as a service)とは、ソフトウェアをクラウドサービスとして提供すること。 その第一弾として、「Gluegentシリーズ」への投資を強化していく。同製品は企業の業務効率化を支援するソリューションとして着実に売上を伸ばしてきたが、COVID-19拡大でリモートワークに移行する企業が増えたことで伸びが加速している。ARR※の推移を見ると、2019年6月の381百万円から2020年6月は471百万円、2021年6月は574百万円と年率20%超のペースで成長している。同社では、今後、成長をさらに加速していくために、マーケティング及び開発を強化していく計画だ。 ※ARR(Annual Recurring Revenue)=月末におけるMRR(サブスクリプション契約等に基づき毎月継続的に得られる収入の月間合計)×12ヶ月 マーケティング強化施策としては、マーケティング人材の採用強化とデジタルマーケティングへの投資を積極的に行い、市場認知度を高めていくことで契約件数の拡大を目指す。これまで「Gluegentシリーズ」は子会社であったGLUが開発・販売を行っていたが、営業・マーケティング体制が小規模であり、競合するHENNGE<4475>、エイトレッド<3969>、rakumo<4060>と比較するとリソースが不足していた。その状況を打開すべく、マーケティング人材を増強するとともに、販売パートナーとの連携強化も進めていく計画だ。また、STIとの統合により、クロスセルの効果も今後期待できる。 一方、開発面での強化施策としては、エンジニアの拡充を行うとともに、顧客ニーズに適う製品の開発を進めていく。例えば、ワークフローシステム「Gluegent Flow」では、顧客がワークフローの手順を任意に設定できる柔軟性が特徴だが、現状はカスタマイズする際にサポートが必要なケースが多い。このため、顧客側でより簡易にカスタマイズできるよう改良し、顧客満足度を向上することで、導入件数の拡大を目指す。こうした投資の強化によって、「Gluegentシリーズ」の売上成長スピードは2022年以降さらに加速していくものと思われる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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