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ケアネット Research Memo(3):コロナ禍でeディテーリング需要拡大。第2四半期業績は大幅増収増益

2020/9/28 15:43 FISCO
*15:43JST ケアネット Research Memo(3):コロナ禍でeディテーリング需要拡大。第2四半期業績は大幅増収増益 ■業績動向 1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要 ケアネット<2150>の2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比35.4%増の1,845百万円、営業利益で同94.3%増の461百万円、経常利益で同101.9%増の459百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同25.1%増の179百万円といずれも期初会社計画を大幅に上回る増収増益となり、半期ベースで過去最高業績を更新した。コロナ禍により製薬企業におけるMRの営業活動が制限されるなか、インターネットを活用したプロモーション活動が活発化し、主力の医薬営業支援サービスの業績が大きく伸長したことが主因だ。 売上原価率は増収効果とプロダクトミックスの改善により前年同期の33.1%から31.5%に低減し、また、販管費率も増収効果に加えてコロナ禍によりリモートワークを実施したことによる各種経費(交通費やコピー代等)の削減効果により前年同期の49.4%から43.4%に低減し、この結果、営業利益率は17.4%から25.0%と大幅に上昇した。なお、特別損失として投資有価証券評価損120百万円を計上している。 (1) 医薬営業支援サービス 医薬営業支援サービスの売上高は前年同期比35.6%増の1,601百万円、セグメント利益は同36.9%増の812百万円となった。前述のとおり、コロナ禍において製薬企業のプロモーション活動がインターネットを活用した施策にシフトするなかで、eディテーリングやWeb講演会などの受注が好調に推移した。なかでもWeb講演会については前年同期比1.5倍増と急増し、eディテーリングと並ぶ主力サービスに成長している。また、コロナ禍において医療機関では患者数が減少したため、医師が自由に使える時間が増え、「CareNet.com」のコンテンツ視聴時間やアンケート回答数などが増加したことも売上増につながったと見られる。 2020年6月末の「CareNet.com」の医師会員数は前期末比で7千人増の161千人に拡大したが、このうち、同年4月にフェーズワンから事業取得した「がん@魅せ技」会員からの入会が3千人となっている。「がん@魅せ技」の会員数約2万人のうち「CareNet.com」の非会員数は8千人で、6月までに3千人が会員登録したことになる。残り5千人についても会員化していく予定となっている。なお、「がん@魅せ技」は主要ながん※に関連した手技動画を配信している国内最大級のメディアとなり、ビジネスモデルは「CareNet.com」と同様となっている。売上規模は年間で約80百万円、営業利益はコンテンツ制作費等の負担がまだ大きくほとんど出ていないもようだ。事業取得額は109百万円でのれんは94百万円(5年償却)となっている。事業取得の狙いは、「CareNet.com」の会員基盤は内科系医師が中心で、動画コンテンツも内科系医師向けに強みを持っていたが、ここ数年はオンコロジー分野をはじめとしたスペシャリティ医薬品市場の伸びが著しく、今後の医薬営業支援事業拡大のためには、情報提供の対象となる外科系医師の会員獲得並びにコンテンツの開発が重要と考えたためだ。特に、手技動画についてはVRコンテンツ等の制作も開始しており、今後、教育用としての利用拡大も期待される。 ※食道がん、胃がん、大腸がん、肝胆膵がん、泌尿器がん、肺がん等のがん種領域を同社で配信している。 一方で、2018年11月より「CareNet.com」内にオープンした専門医向けのソーシャル機能を備えた医療・医学ニュースサイト「Doctors’ Picks」については、やや伸び悩んでいる。同サイトは、主にオンコロジー領域における疾患の見分け方や学会発表論文、重要なニュース等をテーマに、KOL(キー・オピニオンリーダー)やYOL(ヤング・オピニオンリーダー)と呼ばれる医師等が、解説や意見等のコメントを付けて共有する投稿型ニュースサイトで、オンコロジー領域を中心に7千人以上の専門医が利用している。ただ、まだサイト内での議論が活発化しているとは言えない状況で、媒体価値を高めていくためのコンテンツの充実や運営方法の見直しなどを進めていく必要があると思われる。 (2) 医療コンテンツサービス 医療コンテンツサービスの売上高は前年同期比33.9%増の243百万円、セグメント利益は同28.5%増の46百万円と3期ぶりの増収増益となった。 医師向け教育動画サービス「CareNeTV」の売上高は有料会員数が前年同期末比14.7%増の5,122人と2ケタ増となったことで、前年同期比15.7%増の136百万円と好調に推移した。新型コロナウイルス関連のライブコンテンツ制作本数を増やすなどしたことで、会員数の伸びが加速したものと見られる。なお、同社は社会貢献活動の一環として、各大学の医学生(4−6年生)を対象に、「CareNeTV」の無料公開を2020年4月より実施している(期間は2020年9月末まで)。コロナ禍の影響で大学での臨床実習が中止となるなど、教育現場でも影響が出ていたためだ。8月時点で58大学3,900人の医学生が視聴している。同社にとって収益への直接的な影響はないものの、これら医学生が医師になった際に有料会員となる可能性は十分あり、中期的に見れば認知度向上といった面も含めてプラスに貢献するものと弊社では見ている。 「DVD他」の売上高は前年同期比67.8%増の106百万円と3期ぶりに増収に転じた。DVD販売については同2.9%減と減少傾向が続いたものの、医師転職サポートサービスにおいて、第2四半期に比較的単価の高い案件が数件成約したことが増収要因となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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製薬企業の医薬情報を医師会員にネット配信するサービス「MRPlus」などを手掛ける医薬DX事業が主力。医師・医療従事者向け会員制サイトの運営等も。医薬DX事業では既存サービスの販売体制強化を進める。 記:2024/10/06