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富士ソフト Research Memo(1):1970年設立で創立50周年を迎える独立系大手ITソリューションベンダー
2020/4/7 15:21
FISCO
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*15:21JST 富士ソフト Research Memo(1):1970年設立で創立50周年を迎える独立系大手ITソリューションベンダー ■要約 1. 会社概要と事業内容 富士ソフト<
9749
>は、1970年5月設立の独立系大手ITソリューションベンダーである。そのルーツは、現在の同社取締役会長執行役員である野澤宏(のざわひろし)氏が自宅で自身に加え2名の社員とともに開業した株式会社富士ソフトウエア研究所であり、設立50周年を目前にした今、連結子会社28社、持分法適用非連結子会社2社、持分法適用関連会社2社で構成される連結従業員数1万4千人超(2019年12月末現在)のグループにまで発展している。 報告セグメントは、SI(システムインテグレーション)事業、ファシリティ事業、その他の3つから成る。主力のSI事業では組込系/制御系及び業務系ソフトウェア開発を軸に多彩なソリューションメニューを提供、ファシリティ事業はオフィスビルの賃貸、その他はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス事業やコンタクトセンター事業、再生医療事業等を行っている。 2. コアコンピタンスは「技術力+提案力」 同社は、自社が顧客から選ばれる理由を「日々進化し続ける高い技術力と提案力にある」としている。自動車や半導体製造装置など極めて高い精度が要求される組込系/制御系ソフトウェアの開発を通じて得た先進技術ノウハウと幅広い業種向けへのソリューション提供で培われたシステム構築力、独立系ならではの柔軟なプロダクト提供力などに裏打ちされた「技術力と提案力」を自社のコアコンピタンスとすることへの納得度は高い。 3. 財務体質の強化を果たしつつ、リーマン・ショック前のピーク売上高を3期連続で更新 同社は、リーマン・ショック前のピーク売上高(2006年3月期)を2017年12月期に更新、2019年12月期にかけて2ケタ増収を実現している。ピーク売上高更新まで実に10年余り要したわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強が図られている点は高く評価できる。 具体的には、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2019年12月期末54.1%、流動比率が同96.4%→同182.9%など、代表的な財務指標は大幅な良化を実現したうえで、2015年12月期以降の新卒中心の大量採用により、連結従業員数は同9,415人→同14,174人と1.5倍にまで拡大した。単体ベースの認定技術者比率(同社制度に基づく認定スペシャリストと認定プロジェクトマネージャーの合計数が全従業員数に占める比率)も2014年12月末22.8%→2019年12月末29.5%と上昇しており、人材面から見た成長ポテンシャルは質・量ともに拡充されていることが読み取れる。 4. 足元業績は好調、2019年12月期は13期ぶりに営業最高益を更新 2019年12月期の連結業績は、売上高が前期比13.1%増の231,074百万円、営業利益が同16.4%増の13,266百万円、経常利益が同13.9%増の13,749百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.3%増の7,836百万円と3期連続での2ケタ増収増益となった。 この実績を、2019年2月公表の期初会社計画(売上高210,500百万円、営業利益11,700百万円、経常利益12,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,700百万円)に対する達成率で見ると、売上高が109.8%、営業利益が113.4%、経常利益が112.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が117.0%となった。期初計画を上回る実績着地は4期連続である。 2020年2月に公表された同社による2020年12月期の業績予想は、売上高が前期比3.0%増の238,000百万円、営業利益が同2.5%増の13,600百万円、経常利益が同0.7%増の13,850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.1%増の8,000百万円である。2ケタ増収増益であった実績に比べ、物足りない業績予想と捉える向きもあるだろう。しかしながら、同社は2015年12月期以降、3%程度の増収見通しと前期実績並みの営業利益率を前提とした期初会社計画を掲げるパターンを継続している。今回についても、会社計画は必達目標と明言しており、ネガティブ視する必要は特段ないと考える。 配当予想は、2019年12月期の年間42円/株(第2四半期末に20円/株、期末に22円/株)から9円/株増配の年間51円/株(第2四半期末に創立50周年記念配当5円/株を含む28円/株、期末に23円/株)としている。実現すれば5年連続の増配となるわけだが、今回の配当方針を細かく見ると、記念配当を除いても2019年12月期まで過去5年において前期末配当の2倍を次期の通期配当予想としていた慣例を超えた増配予想と言える。 なお、新型コロナウイルスの影響については、マクロ的に予断を許さない状況にあり、需要サイドを見ると、中国を中心とするサプライチェーン問題が顧客のIT投資を短期的に抑制する可能性は否定できない。ただ一方、供給サイドでは、リモートワーク等に積極的に取り組んできた同社の働き方改革が奏功し、現場での大きな混乱は回避可能と考える。 ■Key Points ・1970年創業の独立系大手ITソリューションベンダー。積極的な人材投資と補完的M&A戦略が奏功し、売上高1,000億円の壁を大きく突破、2019年12月末の連結従業員数は1万4千人超 ・コアコンピタンスは豊富な実績と企業理念に裏打ちされた「技術力と提案力」。リーマン・ショック後の業績低迷期を経て、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強を実現しており、イノベーション企業グループを目指した「挑戦と創造」が加速しつつある ・2019年12月期は3期連続で2ケタ増収増益を確保、13期ぶりに営業最高益の更新を達成。2020年12月期会社計画は、微増益予想ながら5期連続となる増配予想 ・新型コロナウイルスの影響は予断を許さない状況にあるが、同社が積極的に取り組んできた働き方改革が奏功し、現場での大きな混乱は回避可能 (執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘) 《ST》
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独立系の大手ITソリューションベンダー。業務系ソフトウェア開発等のシステム構築、プロダクト・サービス等を手掛ける。オフィスビルの賃貸等も行う。米投資ファンドがTOB実施、成立なら同社株は上場廃止へ。 記:2024/10/06
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