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ケアネット Research Memo(2):インターネットを活用した製薬企業向け営業支援サービスが主力

2020/9/28 15:42 FISCO
*15:42JST ケアネット Research Memo(2):インターネットを活用した製薬企業向け営業支援サービスが主力 ■会社概要 1. 会社沿革 ケアネット<2150>は医師向けの医療情報提供サービスを目的に、1996年7月に現代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の大野元泰(おおのもとやす)氏らによって設立された。当初は衛星通信放送「スカパー!」にて「ケアネットTV・メディカルCh.®」の放送サービスを提供していたが、2000年よりインターネットを使った医師(医療従事者含む)向けの無料会員制サイト「クラブ・ケアネット」(現CareNet.com)を開設し、同サイトの会員を基盤としてインターネットを活用した製薬企業向けサービスへと展開していった。 2000年10月にはマーケティング調査サービスを、2001年11月には現在の主力サービスとなる医薬営業支援サービスを開始し、その後の成長をけん引していくことになる。2014年以降は、更なる飛躍を目指すため国内外企業との提携も活発に進め既存サービスの強化を図るとともに、新規サービスの開発・育成にも注力している。なお、マーケティング調査サービスは2014年12月にマクロミル<3978>との合弁で設立した(株)マクロミルケアネット(2016年12月期に株式を一部売却し、非持分法適用関連会社となる)に事業移管している。 2017年3月には取締役で最高執行責任者(COO)であった藤井勝博(ふじいかつひろ)氏が代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)に就任している。経営体制としては従前と大きく変わらないが、代表取締役会長となった大野氏は海外案件やM&A等の対外折衝を主に担当する。2018年5月にはメディカルインキュベータジャパンとベンチャー企業投資に関する業務提携を締結、また、両社が中心となり製薬・医療機器メーカーの臨床開発から販売までのプロセスをトータルで支援するコンソーシアム「SSI(Successful Support for Innovator)」を設立している。2019年末時点の連結子会社は4社あるが、いずれも事業規模が小さく業績に与えるインパクトは軽微となっている。 2. 事業内容 同社の事業セグメントは、製薬企業向けの医薬営業支援サービスと医師向けの医療コンテンツサービスの2つの事業で構成されている。主力事業は医薬営業支援サービスで、2020年12月期第2四半期累計の構成比で見ると売上高の86.8%、セグメント利益の94.6%を占めている。 (1) 医薬営業支援サービス 医薬営業支援サービスとは、製薬企業の営業・プロモーション活動を効率的に行うことができるように支援するサービスを言う。製薬企業の営業活動は通常、MRと呼ばれる医薬情報担当者が医師に面会し、様々な医薬情報を提供したうえで自社商品を販売している。同社の主力サービスである「MRPlus」は、インターネットを通じて医薬品情報の動画などを医師に配信すると同時に、視聴した医師と担当MRが情報交換を行うことができるプラットフォームであり、MRの営業活動の生産性向上を支援するサービスとなる。情報配信先の医師は、「CareNet.com」の登録会員(無料)となるため、同会員数を拡大することが「MRPlus」の価値を高めることにつながる。「CareNet.com」では会員数を獲得するため、医師や医療従事者等に役立つ医療コンテンツ(手技動画や患者指導、ガイドライン解説等)や海外論文、最新の医療ニュースなどを掲載している。2020年6月末時点の医師会員数は16.1万人と年々増加しており、全医師数(2019年12月時点:32.7万人)の約5割をカバーするまでになっている。 「MRPlus」のサービスは、プロモーション対象となる医薬品が抱える課題によって支援の方法が異なるため、金額や契約形態は案件ごとに異なる。また、製薬企業のプロモーション活動費用が年後半に偏重する傾向にあることから、同サービスの売上高も四半期別で見れば第4四半期(10月−12月)が最も高くなる傾向にある。2015年12月期以降5年間の平均で見ると、同事業における年間売上高の33.3%、利益の37.6%を第4四半期に稼ぎ出している。 競合企業としてはエムスリー<2413>やメドピア<6095>のほか、最近は(株)日経BP(日経メディカルOnline)とも競合するケースが増えている。登録会員数で見ると、エムスリーの「m3.com」が28万人以上、メドピアの「MedPeer」が12万人超の水準となっている。3つのサイトの中で「CareNet.com」の特徴は、専門性の高い良質なコンテンツが充実していることが挙げられる。 そのほか製薬企業向けサービスとしては、Web講演会(医師に聴かせたい講演をネットでライブ配信)やコンテンツ制作サービスなどがある。 (2) 医療コンテンツサービス 医療コンテンツサービスは、医師等に対して教育コンテンツを有償で提供する事業となる。売上高の5割強は動画配信サービス「CareNeTV」(月額5千円(税抜))の利用料によるもので、残りはDVD販売やその他の収入(医師転職サポートサービス等)で占められる。 「CareNeTV」の有料会員数は、2020年6月末時点で5,122人と年々増加している。「CareNeTV」で配信されている番組は1,900番組以上で、毎月10本程度の新作番組を更新している。臨床の第一線で活躍する一流講師が実際の臨床で役立つ情報を分かりやすく解説しており、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末でも視聴が可能となっている。専門書等を使って独学で学ぶよりも効率的に最新の医学情報を習得できるため、試験対策や資格取得などの目的で利用する医師も多い。医師向けの教育用コンテンツを制作する企業は少なく、同社は実績及び品質において圧倒的なポジションにあると言える。 なお、コロナ禍によって医学生に対する臨床実習が中断されるなど、教育現場で支障が出ていることを受け、同社は2020年4月より全国の医学生に対して「CareNeTV」を無料公開することを発表した。同年8月時点において58大学3,900人の医学生が利用しており、今後、これらの学生が医師になった際に「CareNet.com」の会員や「CareNeTV」の有料会員になることが期待される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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製薬企業の医薬情報を医師会員にネット配信するサービス「MRPlus」などを手掛ける医薬DX事業が主力。医師・医療従事者向け会員制サイトの運営等も。医薬DX事業では既存サービスの販売体制強化を進める。 記:2024/10/06
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