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リソル Research Memo(3):特徴はシナジーモデル

2021/7/19 15:03 FISCO
*15:03JST リソル Research Memo(3):特徴はシナジーモデル ■事業概要 リソルホールディングス<5261>の事業は一見ばらばらのようだが、福利厚生事業を要に事業間でシナジーを醸成している。例年、ホテル運営事業とゴルフ運営事業の売上・利益構成比が大きく、この2事業の収益が、旗艦事業として期待されるリソルの森事業(CCRC事業)や福利厚生事業、再生エネルギー事業といった次の成長を支える事業を安定的に支えてきた。一方、例年水面下で動きのある投資再生事業は、バリューアップ型の事業であるため、同社のシナジーと業績を裏で支えている。こうしたシナジーモデルが同社の大きな特徴であり、強みとなっている。後述するが、コロナ禍でもいかんなく発揮された。 3密を避ける業態が人気 1. ホテル運営事業 ホテル運営事業は同社の主力事業で、「ホテルリソル」ブランドの各種シリーズや温泉付き上級リゾート「スパ & ゴルフリゾート」、ペットと泊まれる「ペット & スパホテル」、暮らすように泊まる「リソルステイ(直営別荘スイートヴィラ)」など、全国に多彩なブランドで40施設を運営している(本レポート配信時点で、予定・一部他事業を含む)。こうしたフォーメーションは、地域や滞在期間、利用目的などの面で利用者に「選べる利便性」を提供する一方、同社自身にとっても、地域・客層・競合など施設の諸条件を厳密に評価しながら運営の最適化を図ることができ、投資戦略やマーケティング戦略をきめ細かく設定できるというメリットがある。 なかでも主力ブランドの「ホテルリソル」は、「くつろぎを、デザインする。」をコンセプトに全国20ヶ所(2021年3月末、予定を含む)に展開、同社の収益の柱となっている。また、同ブランドには、主軸の「ホテルリソル」シリーズとワンランク上の「ホテルリソルトリニティ」シリーズがあり、自宅のようにくつろげる居心地の良い「リビングロビー®」※など、くつろぎの「リソルスタイル」が人気となっている。また、2020年1月に東京浅草にオープンしたキャビン型宿泊施設「リソルポシュテル」は、江戸の文化と歴史の空気をまとった新しい形態の宿泊施設で、個人だけでなく、家族連れや女性グループにも利用しやすい4~6名個室や団体貸し切り部屋も用意している。 ※リビングロビーは同社の登録商標。 ところで、同社のホテル運営事業、とりわけ主力ブランドの「ホテルリソル」が、コロナ禍によって大きな打撃を受けた。しかし、前述したフォーメーションによるリスク分散も効いており、3密を避けられるだけでなく1つハイクラスな楽しみが付いたスパ & ゴルフリゾートやペット & スパホテル、スイートヴィラは好調だった。なかでも久慈で展開しているスパ & ゴルフリゾートは、ゴルフコースの中で住むように泊まるというコンセプトの戸建て方式のフェアウェイフロントヴィラで、非常に好評であった。このため、同社はコロナ禍における新しい価値観に対応した成長事業と見なし、今後、(1)部屋の中から楽しめるゴルフコースを含む雄大な景色と庭のようなフェアウェイ、(2)プライベート空間と開放感を両立する戸建てスタイル、(3)顧客が自分の別荘のようにくつろげるゆったりした空間(室内面積60m2以上)、(4)時間を気にせずに楽しめる個室温泉(一部大浴場)、(5)コースと一体化した広いウッドデッキといったコンセプトを生かし、様々なゴルフ場のフェアウェイフロントにヴィラを拡大していく考えである。 コロナ禍の新たなゴルフスタイル 2. ゴルフ運営事業 ゴルフ運営事業は、シチュエーションとサービスの在り方に応じて4つの運営スタイルで顧客のニーズに対応している。品格や伝統を重視したワンランク上のサービスを提供する「上級」、レストランの上質化を図りながらゴルファーはもちろん家族や地域の人々が交流するコミュニティの場も提供する「カントリークラブ」、オペレーションの効率化でリーズナブルな価格を実現し気軽にたくさんゴルフを楽しめる「カジュアル」、リゾートホテルやヴィラに滞在しながらゴルフはもちろん上質な食事や観光などもゆったり楽しむことができる「リゾートコース」である。なお、2021年4月に新たに「木更津東カントリークラブ」の運営を開始した。 コロナ禍においては、法人需要(コンペ・宴会など)は大きく減ったが、個人の需要が増しているようだ。法人需要減少は短期的に業績への打撃が大きいが、100%とは言わないまでも、ワクチンの普及につれて、今後戻ってくる可能性が高いと思われる。一方、3密を避ける1人向けプランや前述したフェアウェイフロントヴィラなど、個人向けに新たな需要を喚起する企画を打ち出した。もとより、女性や初心者向けメニューやゴルフ場のレストランを活用した「バンケット事業」の開発、グループが運営する施設で共通に使える「リソルカードG」を用いたチェックイン・アウトのワンストップ化など、新規客やリピーターを確保するための企画力は定評がある。また、延期になったとはいえ、東京2020オリンピックでゴルフが正式種目に選ばれたことは、ゴルフ人口の拡大につながると期待されている。さらに、このところ海外のメジャー大会で日本人プレイヤーの活躍が相次いでいることも、ゴルフ人口の増加に寄与すると期待されている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《AS》
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時価総額 28,043百万円
ホテルとゴルフ場の経営が柱。福利厚生代行や再エネビジネスも。三井不動産およびコナミグループの持分法適用関連会社。リソルの森事業は業績順調。団体利用が増加。単価も上がる。ゴルフ会員権等の販売も堅調。 記:2024/06/12