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フェローテク Research Memo(3):事業内容(製品)は多岐にわたるが、主力は半導体等装置関連事業(1)

2019/7/10 15:43 FISCO
*15:43JST フェローテク Research Memo(3):事業内容(製品)は多岐にわたるが、主力は半導体等装置関連事業(1) ■事業概要 1. 事業セグメント 前述のようにフェローテックホールディングス<6890>は多くの製品を自社開発・製造すると同時にM&Aによって多くの企業を子会社化してきたことから、事業内容は多岐にわたっている。現在の事業セグメントは半導体等装置関連(2019年3月期売上高比率62.5%)、電子デバイス(同14.4%)、太陽電池(同9.0%)、その他(同14.0%)に分けられている。 さらに、これらのセグメントは、次のようなサブセグメントに分けられている。 2. 半導体等装置関連 このセグメントは、さらに真空シール、石英製品、セラミックス、CVD-SiC、EBガン・LED蒸着装置、ウエーハ加工、部品洗浄のサブセグメントに分けられる。 (1) 真空シール(2019年3月期対総売上高比率13.3%) 磁性流体を利用して、真空雰囲気内への回転導入機としての役割を担う部品で、半導体・FPD・LED・太陽電池等の製造工程で利用されている。同社の核となる製品で、主に半導体ウエーハのエッチングや成膜工程、FPDのパネル搬送用ロボットの回転機構部などに導入され、密閉空間を外部から隔離しつつ、加工に必要な動力を正確に伝えることを可能にしている。 主な販売先業種別シェア(2019年3月期)は半導体36%、LED11%、FPD11%、太陽電池19%、その他(主に受託事業等)23%となっている。 (2) 石英製品(同17.4%) 石英製品とは熱と化学変化に強い超高純度のシリカガラスで、同社の製品は主に半導体製造工程等で使われる。ウエーハの成膜生成や拡散プロセスなどで使われるほか、搬送や洗浄工程で治具、消耗品として使われており、微細化・高純度化が進む半導体製造プロセスの中で重要な役割を担っている。 主な販売先業種別シェア(2019年3月期)は、大手半導体メーカー向けを中心としたOEMが70%を占め、以下エンドユーザー(デバイスメーカー)26%、光ファイバー1%、その他3%となっている。主なOEM先は、日本大手3社、米国大手2社、中国1社となっている。 (3) セラミックス(同11.4%) 高強度・高純度のセラミックスに同社が持つ素材技術、生産技術、精密加工技術を生かして様々なセラミックス部品を提供している。セラミックス製品は高強度・高純度・高耐熱性などの特性に優れたファインセラミックス製品(FC)と高度な機械加工が可能なマシナブルセラミック(MC)に分けられる。前者は主に半導体製造装置用の部品として使われているが、特にドライエッチング方式(プラズマエッチャー)では不可欠な部品となっている。後者は様々な加工を施すことで各種部品や治具として利用されるが、特に半導体の検査工程での治具(ウエーハプロバー用)として需要が高まっている。また近年では、その精密加工特性を生かして高度な医療用機器での利用も進んでいる。 セラミックス製品の主な製品別販売シェア(2019年3月期)は、MC半導体検査9%、MC国内一般5%、MC輸出8%、FC半導体装置用15%、FC輸出37%、その他26%となっている。 (4) CVD-SiC(同3.1%) 独自のCVD製造法による炭化ケイ素(SiC)製品で、超高純度・高耐熱性・高対磨耗性・耐腐食性を実現している。主に半導体製造工程で用いられるウエーハボートやチューブ、シリコンウエーハの代替となるダミーウエーハなど、主に高温で使用される治具として幅広く活用されている。 地域別販売シェア(2019年3月期)は、中国が38%、日本が32%、北米が22%、台湾が4%、欧州が2%となっている。 (5) EBガン・LED蒸着装置(同5.3%) EB(Electron Beam)ガンとは電子銃のことであり、高機能なEBガンと高圧電源を心臓部とした米国製Temescal装置(精密蒸着装置)は、大学や研究所向けの小規模生産用タイプから、大規模生産用高スループットタイプまで幅広い製品群をそろえている。次世代通信などで利用が見込まれる化合物半導体での世界標準機として数多くの顧客に使用されており、現在ではLEDや通信チッププロセス等の導入が進んでいる。 (6) ウエーハ加工(同8.1%) 同社では半導体向けに6インチ以下の小口径シリコンウエーハを単結晶インゴットからウエーハ加工まで一貫生産している。バイポーラIC用、ディスクリート用、MEMS用の量産品を中心にグローバルな供給体制を築いている。また2017年から8インチウエーハの生産を開始し、後述するように今後は8インチウエーハの量産体制を構築する。 (7) 部品洗浄(同3.9%) 半導体製造装置用部品の洗浄作業を行う事業。2018年3月期までは「その他事業」に含まれていた。今後拡大が見込まれる事業だ。 3. 電子デバイス このセグメントは、サーモモジュールと磁性流体・その他の2つのサブセグメントに分けられる。 (1) サーモモジュール(同13.3%) サーモモジュールは、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するという効果を利用した板状の半導体冷熱素子(べルチェ素子)。小型・軽量でフロン要らずの特長があり、自動車の温調シートを始め、冷却チラー、光通信、バイオ、エアコン、ドライヤーなど様々な家電民製品にも採用されている。 業種別販売先シェア(2019年3月期)は、自動車19%、自動車その他1%、半導体17%、光学4%、バイオ10%、通信機器8%、理科学4%、民生15%、パワー基板18%、その他4%となっている。 (2) 磁性流体・その他(同1.1%) 磁性流体とは液体でありながら、外部磁場によって磁性を帯び、磁石に吸い寄せられる機能性素材。1960年代のNASAスペースプログラムで、無重力環境の燃料輸送等の目的で開発された。現在では、スピーカーやアクチュエーター、センサー、分別リサイクル用途のほか、同社の主力製品の1つである真空シールにも利用されている。 その他の中には、パワー半導体基板などが含まれている。パワー半導体基板とは、サーモモジュール製造技術を応用して、アルミナ、窒化アルミニウムセラミックスに銅回路板を共晶反応によって接合した放熱用絶縁基板のことである。同製品は、電車や電動車両、エアコン、サーバー等の小型化・省エネ化に寄与しており、今後の需要増が期待される製品である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《ST》
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時価総額 116,994百万円
真空シール、石英製品、セラミックス製品等の製造・販売を行う半導体等装置関連事業が主力。サーモモジュール、パワー半導体用基板等の電子デバイス事業も。デジタル化・自動化の推進などで生産効率の向上を図る。 記:2024/10/06